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【エッセイ】BLカテゴリが出来るまで続くシチュ妄想フリートーク  作者: 城山リツ
今までの妄想カップルを一回短編にしてみる章
30/34

DKBL001 冷徹委員長×ガキ大将 「放課後の檻」

 お久しぶりです、城山です。

 前回からだいぶ開いてしまいまして、申し訳ありません。

 今までの妄想カップルを一回短編にしてみるよ計画、第一弾です。

 次のカップルも鋭意作成中なので、またどうぞよろしくお願いします!





挿絵(By みてみん)



【攻め】冷徹委員長 蔵院(くらいん) ホクト

【受け】ガキ大将 大山(おおやま) シモン

☆放課後の補習が、いつしか別の意味を持つ……


 


 目障りなサルがいる。

 遅刻は常習。休み時間は騒ぎまくる。本当に高校生なのかと疑うほどに。


 大山シモン。

 クラス一番の問題児であり、クラス委員長である蔵院ホクトが目障りな存在だった。


 その自由奔放な行動よりも、チョロチョロと小柄な体をフルに使って走り回る様子が燗に触る。

 ホクトは休み時間は静かに過ごしたいのに、ドタバタと埃を撒き散らしてキャッキャと笑う声に苛々する。


 あいつはサルだ。ホクトはシモンの事をそう位置付けた。

 自分とは全く住む世界が違う存在だと思えば、気にならなくなるのではないかと思ったのだ。


「アッハハ! オマエ、それはワリィだろお〜!」


 甲高い声でシモンが笑っても。

 あいつはサルだから。


「ええー、いいなあ。放課後、オレも連れてけよ!」


 舎弟に囲まれて楽しそうにしている。悩みなんてないのだろう。

 だってあいつはお山のボス猿だから。


「楽しみだなあ、ボーリング! ストライク緩和キャンペーン!」


 勝手にやってろ。ホクトはこの時まで、シモンの全てに関わりたくもなかった。

 だが。


 バシン!


 ホクトの後頭部に何か当たった。痛い。

 軽いものが床に落ちた音がした。視線を落とす。


 脱げた上履き。名前「大山」。

 シモンははしゃぎ過ぎた。迂闊にも上履きをホクトの後頭部にストライクしてしまった。


「やっべえ……」


 小声でサルが何か言ってる。

 ホクトはついに堪忍袋の緒が切れて、上履きを握りしめながら、そのサルに近づいた。


「な、なんだよ……」


「……」


「わ、悪かったよ! 痛かった?」


「……補習だ」


 何故、そんな言葉を言ったのか。ホクトにもよくわからなかった。

 ただシモンの、楽しそうな予定が詰まった放課後を奪いたくなった。


「お前は今日も遅刻した。放課後居残れ。補習を受けろ」


 その言葉で、シモンは汗をかき慌て始める。


「バ、バッカじゃねえの!? お前、センコーに聞かずにそんな事出来るわけないだろっ!」


 教師を「センコー」ときた。前時代の不良か、お前は。

 ホクトはそんなシモンのアホさ加減に少し呆れながら、薄く笑う。


「先生の手を煩わせるまでもない。俺が責任もってきっちりお前に補習する」


 するとシモンはますます顔を興奮で赤くして反論した。


「もっとバカじゃねえの!? お前になんの権限があるって言うんだよ!」


「権限ならある」


「ハア!?」


 キャーキャー喚くサルは、この時上位の存在がいる事を思い知った。


「……俺はクラス委員長だからな」


 成績優秀、品行方正。全ての生徒の見本になり得る存在。

 来年度の生徒会長の座は間違いない、と噂される男。それが蔵院ホクト。


 当然教師の覚えもめでたく、ホクトが動けば大抵の教師はうんと頷く。


「うひいぃ……」


 冷徹な眼鏡の奥に、絶対零度の視線がある。身長などの体格でも敵わない。

 サルは本能でそれを感じ取った。


 クラス委員長が、ついに問題児を手中に収めた瞬間であった。

 そしてホクトの心中で、今まで知らなかった感情が芽生える。


 自分を見て震え上がるシモンの顔に、ゾクゾクした。




 放課後、皆が帰った教室。

 取り残されたのは問題児・大山シモンと、それを監督するクラス委員長・蔵院ホクト。


 ホクトが用意したのは数学の問題集。簡単な最初の方でも解けないだろうと思った。

 それは想像通りだった。


「こんなのもわからないのか、バカ猿が」


 数学の時間なんてほぼ居眠りしているのをホクトは知っている。

 だが、あえてバカにしてやった。


「サルサル言うんじゃねえ!」


 シモンの怒りに触れたのは、ホクトの想像通りではなかった。

 少し笑いそうになる。堪えながら冷たく言ってやった。


「……バカは否定しないんだな」


「あっ、バカも言うんじゃねえ!」


 本当にこいつはバカだ。

 頭の悪い会話をしてしまった、とホクトは堪えていた笑みが思わず漏れた。


「仕方ない、教えてやる。俺も早く帰りたいからな」


「お、おう……」


 自分で補習を無理矢理セッティングしたくせに。

 微かに笑った顔をシモンは見逃さなかった。そんな顔もするんだ、となんだかくすぐったい感覚が芽生える。

 厳しくて仏頂面の委員長に、違う一面があった事にドキっとした。




 ◇ ◇ ◇




 補習二日目。机を向かい合わせて座る。

 今日もホクトはシモンに放課後の補習をやらせていた。

 何故こんな事を、と自分でも思う。自分のためには全くならない無駄な補習。

 だけど、時折感じる、シモンを支配したい感情が、ホクトの理性を侵食し始めていた。


 同級生の、チビでバカな奴に何故そこまで。

 ホクトは自分の中に芽生えつつある感情に戸惑いながら、数学の問題集に悪戦苦闘しているシモンの手元を眺めていた。


 小さい手。自分よりも一回りも。

 この手を俺の中にしまったら、こいつはどうするんだろう。

 そんな事を考えていたら、ホクトは無意識にシモンの手をガシっと握っていた。


「うきゃあ! な、なんじゃあ!?」


 またサルみたいな声を出す。

 ホクトは迂闊にも、少し愉しくなってしまった。


「お前、手が小さいな」


 シモンは嫌がっているがその頬は赤くなっていた。


「はっ、放せよ……おっ!」


 シモンの赤らめた顔。ホクトの理性が飛ぶ。

 可愛いと思った? いや、違う。

 ——支配したいと思った。


 次の瞬間、ホクトは握った小さな手にかぶりついていた。

 理性とは関係ない、反射的に。


「ぎゃああ! ナニしやがる、ヘンタイぃい!」


「あ、すまん。まんじゅうみたいだったから、つい」


「誰の手がもみじまんじゅうだぁあ!」


 ますます真っ赤になって怒る。不思議な感性とともに。

 シモンの思考の中を、もっと知りたいとホクトは思った。




 補習三日目。今日も机を向かい合わせ。

 素直に居残ったシモンは、少し照れながら机の上に紅葉饅頭を置いた。


「ほらよ」


「なんだ、これは」


「す、好きかと思って」


 その答えに、ホクトは絶句した。

 こいつ、俺が昨日手に噛みついた事をそう解釈したのか。

 本当にバカだ。バカなガキザル。


 嘲笑じみた笑いが込み上げるホクトに、シモンはその笑みの意味もわからずに言う。


「毎回、付き合わせてわりいから……」


 補習をやらせているのは俺なのに。そんな事も忘れてしまったのか。

 バカさ加減に呆れてしまう。俺以外に騙されるなよ、とも思った。


 それから、シモンからの意外な言葉に刺された。


「お前が教えてくれる数学は悪くねえ……」


「……ッ」


 ホクトはシモンの隣に座る。反射的に。


 これまでは向かい合わせに座っていたのに。

 急に椅子を移動させて隣に座ってきたホクトに、シモンは大袈裟に狼狽えた。


「な、なんだよ!?」


「この方が教えやすい」


 シモンがあまりに慌てるので、ホクトは愉しくなってしまった。その腰を抱き寄せる。細い小さい体に、ゾクゾクした。


「ひうぅ……っ!」


 なんだその声は。高くて弱々しい。

 初めて聞いた。

 俺が初めて鳴かせた声か。


「サルのくせに……」


 腰を抱き寄せたまま、ホクトは真っ赤に染まるシモンの頬にかぶりついた。


「ふあっ」


 小さな体がビクッと震える。

 ホクトの心も震えていた。


「まんじゅうより、甘い……」


「あ、ああ……」


 ホクトはシモンの顔を舐めまわした。

 舌を這わす度に甘い吐息を漏らすから、その行為はエスカレートしていく。


「生意気だ……」


 ついにその唇を奪う。

 小さくて、熱い、それから柔らかい唇だった。


「んう……」


 シモンの吐息が甘い。

 無意識に掴んでくる手が小さくて。


「まんじゅうめ……」


 もう補習なんてどうでもいい。

 放課後という檻に閉じ込めたい。




ーーーーー ホクトとシモンってどんな二人? ーーーーー


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ホクトのドSっぷりがしゅごいw でもそれを受け入れる純粋なドМのシモン。かわいいですよね。 お似合いのカプでした。
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