第19話:大クズ
ホノカは急いで神殿に走って向かっていた。
使徒と万全の状態で闘うために神法術等を使用せずに複数回の跳躍で向かっていた。
そんな中…
「…!?」
ホノカの目に入ったのは、干涸びた法国の人々だった。
「どうなってるんだ…」
ホノカは法国の変わり果て具合に驚愕する。
これは再生したアーゼルによる所業で、アーゼルは出会う、話しかけてきた人物を次々に襲い自身の養分にしていった。
ホノカはEPを節約する為に、法国の人々を無視して再び神殿に向かう。
ホノカは神殿に着き、門を飛び越え内部に侵入すると…
「本当に来たぞ」
ホノカの眼前には、一班がホノカを待ち構えていた。
「おい、ガキ、アイツらはどうしんだよ?」
三条はヘラヘラしながら質問する。
「…安全な所にいる」
ホノカは一班が阿立達の事を心配しているわけでは無いとわかっていたが、一様答える。
「ガキに任せるとか雑魚の極みじゃん」
「てか陰キャじゃね?」
「それな。じゃあ陰キャの極みだ!」
「俺ら陽キャの養分になればいいものを…」
一班全員が残ってしまった生徒を殺しスキルを新しく手に入れていた。
「「いんきゃ」だ「ようきゃ」だ言ってるがその「いん」、「よう」は陰陽五行の「陰陽」の事言ってのか?」
ホノカは言葉の意味を知っていたが、知らないフリをして質問する。
「へーガキの癖によく知ってんじゃん」
「異世界の原始人でも知ってんだ」
「そうですよ〜その陰陽ですよ〜」
一班はホノカを煽り始める。
「なら一つだけ言っとくぞ。ガキども」
「ああ?」「は?」
「人を虐げてる事を楽しんでいる様な奴らが「陽」なわけねぇだろ…人を暗い気持ちにさせているお前らが「陰」だろ」
ホノカは少し目を細め睨みながら話す。
「ガキが能書き垂れんじゃねぇぞ!」
一班達は怒り臨戦状態になる。
「お前らがガキに能書き言われるくらい頭が悪いよ」
ホノカは今迄煽りをここぞとばかりに返す。
その仕返しに興奮して数人が切りかかろうとするが…
大崩は興奮した班員を止めて、前に堂々とでて、大崩はニヤニヤしながら話し始める。
「お前にいい事を教えてやるよ…
俺たちは全員2つ以上スキルを持ってる」ドヤ
(「ぷっ」)
ホノカは大崩の無知さに、心の中で笑ってしまう。
「更に俺たちの装備は本来は神殿の騎士達が緊急事に使う装備でそのレアリティはSSRだ!」
大崩はこれを貰う際に興奮しすぎて「SSRってことか?!」と聞き、面倒くさがったアーゼルが適当に「はい」と言われてこの世界の知識を間違って覚えてしまった。
プルプル
「…」(アッハッハッハッハ!)
ホノカの心の中で転げ回りながら爆笑していた。
「ビビってじゃん」
「結局雑魚じゃん」
「何だかんだ、能書き垂れてたコイツも陰キャってことだ!」
一班は勘違いをし始める。
「我が力よ、我が属性を武器に纏わせよ。付与魔法エンチェント・炎!」
大崩は剣に炎を纏わせてホノカに近づいていく。
「“身体強化・極”、俺がお前に教えてやるよ。本当の強さってやつを」
ニタァ
大崩は気味の悪い笑みを浮かべる。
「じゃあ死ね」
大崩はスキルを信用してホノカに切りかかる。
パシ
ホノカは親指と人差し指で摘むように受け止める。
「はっ?!!!!!」
大崩は指で受け止められた事に驚く。
「くっ、くっ、く〜ー」
大崩は力むあまり不細工な顔になりながらも何とか剣をホノカから引き剥がすそうとするが、ビクともしない。
「おい!スバル何してんだよ?!」
班員も大崩の攻撃を受け止められた事に焦り始める。
「う、うるせぇ!見てないで手伝え!ゴミ共!」
大崩は汗を流し、唾を飛ばしながら班員に罵声を浴びせる。
「チッ…」「ウザ…」ボソ
彼らは悪態を吐きながら一様は助けようとする。
二人がホノカと大崩の横に配置する。
「「“回転突き”」」
二人は新しく手に入れたばかりのスキルで槍術で攻撃を仕掛ける。
パッ
ガス
「痛っ…」
ホノカは剣から指を放す。そうすると大崩は力みぱなしだった為に、勢いよく自身の顔に剣がぶつかる。
続いてホノカは槍を掴み…
べキン
槍の先をへし折る。
ズシャ
「痛ってぇ!」「ぎゃああああ!」
ホノカはへし折った槍を二人の足に投げて刺し、二人はその場に固定される。
「“剣爪”ぉぉぉ!!」
今度は後ろから大声で斬りかかってくる。
パシ
ホノカは大崩の時と同じ様に指で受け止める。
ニヤ
しかし受け止められた男は笑みを浮かべる。
シュン
ホノカの後頭部を目掛けて水球が放たれた。
チラ
バン
ホノカは水球を一瞥だけして、水球に背を向けたまま、水球を弾き返す。
「はっ?!」
ズン
男は驚く事で避ける事を忘れて、自身の水球が直撃する。
「お前」
ビク
一班の最後の一人に声をかける。
「作戦があるなら、顔に出すな…雑魚が、“パンチ”」
「ひっ!」
男を剣を手放し盾を構えるが、スキルを手に入れたばかりで使う事を忘れる。
ズン
ホノカの拳は盾を突き破り、男の腹に叩き込まれる。
ホノカは彼らをこのままにして行こうとするが…
「待てクソガキ!」
大崩がホノカを止める。
彼の顔は自身の魔法で火傷を負い、更に剣で鼻の骨が折れていた。
「スキルも使えないお前如きに勝てねぇ!」ふーふーふー
大崩は興奮していて痛みを感じていない。
(「コイツ…俺の法術見てたよな?それなのに…いやこの場合は受け入れたくないのか…」)
ホノカは哀れみの顔で大崩を見る。
「俺は!俺は!選ばれた存在なんだ!お前みたいな雑魚陰キャが勝てる存在じゃないんだよ!」
大崩は剣だけでなく、使えもしない槍を手に持つ。
「死ねぇええええええええ」
大クズは興奮のあまるスキルを一切使用せずに剣と槍で突っ込んでいく。
ミシミシ
ホノカは大崩の懐に潜り込み、大崩の鳩尾に拳をめり込ませる。
「お前らには償なきゃいけない事がある…今は生きてもらうぞ…」
ホノカは倒れる大崩に見もせずに、神殿の内部へと向かっていく。
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これからは三日後に更新していきます。