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三十三 悪魔
アステルの中にも悪魔がいた。
休みの三日目、クライトとイザベルが高級な宿屋で愛し合っていることは明白だった。明日になればクライトに会える。でも今クライトは花嫁のものだ。
僕らは空き地で過ごした。町の泉で汲んできた水を沸かして、野草茶を入れた。
しかし天候が悪くなり、僕らはレストランに移動した。
レストランではハーブティーを飲んだ。
何だか、暇な二日間。
三日目が過ぎ、僕とシルヴァ、ミルマンさん、クライトは空き地で落ち合った。クライトは晴れ晴れとした顔をしていた。これが愛の力なのか。
ミルマンさんは言った。
「コボルド退治を頼まれてるんだ。山の際にある畑を荒らしてくるから、退治してくれって。報酬は十二万リント。コボルドの数は多いらしいよ」
僕らはそれを引き受けた。
山の方へ行くと、アオーン、アオーンというコボルドの遠吠えが聞こえてくる。
コボルドなど、幾多の戦いを経験した僕らの敵ではない。
今日は虐殺である。
僕らは悪魔になった。
僕は笑いながらコボルドを狩った。みんなも狂っていた。僕の中に邪悪なものが息づいていることに、僕は気付いた。
つづく




