32/48
三十二 結婚式
クライトと許婚イザベルの結婚式が営まれる。
ニウダの町に戻ると、道でばったりクライトの許婚のイザベルに出会った。
「この人たちは?」
「僕の仲間。こっちはアステル。この髪が黄緑の人は、妖精の女王の息子さんで、シルヴァっていうんだ。……こっちの人は狩猟局の同伴者のミルマンさん」
「皆さん、初めまして。……クライト、私は早くあなたと結婚したいの。どうにかならない?」
「今は神に命じられて狩人をやっているところなんだ。もう少し待ってくれないか」
「結婚式だけでも済ませられないかな。私は待ちきれないんだけど」
「それなら……」
クライトは三日ほど抜けたいと言った。
僕は答えた。
「三日間僕らも休むよ。というより、クライトの結婚式に出たいな」
「出てくれるの?」
「ああ」
そしてクライトの結婚式が営まれた。
花婿も花嫁も、ここバダン国の民族衣装を着た。花嫁は朱色であり、花婿はウグイス色。両方とも金糸が使われている。もちろん借り物だ。
クライトは清廉潔白な人物。僕はこういう人にはなれないと思った。
幸せな結婚式だった。披露宴には鯛やロブスター、肉、果物などが用意され、僕らも存分にそのごちそうを味わった。クライトは本当に幸せそうだった。その笑顔はあらゆる人を幸せにする笑顔だった。
つづく




