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三十二 結婚式

クライトと許婚イザベルの結婚式が営まれる。

 ニウダの町に戻ると、道でばったりクライトの許婚のイザベルに出会った。

「この人たちは?」

「僕の仲間。こっちはアステル。この髪が黄緑の人は、妖精の女王の息子さんで、シルヴァっていうんだ。……こっちの人は狩猟局の同伴者のミルマンさん」

「皆さん、初めまして。……クライト、私は早くあなたと結婚したいの。どうにかならない?」

「今は神に命じられて狩人をやっているところなんだ。もう少し待ってくれないか」

「結婚式だけでも済ませられないかな。私は待ちきれないんだけど」

「それなら……」

 クライトは三日ほど抜けたいと言った。

 僕は答えた。

「三日間僕らも休むよ。というより、クライトの結婚式に出たいな」

「出てくれるの?」

「ああ」


 そしてクライトの結婚式が営まれた。

 花婿も花嫁も、ここバダン国の民族衣装を着た。花嫁は朱色であり、花婿はウグイス色。両方とも金糸が使われている。もちろん借り物だ。

 クライトは清廉潔白な人物。僕はこういう人にはなれないと思った。

 幸せな結婚式だった。披露宴には鯛やロブスター、肉、果物などが用意され、僕らも存分にそのごちそうを味わった。クライトは本当に幸せそうだった。その笑顔はあらゆる人を幸せにする笑顔だった。

つづく

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