彼女とデート、後半
午後からは出かけることにした。場所は近くの本屋に行くことにした。それなりに田舎なのでこの辺りの地域唯一の本屋である。二人ともそれなりに読書家(漫画も含む)なのでよく本屋にお世話になっている。
「私漫画コーナー見てくる。」
「行ってらっしゃい。」
霞は漫画コーナーを見に行ったので、僕はあえて雑誌コーナーの方に行ってみた。僕の出てる雑誌月刊アイマイミーの表紙を確認しに行った。しっかりと僕でした。しかも名前も書いてある。これ見られたらおしまいだな。僕は雑誌を色々と見ていると一つ、気になる雑誌があった。その名前は月刊MENS・girl。しかも表紙を飾っている人の名前が、萩利 霞。どういうことだ。同姓同名にしては奇跡的すぎないか?顔も結構似てる。かなりイケメンになってるけど。僕は雑誌を手に取り、ページをいくつかめくった。いくつか写真が載っているが、全て彼女の霞にそっくりだ。もしかして、霞の仕事ってこれ?
「あ、いたいた。おーい馨...。」
「あ」
まずい、本人が目の前に!
「な、何見てるの?」
動揺が隠しきれてない。
「なんか、色々と聞きたいことがあるんだけど。」
「な、なんだい?My boyfriend?」
「この雑誌のことなんだけど、(無視)萩利霞ってもしかして霞?」
「気づかれちまったか。そう。私、男装モデルしてんの。まさかこんな序盤でバレるとは。じゃあ私もこの際だから言わせてもらうわ。」
ま、まさか!
「この月刊アイマイミーの表紙の飛鳥馬馨って馨のことだよね?」
「もうそこまで知っているとは。そう。仕事で女装モデルしてます。」
「女性物の服たくさん部屋にあったじゃない。」
「鍵開けたのってやっぱ霞だったの」
「今日証拠掴んでやると思ってね。掴んだ。」
「僕の詰めが甘かったか。」
「まあ引き分けってところね。」
バレてしまった。バラしたくなかったのにバレてしまった。でも隠すのもしんどかったし、バレて良かったのかもしれない。