↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジェットのぼうけん  作者: ジョーカー
中章:激震魔大陸
89/131

決着

 レシアやヴォシム王女が居るキャメロットに、魔王の技が降りかかる。ジェットは魔王の狡猾な作戦を前に大ダメージを受けてしまい、神力を消耗してしまった。

「これで終わりじゃな……これで、全てが……!!」

 勝利を確信し、ニヤリと笑う……しかし、いつまで経っても技は爆発の気配を見せなかった。

「……なんじゃ……!!?」


 ──そう、魔王は忘れていた。彼には、とんでもない仲間が居たことを──

「奴は、知らないようだな……勇者(ジェット)の冒険を支えた仲間が、ここに居ることを……!!」

「フン……!!」

 ローレンスとジョーが、暗黒のエネルギーを相手に気のバリヤーを張っていた。両者とも黄金宝石で全回復しており、ベリアとの戦いで見せた変身をしていた。

「レシア!!王女様!!ジェットを頼む!!」

 ローレンスが、後方を向いてそう言う。彼女達は、既に準備していた。

「わかってるわ……!」

「勇者様は、任せて……!!」

 彼らの後ろでは、レシアがジェットを抱えていた。その横で、ヴォシム王女が彼の胸に手を当て、回復魔法を発動していた。

 ローレンスはそれを確認してから、バリヤーを張る腕に力を込めた。

「おぉおおおッッッ!!!行けッッ!!ジョー!!!」

「俺に命令するなァアッ!!!」

 ジョーは拳を振りかぶりながら、思いっきり四股踏みする。そこを蹴って、魔王の技へ突撃した。思いっきりパンチを放って、エネルギーボールを空の彼方へぶっ飛ばした。

「なにィイイイッッ!!?」

 それを見ていたベリアル8世は、思わずエネルギーボールを目で追った。それは天を突き破り、空の向こうで大爆発した。大地にまで衝撃が轟き、雲が全て吹き飛ぶ。そして、カンカンと太陽の光が差した……

 魔王の前に、例の二人が立ちはだかる。

「貴様ら……!!どこまでも、小賢しい人間ども……!!」

 魔王の怒りで、大地が揺らぐ。二人は臆することなく、構えた。

「貴様も、ジェットが全快するまで待つほど馬鹿では無いだろう。故に、少しばかり邪魔をさせてもらおうか。」

「別に、テメェを倒しちまっても構わねェンだろ?」

「ほざけェエエエエッッッ!!!」

 とてつもない神力が溢れ出し、爆発する。二人はそれに吹っ飛ばされそうになるも、同じ風に神力を高めて爆発させた。

「ジョーッッ!!我らでは奴の体力を削り切る事は出来ぬッ!!しかしッ、太刀打ちする事は叶う!!最低限、怪我だけでもさせろッ!!少しでも、ジェットに繋げるのだ!!」

「分かってる!!」

「作戦会議は終わりか……!!では、去ねェエエッッ!!!」

 彼女は飛びかかり、強烈な一撃を放ってくる。二人はそれを避け、ジョーが彼女の腹を殴り上げた。

「ごふぁあっ!!?」

 確かに腹筋をその叩けた。彼女は吐血し、揺らぐ。

「せいやぁあっ!!」

 次にローレンスが、ハイキックで彼女を蹴り飛ばした。彼女は吹っ飛ぶが、地に足を踏ん張り、ダウンはしなかった。

「死ね……!!はぁあああーーーッッッ!!!」

 ジョーが飛び、フルパワーのエネルギー弾を連射した。彼女に直撃する度に大爆発が巻き起こり、辺りに衝撃が波動する。

「く……!!馬鹿め、それでは敵の姿が爆煙に隠れるだけだ!!」

「うるせぇ、黙ってろ!!」

「友の警告は、聞くべきじゃぞ?」

 ジョーの背後に、ベリアル8世が現れた。瞬間、彼は振り向く。

「がぁあっ!!」

「ちっ!!」

 拳を、腕でガードする。それだけなのに、腕がビリビリと痺れた。

「あまいっ!!」

 そのまま、彼女は猛烈なラッシュを繰り出してきた。ジョーはそれに対応しようとするも、徐々に押されて一方的に攻撃を受けることになった。

「ぐぅうぁあああ……!!!」

 何て、早く重い一撃だ……ジェットはこんな化け物と殴りあってたのか……!!

 吐血しながら揺らぐも、すぐに目を鋭くして腕をクロスした。

「はぁああああーーーッッ!!!」

 そのまま全エネルギーを解放し、超爆発波を放った。

「ぐぅううっ!?」

 彼女はそれを、腕を交差してガードする。爆発波が止んだタイミングでガードを下げ、拳を振りかぶった。

「せりゃあああっ!!」

 しかしローレンスが飛び蹴りし、彼女は吹っ飛んだ。その手には神力を纏っており、手刀を構えている。

「はぁああああーーーッッ!!!」

「この、なまくらがァアッ!!」

 彼女はその場でパンチを連打する。彼は立ち止まり、その手刀で飛んでくる拳圧を弾き飛ばした。

「ぐ……!!」

 神力がどんどん削られ、遂にはゼロになる。

「たぁあっ!!」

 そこで彼は跳び上がって体を廻し、全力で回し蹴りを放った。しかし、それは彼女の手に受け止められた。

「いい蹴りじゃ……!!しかし、それでは妾は倒せぬ!!」

 そのまま、その足を下げる。彼を眼前に置き、その胸へフルパワーの正拳突きを叩き込んだ。

「ごはぁああアッ……!!!」

 とてつもない威力で胸を打ち抜かれ、吐血する。そしてぶっ飛び、倒れそうになる。

「ッ!」

 しかし地に手を付けて、体勢を整えて着地した。胸を押さえ、息を切らす。

「……アバラが、何本かイッたようだな……!!」

「死ね……!!」

 彼女は、彼に飛びかかる。しかし、その横からジョーが迫り、ベリアル8世の顔面に踵落としした。

「ぐぎゃあっ!?」

 彼女はぶっ飛んで、地を転がる。しかし、すぐに立ち上がった。そして、二人を睨む。

 ジョーは、ローレンスの方を見てニヤついていた。

「まさか、あんな拳でへばってたんじゃねぇよな……!!」

「貴様も遂にジョークを言えるようになったか。」

 ローレンスはムッとした表情で血混じりの唾を吐き捨てる。そして、構え直した。ジョーも構え、魔王に向いた──


 二人は、魔王と攻防している。若干押され気味の様子ではあるが、何とか戦えているようだ。

「頑張れ、親分ーっ!!横の人も頑張ってくれーっ!!」

 モルドレッドは、彼らを必死に応援する。しかし、その横にいたベリアは難しい顔をしていた。

「……無理だ!お母様の方が強い……!!」

 モルドレッドはそれを聞いて、彼女に突っかかった。

「そんな事無いっ!!アタシの親分はアタシより強いんだ!!だから、最強に決まってる!!」

「お母様は、それより強いのだ……!!そのこのままでは、奴らが力尽きるのが先になってしまう……くそっ!!私も戦うぞっ!!」

「ッッ……じゃあ、アタシも──」

 戦いに臨もうとする二人を、ジェットが静止した。

「いや……二人とも、お前達はここに居てくれ。」

 最低限動ける状態にはなれた彼は、ゴキゴキと首を鳴らす。

「勇者様っ!まだ怪我が……!」

「心配すんな。何とかなる。」

 焦る王女を撫でて、落ち着かせる。そして、レシアの方を向いた。

「……ほら、これ落ちてたわよ。」

 彼女は、折れたジェットの剣を渡した。彼はそれを受け取り、神力で刃を形作った。

「馬鹿な……今のお前では、無理だ……!」

「みんなで協力しねぇと、ヤバいっつーの!!だから、アタシ達も……」

「じゃあ、後方支援を頼む。ヤバくなったら、前に出てくれ。以上。」

 彼はそう言って神力を解放し、ベリアル8世の所へ飛んだ。


「ハァッ……ハァッ……!!」

「がハッ……ゴフッ……!!」

 二人は既にボロボロの状態で、何とか立っていた。

「もう終わりか……?呆気ないものよ。神の力を宿した所で所詮は人間……!!」

「あの王女、回復するのにいつまで時間掛かってやがる……!!」

「仕方あるまい、ジェットはこのダメージに耐えながら奴を圧倒していたのだ……!」

「何をぶつくさと……このまま、灰燼と化すがいい!!」

 彼女は手を上げ、そこから巨大な暗黒の炎の塊を作り出した。

「……!!」

 ローレンスはそれを見て、「とてもコンパクトだ。」との感想を漏らした。恐らくアレは、全開放すればこの魔の大陸を丸ごと消しかねない代物。その威力を圧縮し、あのような形に……

「消えろーーーッッ!!!」

 彼女は、それをぶん投げる。

「クソがァアァッ!!!」

 本能でそれをヤバいと感じ取ったジョーは、両手に獄炎のようなエネルギーを溜め、手を合わせる。ローレンスも、込められる限りのエネルギーを、合わせ手に宿した。二人は、その手を突き出し、巨大なエネルギー波を放った。

「ぐぅうううッッッ!!!」

 しかし二人は押され、靴を擦らせながら後退する。

「ジョー、もっと気を上げろーッッッ!!!」

「今上げてんだろ!!黙ってろ石頭野郎ォオオッッ!!!」

 二人の気は、大きくなりつつある。しかし、魔王の技が遥かにそれを上回っていた。

「馬鹿者!!!気を上げろと言っているんだーーーッッッ!!!」

「上げてるッツッてんだろがァアアアーーーッッッ!!!!」

 遂に、二人は跪いてしまった。己の気の高まりに、体が耐えきれず、腕が裂けて血を噴き始めた。身体を奔る魔力の回路も、ブチブチと焼き切れているのが分かる。

 二人の頭が、限界のサインを出し続ける最中……

「はぁああああーーーッッッ!!!」

 背後から、声が響いた。ジェットの声だ。彼は二人の間で急ブレーキして、剣を振り下ろした。

「……!!!?」

 剣から斬撃が飛び、彼女の技を真っ二つにして、霧散させた。

「すまん、遅くなった!!」

 二人の前に、あの聖なる鎧を纏った光の勇者が居た。

「危うく死ぬ所だったぜ。」

「す、すまぬ……我らが不甲斐ないばかりに、またしても……」

「謝るなローレンス。今回は助けられた。お前達が居なきゃ、この大陸が……いや、この星が消えてたかもしれねぇからよ。」

 話し合う三人の前で、ベリアル8世は憤怒した。

「まァた貴様かジェットーーーッッッ!!!」

 荒ぶるエネルギーが爆発し、辺りに波動する。ここで、三人は顔を見合わせた。目で何かを伝え、再び魔王の方へ向き直す。そして、構えた。

 実の所、三人は他のメンバーの意図を分かっていなかった。しかし、確かな事が分かった。「自分のやれる事をすれば、奴に勝てる」と……

「……行くぞ、決着だ!!」

「殺してやるぞ、人間どもぉおおおッッ!!!」

 ローレンスがその場に残り、ジョーとジェットの二人が突撃した。

「あだだだだだだッッッ!!!」

「オラオラオラァ!!!」

 二人は、とてつもない速さで猛攻した。ジョーの拳とジェットの剣技が、猛スピードで飛んでくる。

「ふん……!!牽制のつもりかァアッ!!」

 彼女はその全てに対応してから、両手で拳を連打した。鋭い拳圧が二人に連打され、ぶっ飛ぶ。

「せぇえいやぁああーーーッ!!!」

 入れ替わるようにローレンスが来て、足に渾身の神力と気と魔力を込め、飛び蹴りした。神速の飛び蹴りは確かに彼女を打ち抜いた。

「ぐはぁああああ……!!!」

 彼女は、猛スピードで水平にぶっ飛んだ。遮るものがない以上、それは止まらなかった。

「ぐっ……二人とも!!」

 ローレンスはその攻撃を最後に、普通の状態に戻ってしまった。蹴りを放った方の足が砕け、あらぬ方向へ曲がっている。

「次は俺だぁああああ!!!」

 ジョーが猛ダッシュして、ぶっ飛ぶ彼女に追いつく。その両腕に、燃え揺らぐ獄炎のエネルギーを纏う。

「オラァ!!」

「ぐっ!?」

 二人は一撃をぶつけ合い、そこから猛スピードで攻防した。しかしながらジョーはこれまでにないほどに昂っており、彼女をラッシュで圧倒して見せた。

「どうした魔王!?さっきの威勢はどこに消えた!!」

「黙れ……いい気になるなァアッ!!!」

 彼女は踏みとどまり、腕を思いっきり振る。そして、ジョーの顔面に思いっきりパンチした。拳が着弾し、彼の顔面で爆発が巻き起こる。

「……」

 彼女は、ニヤリと笑う。しかし、彼はその手首を掴んだ。

「なにっ!?」

「ぐ……ぐ……!!」

 ゆっくりと顔から引き剥がし、掴んでる方の手に握力を込めた。

「阿呆が!!」

 その握力で、彼女の手首が潰れた。

「!!?」

 突如として発生した激痛を前に、後退りをする。ジョーはそんな彼女の懐に入り、右の拳にありったけの力を込めた。

「オラァアアアーーーッッッ!!!」

 それで彼女の顎をアッパーする。すると、とてつもない炎の柱が、天を衝くように発生した。

「がはぁああああ……!!!」

 彼女は、上空の彼方へ打ち上げられた。全身を、獄炎に焼かれながら。

「ジェット、決めろーーーッッッ!!!」

 ジョーはその体勢のまま、普通の状態に戻った。アッパーを放った腕が、ブスブスと煙を噴きながら黒焦げになっていた。

「はぁあああああーーーッッッ!!!」

 ジェットは剣と心に全てを込める。その背から、美しく輝く光の白翼が顕現した。それで彼は飛び、一瞬で彼女の眼前に迫った。

「これで──」

 彼の剣に纏われていた光の刃が、天に届くように伸びる。そして、とてつもなく強大な光を放った。

「ひ……!!?」

 魔王はそれを前にして、逃げようとする。しかしジョーとローレンスの一撃のダメージが体に響き、動けなかった。

「な……や、止めッ──」

「終わりだァアアアーーーッッッ!!!!」

 光の勇者はそれを容赦なく振り下ろした。魔王はそれに直撃し、光に飲まれた。

「ぎゃああああああーーー!!!!何故だ、何故妾が……嫌じゃ、死にとうない!!死にとう──」

 とてつもない閃光が、その場を埋め尽くす。そして、やがてそれは晴れていき──

「ハァーッ……ハァーッ……!!!」

「……や、やった……のか……」

「ヒャハハハ……や、やりやがった……!!」

 三人の戦士が、残っていた。魔王は確かに光に飲まれ、細胞の一片も残らず消し飛んだようだ。三人の勝利を飾るように、快晴の青空には太陽が輝いていた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。