あなたの嫁になりました
一度整理しよう。昨日、異世界に来た。草原歩いた。魔物に襲われていた人達を助けた。ライゼクス領にあるアイテールという街に来た。その助けた人達の中のアイリーン様に案内されてライゼクス邸に来た。そこで豪華な食事をした。そこでアイリーン様に求婚された。今ここ。うん、訳がわからないよ。
「ア、アイリーンよ。我が愛しの娘よ。今、なんと?」
「はい。ですから、そこにおられる来人様とご結婚をお礼の代わりにと申しました。」
「・・・・なぜ、そのような事になる?お礼になぜアイリーンが嫁に行くという話になるのだ?」
うん、俺も全く同意見です。
「そうですね。一言で言いますと一目惚れです。お礼など建前です。完全にベタ惚れです。文句あります?」
「な、なんだとぉ!き、貴様ぁ!アイリーンになにをしたぁ!」
「い、いや!普通に助けに入っただけですよ!何もしてません!だから、剣を抜かないで!って、うわっ!危ない!ひぃ!」
怒り狂ったリーズベルトから必死に逃げ回る来人。
「お辞めください、お父様!このまま続けるのでしたら親子の縁を切らせて貰いますよ。」
「なっ!・・・・・・分かった。ひとまず話し合おうじゃないか。」
若干、アイリーンから親子の縁を切るとまで言われ、涙目のリーズベルト。さっきまでの親子の団欒が嘘のようだ。
「この提案は私の我儘9割によるものですが約1割程はこの家のためでもあります。」
うん、この娘のほぼ我儘なんだな、この提案。
「そ、そうか。では、その1割を聞こうか。」
「まず、私達がこの街から出ていた理由ですが、ある貴族に求婚を求められたことが原因です。そして、その結婚を断った直後にあの襲撃です。無関係だとは思えません。ゆえに、この襲撃は私がある貴族の求婚を受けるか、他の方と結婚するかしないと終わりません。以上のことから私はここにいる来人様と結婚することである貴族に向けてお断りの姿勢を見せようと思います。」
「ふむ。だが、そうすると来人君達が危険ではないかね?最悪の場合には殺されるぞ?」
ま、マジかよ!嫌だよ、そういうの。マジで。
「ご心配にはおよびません。来人様はとてもお強いので。従者の方もお強いようなので大丈夫です。」
「マスターに危害が迫る時には最終武装にて、敵を抹殺します。」
ぶ、物騒な発言は控えてくれ、ベータ。貴族の前なんだぞ。
「ゴホン、確かに来人君達の戦闘能力については報告を受けている。しかし、それだけでライゼクス家の長女を嫁にやる訳には・・・・。」
「ですから、申し上げたではありませんか。1割程だと。」
アイリーン様、なんて開き直り。最初に会った時の威厳はどこに?
「うーーーーん、あのバカ貴族のさらにバカな息子にやるぐらいならーーー、うーーーーーん。しかしーーー。」
リーズベルトが頭を抱えて唸っていると。
「ねぇ、アイリーン。あなた、本気なのね?」
突然、アイリーンの母親のアイナがそうアイリーンに問いかけた。
「はい!もちろんです。」
「では、行きなさい。来人さんのところに。後のことは私達に任せて幸せになりなさい。」
「・・・・はい!お母様!ありがとう!」
えーーーー。なんか話が急にまとまったみたいだぞ?
アイナに元気よく返事をしたアイリーンは来人の側に来ると
「これで、私はあなたの嫁になりました!これから末永くよろしくお願いします、旦那様♡」
こうして、来人の意思とは関係なくアイリーンと婚約した。




