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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
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第25話:特別な日

(ペンドラゴン:真夜中)


ホノカはポーラと一緒の部屋で二人とも爆睡していた。

従魔達が交代で見張っていることでホノカ達は安心して寝ていた。


ギ、スゥー


その部屋の扉から何者かが入ってきた。


従魔はしっかりと起きているが、この侵入者を止めずに中に入れてしまう。


その侵入者はホノカを一度だけ見た後、ポーラの元へ向かう。


(朝)


「お兄ちゃん!おはよう!」


ポーラはホノカを横から揺すり、ホノカを起こす。


「ん?おはよ…」

ホノカは目を擦りながら起きる。


「今何時だ…」

ホノカは部屋にあった時計を見る。


「6時…ポーラ今日は早起きだね」


ポーラは一瞬だけ目を逸らす。

「…うん」


「?」

ホノカはポーラの様子が変だと思い、隣のベッドを確認する。


(「違うか…」)

ホノカはポーラが久しぶりにおねしょをしたと思っていた。


「お兄ちゃんご飯出来てるみたいだよ!早く行こう!」

ポーラはホノカは引っ張るように連れていく。


「うん」


ホノカとポーラと一緒に部屋をあとにする。


(「?、今日は誰ともすれ違わないな…」)

ホノカ達は暫く廊下を歩いているが、誰とも会うことがない。


「お、お兄ちゃんどうかしたの?」

ポーラは何かを誤魔化すようにホノカに質問する。


「いや、なんでもないよ」

ホノカは周りの異常さにポーラの様子に気づいていない。


(「何かあったのか?“索敵”」)

ホノカはスキルを使用して、敵を探すが…


(「いないな…ん?、そういえばタヌ太郎達が部屋に居なかった様な…寝起きだからちゃんと覚えてないな…」)

ホノカは頭をかかえ、今朝のことを思い出そうろするが、上手く思い出す事が出来ない。


「着いたよ!」


「あ、あぁ…」


(「異常はないかオーレンに聞くか…」)


ガコン


ホノカは大きな扉を開ける。


パン、パン、パン、パン


「!?」


ホノカにクラッカーが放たれて、ホノカはその音に寝起きを相まって驚く。


「ホノカ」

「「「「「誕生日おめでとう!!!!!」」」」」


今日はホノカの誕生日なのだ。


「お前ら…」


そこにいたのはホノカの同級生であるヴィナタ、ヴィクトル、ヴィオラやその家族が集まっていた。

それだけでなく…


「ドノン、エレン」


そこにいたのはトライーガ領の自警団改めて『トライーガ領特別警備団』になったドノン達だった。


ドノン達は嬉しさを抑えきれずにホノカを囲い、代わる代わりに祝いの挨拶をしていき、最後のエレンが…


「ホノカ様…実は我々だけではないんです…」


警備団達が道を造るとその先には…


「マルタ…?」


そこにいたのはマルタとその家族だった。

マルタは幼子を抱えていた。


「お久しぶりでございます…ホノカ様…ポーラ様」

マルタは泣きながら挨拶をする。


「あぁ…久しぶり…」


「直接紹介したことがなかったですね…この人が私の夫です」


オールバックの少し痩けた頼りなさそうな男性が前にでる。

「はじめまして、英雄殿…私はホウト・ユノナディと申します。」


「そして…この子が私達の息子…ホグレン・ユノナディです」


「可愛い子だな…

名前は母上と俺の名前から取ったのかい?」


マルタはホノカが子供の名前に気づいてくれたことが嬉しくて、涙が出そうになり口を押さえながら話す。

「はい…申し訳ございません…勝手に使ってしまって…」


「いいんだよ…寧ろ嬉しいよ」


「寛大な御心感謝申し上げます」

マルタと旦那はホノカにお辞儀をして感謝する。

ここでマルタは涙を耐え切れず泣いてしまう。


「私達はこれで…」

ホウトはマルタを気遣って、下がる事にした。


「ゆっくり休んでくれ…またな」


「えぇ…また後ほど…」


マルタとその家族は他の人達の為に話したい気持ちを抑えて、自警団と一緒に下がっていく。


そうすると今度はホノカの同級生達がやってきた。


「久しぶりだな!ト、ホノカ!」

ヴィクトルはホノカの名前を間違いそうになる。


「あぁ、元気だったか?」


「おうよ!親父に扱かれてそれなりに強くなってるからな!」


「そこまで聞いてぇよ…でも元気そうで嬉しいよ…」


「そうか…へへ」

ヴィクトルは照れてしまう。


「ホノカさん、ポーラちゃんお久しぶりです」

今度はヴィオラが挨拶をする。


「ヴィオラお姉ちゃん」

ポーラはヴィオラに抱きつく。


「ふふ、旅路は楽しかったですか?」


「うん!美味しい物一杯食べてきた!」


「フフフ、よかったですね」

ヴィオラはポーラの変わらい天真爛漫な笑顔を見て嬉しくなる。


「思い出したお腹減ってきちゃった!」


「それでしたら今回は立食できるバイキングになっています」


「ポーラ、ご飯食べてきていいよ。お兄ちゃんは暫く他の人とお話しするから」


「うん!わかった!」


「ヴィオラ嬢、頼んでいいか?」


「構いませんよ」


ポーラとヴィオラは立食を楽しむことにした。


二人を見守るホノカへ今度はヴィナタがやってくる。

「妹さんと楽しまなくていいのか?」


「いいよ…最近遊べてあげれてないから…一緒に居てあげたいけど女の子同志の方が安心できるかなって思って…」


「そうか…そうかもしれないね。」


「あぁ…」


「そうだ。紹介したい人がいるんだけどいいかな?」


「あぁ、いいぞ」


「ほら兄さんとメイジン伯爵…」


ヴィナタの後ろから二人の男が現れる。


ペコ


彼はヴィナタの兄、リーサ・リバーシュだ。


「ども…」

そして彼はアレン・ペンドラゴン・メイジン伯爵だ。


二人とも研究者のうえに変わり者だ。


「あぁ…」

ホノカは二人に返事をするとヴィナタに近づく。

「この二人は…?」ボソ


「一人は僕の兄でリーサ・リバーシュ…まだ学園に通っているけど薬学で王国の研究所で働いているよ」

ヴィナタはリーサの代わりに説明する。


「なんで喋んないんだ?」


「それは…弟だけどわからないよ…兎に角喋らず基本首で意思疎通をしているんだ」ボソ

ヴィナタは兄を気を遣って小声で説明する。


「じゃあこっちの人は?」ボソ


「このお方はアレン・ペンドラゴン・メイジン伯爵で、メイジン伯爵も研究者だけど兄と違い魔導具の研究者だよ。」


「そうか…」


「ちょっといいかな…」

アレンがホノカへ頑張って話しかける。


「なんですか?」


「英雄さん、件の奴らから魔導銃を入手していないかな?」


アレンの言葉を聞いてヴィナタは眉を細める。

「メイジン伯爵、魔導銃の研究は陛下に止められたはずですが、何のつもりですか?」


「いや、でも…」


「あんな古臭いの欲しいのか?」

ホノカはつい余計な事を言ってしまった。


「「え?」」「?」

3人はホノカの言葉に驚いてしまう。


「英雄さんは魔導具の知識がおもちで?」


「そこそこな」


「ちょ、ちょっと」

アレンは近くにハンカチを取って、自前のペンで魔導回路を描き始める。


「これが何か解るかい?」


そのハンカチをホノカが受け取り見始める。


「足りない部分はあるが…魔導銃の回路だな」


「え?」「何?!」


アレンはホノカの答えに驚き、

ヴィナタはアレンを睨む。


「伯爵…どういうことですか、王命を無視して勝手に研究したのですか?」

ヴィナタはアレンを問いただす。


「待って待って、それは僕が予想した魔導銃の魔導回路なんだよ」


「え…?」「だろうな」


ヴィナタは言っている事が理解できず、

ホノカはアレンの言葉に理解して納得する。


「なんでわかったんだい?」

アレンは目を輝かせ興味深々でホノカに質問する。


(「あ」)

ホノカは心の中で、やっと自分がマズイ事をした気づいた。


「…法国で別の支部があってな、それそいつらはペンドラゴンで使われたヤツより高性能だったんだ」

ホノカは話しながら嘘を何とかでっち上げようとする。


「なるほど、でも元々知識があったのかい?」


(「あ、くっそ」)


「いや…ペンドラゴンにあった支部の資料を見て理解したんだよ…」


「成る程!君は魔法に優れているのは知っていたが魔導具にも理解があるとは…是非もっと君と話がしたい!」

アレンはホノカの手を勝手に握る。


「メイジン伯爵…」


そこに現れたのはオーレンとブレンだ。


「げっ…ブレン…」

ブレンの顔を見て、アレンは嫌な顔して後退りをする。


「メイジン伯爵、私は確かに貴方の兄ですが今や互いに王国で役職を持つ身、幾ら『黒刀』殿が今回の主役で優しいからといって…」

ブレンの注意はまだまだ続き、アレンの私生活のダメ出しから幼い頃の話まで持ち出し始めてアレンは涙目になる。


「そもそも…いつ私が貴方に呼び捨てしていいと言いましたか?」


「ひっ!」

アレンはブレンの凄みで完全に恐縮してしまう。


「ブレンのうんこたれ!」

アレンは泣きながら会場を逃げ出していく。


ヴィナタとホノカはその様子をドン引きしながら、ただ見ていた。


「馬鹿がすみません…『黒刀』殿」

ブレンはホノカに謝罪する。


「いや…俺は気にしてないよ」


「そうですか。なら良かったです」ペコ


「どうだい?君の誕生日会は」

オーレンはホノカに自身が計画した誕生日パーティーの感想を自信満々に質問する。


「楽しいよ、ありがとう」

ホノカは素直に感謝を述べる。


「ふふ、そうかならよかった…」

ホノカの感謝の言葉に少し物足りなさを感じるが、オーレンはホノカが楽しんでしんいるならと我慢する。


「そうだ…法国にも教団がいたのかい?」

オーレンは先程の聞こえてきた気になっていた話を聞く。


「あぁ…安心しろ、潰しておいた」


「だろうね」


「そんな事より俺の居ない間の王国のことを聞かせてくれよ」


「勿論だよ」


二人は暫く王国の現状やホノカの旅路で談笑していると…


「陛下!大変です!」

そこやってきたのは王宮の料理長だ。


「どうしたんだ?今は祝い事ですよ?」

ブレンが料理長に対応する。


「それが…陛下の命で料理が無くなったら作り続けていたのですが…」

料理長は言い淀んでしまう。


「なんです?」


「ゴク…あの王宮の食糧が元の3割しか残っていないのです…」


「「え?!」」「…!」

オーレンとブレンは報せに驚愕して、

ホノカは思い当たる節があり、頭を抱える。


「そんな筈はない…貯蔵されていた分は単純に計算して王宮の1ヶ月分以上はあった筈ですよ?!」


「盗まれた訳ではないのかい?!」

オーレンとブレンは料理長を問いただす。


「すまない…二人とも…」

ホノカは二人に謝る。


「なんで君が謝るんだい?」


「ちょっと来てくれ」


ホノカは二人を確かではないが、自身が思いつく原因の元へ連れていく。


その原因とは…


「「!?」」「やっぱりか…」


その3人が目にしたのは、ピラフを一瞬で平らげ自身の頭ぐらいに頬に膨らませるポーラだった。

ポーラは今平らげたピラフを数回噛んで呑み込み、次にナポリタンを頬張る。

その隣ではヴィオラと途中で合流したシューナが唖然と立ち尽くしていた。


「悪い…あとで金は出す」


「いや…いただけないよ…君の誕生日会だし…」


「本当にいいのか?」


「…少しだけ貰うよ…」


こうしてホノカの誕生日パーティーはアクシデントがあったものの盛大かつ和かに行われた。


ポーラの食事

ローストビーフ500g

ローストチキン13羽分

唐揚げ50kg

ナポリタン10kg

ミートパスタ20kg

甘エビ700g

ピラフ30kg

カルフォルニアロール5kg分

生ハムのサラダ20kg

かき揚げ(初代国王の大好物)10kg分

パン10kg

コーンスープ3kg


各種スイーツ70kg


水25樽分

ジュース1樽分


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