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Just place of Love  作者: 諏訪貴信


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すべからく野蛮

そして運命の日。


京都。


清水寺


その上空に東京軍の浮遊要塞が現れた。


数千機のドローン。


量子兵器。


AI指揮艦隊。


京都側も迎え撃つ。


鐘の音が響く。


ゴォォォン――。


その音とともに五人の継承者が現れた。


最初に進み出たのは森屋蒼介。


能力名。


「言霊」


彼が言葉を発すると現実が僅かに書き換わる。


「止まれ」


一言。


それだけで空中の百機のドローンが静止した。


東京軍がざわつく。


だが東京側にも切り札がいた。


神崎ユイ。


能力名。


「未来演算」


数千万通りの未来を同時観測する。


彼女は静かに言った。


「あなたが次に発する言葉は『無理だ』です。」


蒼介は笑った。


「無理だ。」


言った瞬間、自分で驚く。


未来を読まれていた。


戦いが始まる。


蒼介は言霊を放つ。


「砕けろ!」


空気が槍となる。


ユイは未来演算で回避。


さらに空間に数千の予測軌道を展開した。


京都の空が光の格子で埋まる。


そのとき。


京都側の第二の継承者が動いた。


名は白河紗月。


能力名。


「物語」


彼女は現実を物語として再構成できる。


「英雄は最後に立ち上がる。」


そう呟いた瞬間。


倒れていた京都側戦士たちが再び立ち上がる。


傷が消えていく。


東京軍は戦慄した。


だがユイは冷静だった。


「物語なら終わらせればいい。」


未来演算を極限まで加速。


彼女の瞳が銀色に輝く。


「この物語の結末は敗北です。」


世界が揺れた。


京都の戦士たちが膝をつく。


能力同士の衝突。


現実そのものが悲鳴を上げる。


その時だった。


清水寺の奥。


封印されていた存在が目を覚ます。


古都そのものの意志。


千二百年分の記憶の集合体。


能力名。


「京都」


人ではない。


都市が能力者になった存在だった。


無数の灯り。


祈り。


笑い声。


涙。


歴史そのものが人型を成して立ち上がる。


東京側も応じる。


上空の要塞が割れる。


都市AIが物質化した姿。


能力名。


「東京」


三千万の人間の思考。


無限のデータ。


未来予測。


都市そのものの意志。


京都と東京。


二つの都市が向かい合う。


夜空が裂ける。


京都が言う。


「人間は不完全だから進化する。」


東京が答える。


「不完全だからこそ管理が必要だ。」


そして激突。


寺院の鐘の音。


超高層ビルの電子音。


伝統と未来。


感情と合理性。


過去と未来。


二つの文明の象徴が、京都の夜空で衝突した。


その瞬間。


遠い宇宙から、あの未知文明の艦隊が太陽系へ到達する。


彼らは人類の争いを見つめていた。


まるで審判者のように。


そして艦隊の旗艦から、一つの信号が発せられる。


「興味深い。」


東京と京都の決着が、人類の運命を決めることになる。

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