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第98話 それ以上近づけば……

 アインが現場に駆けつけると、そこは2陣営が睨みを利かせた状態にあった。


 片や——



「ふふふ……その黒外套〜〜忘れる筈ない。やっと見つけたわよ……クヒヒ」

「もう1人は見当たらないみたいだけど……まぁ〜いいわ。覚悟してよね」



 周りに数人の少女たちを引き連れて歩く——()()()()()()()



 方や——



「…………」



 沈黙のまま、羽虫でも見つめるように冷たく突き刺す視線を女に向ける——()()()()()()()()()


 アインの視界には、今にも一触即発の空気が漂う現場が写し出されていた。


 

「あなた達のせいで冒険者の階級を降格させられて、おまけに謹慎。スタンピートで呼ばれたかと思ったら、荷物運びさせられて、本当に最悪よ。でも……まさか城壁の資材置き場に来てみれば、あなたに会えるなんてね」

「さっきはどうやったのかしら? 私の魔法を避けたみたいだけど……魔法? その宙に浮くガラス片にでも秘密があるの? 草原で起きている爆発といい、隠れて怪しい動きをしてるあなたといい……レミュ姐さん——この子、絶対怪しいですわよ。何か隠してます!」



 集団は、先頭を行く2人がリーダー格……かは分からないが、装いを見る限りでは、ベテランを彷彿とさせる出立と装備の女。そして、さらに背後には10名程の若い冒険者——アインの目には、この若い集団は先頭を歩く2人の取り巻きのように写った。


 ただし、この時アインが注目したい……というより目が行ってしまうのは……



(あれは一体なんだ? 赤い発光——確かあれは……)



 フィーシアの方だった。



 彼女の近くの床には丸い焦げ跡——そして、そこから近い場所に居る肝心の少女は、体の輪郭が揺らぎ——まるで陽炎かげろうのように虚だ。そして、彼女の体は仄かな赤い発光を放っている。

 アインが、彼女のこの状態を目撃するのは、これが2度目。1度目は、飛竜の棲家で同行を断られ、カエに置いてけぼりをくらった時の事だ。確か、あの時の彼女 (フィーシア)も仄かな赤い発光を放っていた——かに思えば、一瞬にして姿をくらませた現象にアインは酷く驚愕したものだ。

 あの時の相棒 (レリアーレ)の言葉を借りるなら、この現象を『瞬間移動てんい』と言うらしい。

 でだ——現在の状況、女冒険者の会話を聞く限り……おそらくだが、丸い焦げ跡とは冒険者が放った魔法の痕跡。

 フィーシアの赤い発光とは、ダンジョンで見せた『瞬間移動てんい』なのだろう。冒険者の1人が『魔法』と表現していたが……果たして本当に魔法による力なのかはアインには知る由もなく。ただ、レリアーレがこの現象を『瞬間移動てんい』だと呟いていたことからも、アインの考えは一応は『魔法』であると決定づけた。

 魔法かどうかはさておき——つまりは、冒険者の魔法はこの現象(瞬間移動)によって回避され、空中で破裂した魔法が床に丸い焦げ跡を作り出したのだと判断できる。この焦げ跡を作るに至った魔法とは、先ほど耳にいた発破音ではないだろうか。



「へリスの魔法が外れただけじゃないの〜〜?」

「そんな事ないですよ! 姐さん……私の魔法がすり抜けたんですわよ!」

「ふ〜ん……すり抜けた? 魔法の効果なのかしら? 赤い光も飛んでたし……そう……なら、私が近接で切り刻んであげるわ!」


「——ッ!?」



 暫くアインは離れた位置で観察に努め、現状を把握することに注力していた。しかし、それも一瞬にして雲行きが怪しくなる。集団の先頭、【レミュ】と呼ばれている女冒険者が、不敵な笑みを浮かべて突然剣を抜いた。



「魔法職は近づかれたらゴミだからね〜! 覚悟なさいな〜……ヒヒ……!」



 そして、数秒と待たずして女は駆け出す。彼女の狙いとはフィーシアのことだ。彼女の赤い発光はすっかり収まりを見せている。これを好奇とみたような軽率な行動。レミュは、あの回避が連発出来ないものとでも思いこんだようである。



「——ッ!? ちょっと待ってくれ……彼女は……」



 これにはたまらずアインは前に出る。ただ……それも一歩遅い。あまりの唐突な一連の状況変化は、アインの思考を鈍らせ判断を遅らせた。


 この後の展開は容易に想像がついただろうが——


 止めるのが遅かった。



——ッドォン!!——



 不意に上がる一度の鈍い破裂音——草原で巻き起こる爆発や落雷……女冒険者のちゃちな魔法の発破音とは毛色が違う。


 

 どこまでも鋭くて、重苦しい音色だ。



 この場にいる者全てが、慄き、静寂を享受して動きを止めた。



 そして……



——ッカランッカラン!!——



 石畳の床に、金属の刃が落下して、これを皮切りに皆が皆、ハッ——と体を跳ねさせることで停滞した時間が動きを見せたのだ。



「——ッえ!? 私の……剣が……」



 そして、いち早く事の経緯を拾ったのは、女冒険者のレミュだった。信じられない現実に、思わず驚愕に慄く声が震えて漏れている。

 彼女が目にしていたのは、フィーシアに対し振り翳した剣。それは……やいばの中央で半分に割れて砕けてしまっていた。訳の分からない発破音の後、気づけば自身が手にした硬い金属の剣が折れていたのだ。彼女が驚くのも無理はなかった。

 先ほどの石畳を跳ねる金属の音は、剣の片割れ——刃の切先を打ちつけた音なのだろう。

 この場に居る半数の者の視線が、床に転がったその鉄屑に注がれている。



「警告です——それ以上、私に近づかないでください。そこから一歩でも近づけば“敵”とみなします。その貧相な鉄屑では済みません。次は、()()()()()()()()()


「——ッ?!」



 だが、ここで皆の意識を引いたのは無慈悲に言い放たれたフィーシアの忠告だった。

 フィーシアの両手には、いつの間にか長く歪な形の機械仕掛けの塊が構えられていた。アインにはアレの正体には全く思い至らなかった。女冒険者との距離は7〜8メートル。これだけの距離だ。刃を割った一撃はおそらく『魔法』だと——アインにはそうとしか考えつかない。

 とにかく、歪だとしか表現方法が思いつかない金属、機械仕掛けの筒——アインにとっては、どことなく谷で見せたカエの大戦斧を彷彿とさせるモノがあり……『武器』であるのだとは想像は付く。ただ……形状を長いと表現したが、とても『魔杖』だとは思いづらい。


 更に観察を続ける。


 少女 (フィーシア)の目線上には、モノクルのような幾何学な光の輪が何重にも重なって空中に描かれ、鋭い眼光は女冒険者レミュに向けられていた。そして、同じく彼女に対して突き出された機械仕掛けの筒先からは、火薬が燃える微かな香り、そして白煙が漏れている。


 これを見る限り——やはり剣を瞬間的に折って見せたのは白い少女フィーシアであり、彼女の手に抱えられた『武器』によるモノなのだろう。


 と——アインは考察した。


 そもそも、この世界は剣と魔法が織りなす世界。『()()()()()()()()()』なんて知る者は存在する筈がない。


 アインが『歪』と捉えるのも無理はなかった。



 だが……





——次は、確実に頭を狙います——





 この言葉の意味がやばい事は瞬間的にアインは理解していた。


 女冒険者レミュ……彼女が一歩近づけば、無事では済まない事など——容易に思い浮かぶ。



「はぁあ!? 次は頭を狙うだァア! ハンッ——そんなのハッタリに決まってる! 何をしたか分からないけど、きっとトリックがあるのよ! なに? その可笑しなガラクタは? そんな物であたしを誤魔化そうたって、そうはいかないわよ!!」

 


 だが、レミュは自身の剣を折られたことで憤り。余程、頭に血が昇っているのか。声を張り上げ、唾を飛ばす。今の彼女は状況が見えていない。レミュはフィーシアの掌の上……


 生殺与奪は“フィーシ(彼女)ア”に握られている事実を……


 だからアインは——



「ちょっと待ってくれ! 争いをやめてくれ!!」



 少女達の間に割って入った。目の前で、今にも人が殺されてしまうかもしれない現場を黙って傍観することなど——果敢でお人好しアインは黙って見過ごせなかったのだ。



「——え!? アイン様!! なんでこんな所に!!??」


「「「——ッ!!??」」」



 そして、まさかの乱入者にレミュは驚愕を顔に貼り付けた。背後の取り巻き少女達も、ソレには言葉を失い身体を跳ねさせている。なんと言っても、有名冒険者のアインが唐突に現れたのだ。驚くのも無理はなかった。



「今はこんなことしている場合じゃない。すぐそこまでスタンピートが迫っているんだ! だから……!」



 そして、愕然とする少女達に間髪入れずアインは言葉を口にする。この隙を逃さず、興奮するレミュを諌めようとした。


 しかし……



「——ッ!? そうです! スタンピート!!」


「——ッん!? え??」


「アイン様! 聞いてください!! この黒外套女、怪しいんです!」



 突然、レミュはアインの話を遮り、これみよがしにフィーシアを指差し声を張り上げた。



「空中にガラス片を漂わせ、赤く光って朧げで、怪しい術を使うんです! 私は以前から怪しい女だと思ってて……そしたら、草原の爆発ですよ! きっとこの女がスタンピートを故意に引き起こしたんですよ! あの爆発で魔物を誘導しているんです!」


「……はぁあ? えっと……たぶん、ソレはちが……」


「見てください。あたしの剣がポッキリと——砕けて真っ二つ! あたし達は、既にこの女の術中にハマってしまい、卑怯な手でこんな……怪しい術で、陥れようとする悪者です! アイン様——一緒にこの黒外套の女を退治しましょう!」


「…………」


 

 アインは当然、フィーシアがそんな悪事を働く人物だと思っていない。だが、この時のアインは、迫真のレミュの気迫に押され、弁解を口にしようとも推し黙らされる。と言うよりは、彼女 (レミュ)のあまりの言い掛かりに、空いた口が塞がらない——との表現が正しい。



「……君は……何を言って……て——ッ!!??」



 それでも、アインは興奮する少女を諌めようと、なんとか言葉を口にしようとするが……ここである事に気づいた。



(……な、な、なんだ〜〜このプレッシャーはッ——!?)



 アインの背後から殺気のような感覚が伝う。



 彼は現在——女冒険者レミュを目の前に捉え、彼女の後ろ数歩のところに数人の取り巻き達……これがアインの視界情報だ。



 そして、アインの後ろに居る人物は——



(——フィーシアちゃん……か?! この殺気の持ち主は!?)



 消去法で、1人しかいない。そう……フィーシアだ。


 争いを止めに入ったアインだが……思わぬトバッチリが彼にも降りかかる。怒りの矛先の線上にアインは飛び出してしまったからだ。レミュのあまりのもの言いに、アインもフィーシアのターゲットの仲間入り状態と言ったところか? 

 アインを襲うのは、背中を焼けるようなドス黒いオーラを浴びている感覚。服の下を冷や汗が伝う。

 アインは知っている。背後に居る少女がどれだけ危険な存在かを——アインが奮闘により鱗を傷つける事しかできなかった竜を、一撃で屠った黒髪の少女カエ……その彼女の従者のようにつき慕うフィーシアであっても、危険地帯“飛竜の棲家”を訪れていたということは……おそらく、主人に準じる強さを秘めているに違いない。当然アインは、そう考えている。

 先ほどレミュはフィーシアの力を『トリック』だと言った。いや——アレはトリックなんてものではない。まごうことなく彼女の力による一撃だろう。これがどういう事かお分かりだろうか? 今はまだ『殺気』との範疇で収まっているが、彼女がもしその気になったなら? 距離的に、レミュの手に握られた鉄塊の二の前になるのはアインの役目となってしまうのでないか?



(……と、とんでもない、ことになったぁ——!!??)



 フィーシアの怒りははち切れ寸前である。ここでアインが選択を間違えばこの場は即刻地獄と化す。それどころか、自分自身が無事かも分からない。


 そして……



「いいこと!? 外套女——今から、アイン様があなたをコテンパンにしちゃうんだから……!!」



 目の前では、『虎の威、得たり〜♪』と我が物顔で地獄の業火に全力で火薬爆弾を放り込む女——状況回復は至難の技で、オマケに時間もない。


 この時のアインは、人生で1番脳をフル回転させたのではないかと思えてならなかった。高確率で地獄となる思考ゲームを繰り広げているのだ。これも当然。

 ニュアンスは違うが、一種の『火事場の力』なのだと思えてしまう。


 そして……アインの出した答えとは……


 そこで、ある種『諸刃の剣』と言える回答を口にする。



「……ぁぁああ——と! 聞いてくれ! 実は彼女は僕のパーティーメンバーなんだぁあ!!」



 と——フィーシアを示して、口にしたのだ。


 この回答は、下手をするとカエの怒りを買う回答だ。「違うはアホぉお!!」と全力で怒声を飛ばす彼女の姿が思い浮かぶようである。


 当然——



「……あ、あなたは何を言っているのですか??」

 


 フィーシアも呆気に取られた。無表情だった顔面の均衡が崩れ、動揺を滲ます。

 だが……同時にフィーシアからは殺気が消えた。

 アインは、この事実を機敏に察知、好機と見るや隙かさずフィーシアへと近寄る。この時、彼はフィーシアに撃たれてもおかしくはなかったが、彼も賭けに近い行動だと分かっていながらも果敢に白い少女に接近する。



「——ッ!? あなた、どういうつもりで——」

「——シィ〜〜静かに——フィーシアちゃん、君は事を荒立てたくない……そうでしょ? あの草原の爆発を起こしているのはカエちゃんで……君は彼女のサポートをしている。違うかい?」

「…………」

「なら、ここは俺任せてくれないか? 俺の会話に合わせてくれ」



 アインは、フィーシアの目の前に行くと、今にも苦言を言いたそうに眉間に皺を寄せる彼女の言を遮る。

 そして、2人だけに聞こえる声量で言いたい事をまくしたて、すかさず振り返った。


 すると、アインはフィーシアの肩に手を置いて……



「実は……彼女は【清竜の涙】の新しいパーティーメンバーで、極秘に魔法援護をしてもらってたんだ!」



 と、もっともな言い分で嘯いた。



「——ッ“清竜の涙”の新メンバー!!??」

「——嘘!? あんな子が……?!」

「……信じられない!」

「新メンバーがいたなんて、初耳!?」



 これには、女性人一同。驚愕とも興奮とも捉えられる反応を見せた。

 因みに、フィーシアは銃を構えた姿勢を解き、それを両腕で抱える。(一応は)警戒体制を引っ込めたようだったが……彼女は横目でアインの顔を、じとぉ〜〜と風穴が開くんじゃないかとばかりに睨みを利かす。アインはこの視線に気づいていながらも「なはは…」と愛想笑いで誤魔化すしかできなかった。



「——ッ!? あ、アイン様!! その……新メンバーとは本当の話なのですか?! 信じられません。()()()というものがありながら……」



 当然——突然のカミングアウトにレミュは堪らずこれに噛みついた。



「ああ……【清竜の涙】は新しく()()の冒険者が加入してね。最近のことだったから、まだ誰にも知られてなかったんだ」


「——で、ですけど……なんでこんな隠れるようにコソコソとしてたんですか?」


「そ……それは……ご、極秘任務だからだよ!」


「ご、ごくひにんむ?!」


「そう……ギルドの特殊監査官直々に指名で強制依頼があってね。詳しくは明かせないけど……秘密裏にスタンピートを食い止めていたんだ」


「そ……そうだった……のですね」


「ああ……だから、ここで俺たちに会ったこと、見たことはどうか内緒にして欲しいんだ」


「…………分かりましたわ。アイン様——」



 そして、トントン拍子で偽情報がまとまっていく。だが……この時、不思議だったのが、アインがこうも淡々と嘘を捲し立てた点だ。


 彼は基本、嘘を苦手とするのだった。


 が、おそらく……


 『“清竜の涙”への2人の冒険者の加入』とは、彼の“願望”であるからして、ここまでの物言いを可能にしたのだろう。



「——行くはよ! みんな!」


「——ッえ!? 姐さん??」



 レミュは、アインから視線を外すと一瞬……フィーシアを鋭い眼光で睨む。そして、踵を返してそそくさとこの場を後にした。これに慌てて取り巻きも追いかけていく。この場にはアインとフィーシア、2人だけが取り残された。



「ふぅ……」


「…………」


「………あの……えっとお〜〜フィーシア()()()?」


「…………」


「いや……フィーシア()()? その……鋭い眼光を向けるのは、そろそろやめてくれないかな?」


「…………」


「あのぉ〜」


「…………」


「…………」



 だが……慌ただしい雰囲気は無くなったものの、アインは居心地悪い状況はそのまま。

 隣の白い少女はアインの体に視線を、グサ、グサ、グサと——穴が空いてしまうんじゃないかと思えるほど冷たく冷え切って突き刺さる。氷の剣でも可視化できてしまうようだ。



「いや、ごめんっって……でも、あの時はああでも言わないと……って……ッ——」



 アインは、その支線の刃を受ける理由を分かっているつもりだった。だから……フィーシアを正面に捉え謝罪を口にするのだ。自然と鋭利な視線とアインの柔な視線が交差する。

 この時、アインは初めてフィーシアの顔をまじまじと観察してみたが……肌や髪は恐ろしく白く、美麗——赤い瞳に引き込まれそう。まるで焼かれるような印象に恐怖を感じて、たじろぐ……あの、瞳から先ほどの視線を浴びていたかと考えると寒気を感じてしまう思いだった。



「……ッあれ? そういえば……」



 ここでアインは堪らず視線を彼女から外した。そして、脳裏に焼きついたフィーシアの顔を思うと——次いで想起されるのは“黒髪少女”だった。彼女の主人、並ぶ2人の少女の姿。


 すると……


 ふと、アインはあることに気づく……



「さっきから静かだな?」



 辺りは静寂に包まれているのだ。うるさかった女冒険者集団が居なくなり、この場はアイン、フィーシアが言葉を口にしなければ静かではあるはず。


 いや……



「あんなに爆発で、うるさかったのに……なんで……」



 そう……


 アインは黒い髪の少女カエの姿を思い浮かべた。そして、彼女がいるのは予想では草原方向。

 だがここで不思議なのが、先ほどまでうるさく破壊の雑音を奏でていたのに今は風音しか聞こえない。


 その静寂をアインが訝しんだその時——



——ゴォぉォォオオン——



「「——ッッ!?」」



 1発の雷が草原に落ちた。




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