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第一異世界人は貴族の娘

 こんにちは、来人です。俺は今、ロボ娘であるベータのせいで草原をひたすら歩いています。・・・5時間程。ベータ曰くあと19時間歩けば目的地に着くらしい。殴りたい。まぁ、歩いている間にこの世界には魔物がいると聞いたので戦闘時に使用する武器の出し方や俺のステータスについて教えてくれた。まず、武器については宇宙船アドバンスドにある武器庫から転送する形になるようだ。俺のステータスについては培養ポットにいる間にステータス値を常人の300倍にしたとのこと。しかも、任意でその力を使うことができるようで日常生活に支障はないとのこと。あの培養ポットにいる間に必要な処置を施したとベータは笑顔で言っていたがとても不安だ。しかし、その身体能力を持ってしてもあと19時間かかるとか、ぶざけんな。そんな感じで俺達はずっと草原を歩いてます。


 「マスター、突然ですが前方300メートル先に魔物と襲われているであろう人間と馬車を発見しました。どうしますか?」

 少しベータに関して感謝すべきか、歩かされている状況に怒るべきか来人が検討しているとベータがそんなことを言ってきた。

 「え?襲われてるの?だったら助けないと。」

 「はい、ですがあの魔物の数は少し厄介ですね。120匹くらいいますよ。よろしいのですか?」

 「は?120匹?多すぎるだろ!魔物の巣でも入ったのか?あるのか分からないけど。」

 「いえ、基本魔物は群れで行動しないはずです。予想ですがたぶん意図的にあの馬車を襲わせているのでしょうね。」

 「意図的にって、襲ってるの魔物でしょ?」

 「えぇ、ですから操ってるのでしょうね、人間が。もっと言うと襲撃している魔術師がです。」

 「って事は少なくともあの馬車いる人は他人から狙われるくらいに偉い人か、狙われる理由のある人って事でいいのかな?」

 「はい、その通りだと思います。そして、その考えはおそらくそれなりの身分の方という方がおそらく近いかと、馬車の周りにいる人間の装備が高価な鎧のようですので護衛騎士ではないかと。」

 確かに周りにいる人達はすごく高そうな鎧を着ているな。でも、数が多すぎて守りきれない感じだな。少しずつだけど、馬車が壊れ始めてる。このままだと死人がでるかも。

 「・・・・うん。助けるよ、ベータ。さすがに放っておけないよ。」

 「承知致しました、マスター。では、戦闘を開始します。マスターも武装を展開してください。私が援護致します。」

 「ありがとう、分かったよ。じゃあ、オブジェクトコード01展開!」

 『声帯認証承認。オブジェクトコード01転送します。」

 来人が叫んだ瞬間、来人の目の前に少し長めの剣が出現した。

 「よし!行こう!ベータ!」

 「はい!マスター!」

 すでにベータは何か武装を持っていたのですぐに魔物の所に飛び込んだ。

 「な、何者だ!お前達は!ここは危険だ!離れるんだ!」

 いきなり飛び込んで来た正体不明な者達に護衛騎士と思われる者達が混乱しながら叫ぶ。

 「え、えーと、助太刀です!とりあえず魔物を掃討します。出来る限り援護をお願いします!」

 「は?おい!待て!お前みたいな子供が何ができ・・・る?」

 護衛騎士と思われる者達は止めようとして、言葉を失った。その理由は自分達が防御する事しか出来なかった魔物が一瞬で蹴散らされていくからだ。

 「な、なんだ!?あの動きは!人間の動きではないぞ!?それにあの武器はなんだ!?切れ味がいいってレベルではないぞ!?」

 護衛騎士と思われる者達は来人達の戦闘に圧倒され、とても援護できる状態ではなかった。

 「これでー、ラストッ!」

 最後の魔物を来人が一刀両断したところで戦闘は終了した。

 「お疲れ様でした、マスター。カッコよかったです。素敵です。惚れ直しました。」

 「お疲れ、ベータ。褒め過ぎるし、なんか変な事口走ってないか?」

 戦闘が終わった瞬間、来人に抱きついて来ようとするベータを軽く避けながら馬車の方に向かっていくと。


 「と、止まれ!助けてくれた事には感謝するが貴様らが何者か分からない以上接近することは了承できない!まず、貴様らの名前と所属を答えろ!」

 来人達は馬車に普通に向かおうとしていたので護衛騎士と思われる者達に警告された。

 「えーと、俺達は旅の者で黒羽 来人と申します。で、こちらが従者のベータといいます。一応、襲われていたようなので助太刀しましたが悪意があってのことではないのでそこは信用してくれると助かるのですが。」

 「た、旅の者だと?そのような者達が何故このような場所にいた?かなり旅の者達がよく使うであろう道からズレているようだが?」

 「え!?そ、そうなんですか?ハハハ・・・・・。」

 「これは詳しく聞く必要がありそうだな。お前達そいつらを拘束しろ!すまんが一旦拘束させて貰うぞ。」

 え、これやばくない?逃げてどうにかなる問題なのかな?全力で走れば逃げれるけど指名手配されかねないしなー。

 「これは困りましたね、マスター。口封じします?」

 「却下だ。助けた意味無いじゃん。逃げるよ。」

 来人達は逃走を決意したとき、

 「辞めなさい、騎士達よ!剣を下げるのです!恩人達に対してあまりに無礼ですよ!今すぐ停止し、私の側に戻りなさい!」

 「で、ですが、お嬢様。この者達が何者かも分からない状況では・・・・。」

 「黙りなさい。この者達は危機的状況にあった私達をお救いくださったのよ?そのような人達に感謝こそすれ、剣を向けることなどあってはなりません!いいから戻りなさい。」

 「はっ!」

 馬車から出て来た女の子の言葉に来人達を拘束しようとした騎士達は女の子の側に戻って行った。

 「こほん、では改めまして、私はアイリーン・ライゼクス。ライゼクス家の長女です。この度は危ない所を助けて頂きありがとうございます。つきましては私の屋敷に招待したいと思います、いかがでしょうか?」

 「は、はい。とりあえずアイリーン様とお呼びしますがアイリーン様の家のご身分は?」

 来人はとりあえず指名手配の可能性は無くなったことに安堵したがそれよりもアイリーンの放つオーラがかなり身分の高い感じがしたので恐る恐る聞いてみる事にした。

 「アイリーン様のお父君は公爵だ。」

 「・・・・・・・・・。」

 来人達が異世界で初めて遭遇した人物はまさかの高貴な貴族の娘だったようです。

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