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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
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第21話:光神

ホノカは瓦礫に座り、阿立は疲労のあまり寝てしまっていた。


「お疲れだね…」


「あぁ…流石に疲れたよ…」


アーゼルにトドメを刺したアーサーが近づき、ホノカ達を労うが…


「捕えろ!」


ホノカ達は神殿の騎士や修道士達に囲まれてしまった。


「貴様ら!我らが光神様を祀る神殿を滅茶苦茶にしてくてたな!」


そこにいたのは光神教の教皇、ジッハムノだった。


「第二神官!第三神官!この者達を捕えて粛正するのだ!」


「「はっ!」」

騎師である第二神官と木魔導師である第三神官が武器を持って、ホノカ達に立ちはだかる。


(「やるしかないか…」)

ホノカは立ち上がり彼らを制圧しようとする。


「かかれ!」

教皇が神官達に支持を出す。


『止めなさい…』

彼らの頭の中に彼らを止める声が聞こえる。


ピカー


七色に輝く衣で身を包んだ神々しく美しき女性が神殿の上空に化現した。


「光神様!」

教皇達はその場に跪く。


教皇はこの事態を謝罪し始める。

「申し訳ございません!神殿がこのようになってしまい…」


『いいのです…』


「え?それはどういう事ですか?」


『彼らは私を邪神の呪縛から助けてくれたのです。

私を助かる為に行なった事です…これを咎めてはなりません』


「じゃ…邪神の呪縛…?」


『そうです…私を捕えて私から力を奪いその力で異界から強き者達を召喚していたのです…』


「そんな、馬鹿な…」

教皇達は光神から伝えられた真実に驚愕することしか出来かった。


『その悪行を行っていたのは、三代前からの歴代の第一神官なのです…』


「な、なに?!あのアーゼルが…」

「まさか…そんな…」

「そんな!アーゼル様が!」

教皇達にとってアーゼルは最も信頼のおける絶対的存在だった。


『現教皇よ』


「は、はい!」


『私は弱者を蔑ろにする今の法国をよしとしません…即刻改めなさい』


「え…ですが…弱き者は必要ないと言ったのでは…?」

ジッハムノは先代教皇から、そう伝えられていた。


『私はそのような愚かな事を一度たりとも口にしたことはありません…』

光神の雰囲気が一変する。

光神の感情と呼応して衣は赤一色へと変わる。


「失礼致しました…」

教皇は全身から汗を滝のように流し、更に顔は真っ白になって平伏する。


『この国者がまた弱き者を蔑ろにした時…私から罰を与えます…』


「か、かしこまりました!」


教皇の了承の言葉を聞くと光神は姿を消し去っていく。


「皆の者!今のを聞いたな!我々はまだ光神様に見捨てられていない!

今すぐ町の被害状況の確認!そして神殿内部の負傷者の手当て、救助を行いなさい!今すぐに!」


「「「「「「はっ!」」」」」


そして騎士と修道士達による復興作業が開始された。


「そうだ!光神を助けてくださった…あれ?」


ホノカとアーサーはこの隙に神殿を去っていく。


(ウラの森)


「じゃあ僕はこの辺で…」

アーサーは此処で分かれる事になった。


「あぁ、じゃあな」


ホノカは阿立を抱え、去っていくアーサーのを見守る。


そしてアーサーの後ろの姿が見えなくる。


「おい。出て来ていいぞ」

ホノカは隠れている何者かに話かける。


スタ、スタ、スタ…


「お前…」

ホノカの目の前に現れたのは、ホノカが神殿で助けて眠らせた少年だった。

しかし彼は様子がおかしく光っていた。


「『こんにちは…』」


「…あんた光神か?」


「『そうです。私が法術神様の教え子の一人…光神です』」


「…なんで俺の所に来た?わざわざ人に憑依して…」


「『そうですね…一つ一つ説明したいですが…いいですか?』」


ホノカは少し目を細める。

「あぁ」

ホノカは光神を見極めるためにも光神の話を聞くことにした。


「『まずこの少年の身体を借りている理由はこの子が私に最も敬神していたからです…というかこの子だけでした』」

光神は悲しそうに話す。


「『次に貴方の前に現れたのは御礼とお願いに参りました』」


「御礼とお願い?」


「『はい…あの男から…そして邪神の呪縛から助けていただき…感謝申し上げます』」


ペコ


光神は深々と頭を下げて、ホノカに感謝する。


「『そして…どうか、どうか…他の神を助けてください…』」


「他?」


「『はい…私の様に理由されている神と邪神に支配されてしまった神を助けてほしいのです。』」


「あんたみたいな神が他にもいるのか」


「『はい…邪神の所為で創造神様が亡くなり…大戦で邪神を封印した十神や神獣様達が力を使い果たし、永い眠り着いてしまいました…

しかし邪神は封印されたにも関わらず、使徒を生み出し…力を与えて他の神々を捕えて利用しているのです…

教皇に告げようとした時には、既に教皇は奴らの魔の手にかかっていました』」


「そうか…勿論邪神の使徒達は危険な存在で倒すつもりだ…」


「『感しゃ…』」


「だが、おれにとって優先するのは弟だ。」

ホノカは光神の感謝の言葉を遮って、自身の一番の目的を告げる。


「『はい…それで構いません…』」

光神はそれを了承する。


スゥー…


少年から溢れていた光が徐々に薄れていく。


「あんた…」


「『えぇ…エネルギーを奪れ続け、そして抵抗した結果です…

その抵抗にあまり意味はありませんでしたが…

異界から犠牲者を出して…私は誰も救う事が出来ませんでした…』」

光神は悲痛な顔で説明する。


「その抵抗のお陰で俺は奴に勝つことできた」

ホノカはあまりにもな悲しそうな顔をする光神を励ます。


「『…ありがとうございます』」

ホノカの優しさに感謝するが光神の顔は曇ったままだった。


「『すみません…もっと言わなけばならないことがあるのに…

ではこの子をお願いしま…」

力を使いきった光神は少年の中から消え去った。


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