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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
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第4話: 混沌の転移者達2

(光神法国)


転移者達は皆で実戦での訓練を行なっていた。


訓練の内容はモンスターの討伐だ。


「我が力よ!

対象の重力を更なる重りを科せ!

重力魔法 グラビティプレス!」


「グゥゥゥ…」

虎のモンスターは重力魔法により、動きを封じられる。


「おら!」

“隠蔽”使用していた者が現れ槍でモンスターの肩を突き刺す。


「ヒャッハー!」(“剣撃”)


「まだまだ!

我が力よ

毒の刃を形造り、

我が敵を切り裂け、

鉄魔法 ポイズンカッター!」


「“縮地”!」


クズ5人組は連携により虎のモンスターを討伐する。



そして別のチームは


「木魔法 ウッドチェーン」

木が馬のモンスターを完全に捕らえて動きを封じる。


「氷魔法 アイスランス」

氷魔法は致命傷を負わせるが、絶命に至ってはいない。


「まだか…雷魔法 サンダーランス」


氷、雷の槍で僅か2撃でモンスターを討伐する。


「莉愛っち、最強!」

「ほんとマジヤバ!」

「莉愛様様だね!」

かつて神無木莉愛を虐めていたグループは神無木莉愛の手下…仲良くになっていた。


「そんな事ないよ。皆んなが居てくれたおかげだよ!」

思ってもいない事をつらつらと話す。


「ねぇ!早くしろよ!」


「遅ぇんだよ!」


「は、はい」

彼女達は新しく虐げる人物を見つけていた。

罵声を浴びせられた少女はモンスターを慣れていない手つきモンスターを解体していく。



更に別のパーティは…


二人組が大蛇のモンスターに襲われていた。

「助けてぇ!!!」

「死ぬ!死ぬ!」


そんな二人の前に男が現れた。


「「!!、阿立君!!!」」


二人は阿立の横を通り過ぎて逃げていく。


「“不動金剛”…」


「シャアアアアア!!!」

大蛇はそのまま阿立に噛みつく。


バキン


「ギィイイイイイイ!!!」

阿立を噛みつこうとした大蛇は逆に牙が力負けして折れて、上下の顎も傷がつく。


阿立の後ろから颯爽と三条通が現れた。


「“身体強化・極”」


スパ、スパ、スパン。


大蛇は三条通の攻撃によりバラバラにされる。


逃げていたヘトヘトでボロボロな彼らは阿立と三条の所に戻ってきた。


「はぁ…悪い…悪い…」

「倒したのがまさか…子蛇で、親蛇がいたとは…」

二人は謝りながらこうなった理由を説明する。


「山本!田本!言ったし言われただろ!バラバラだと経験値は多くても生存率が下がるって!」

三条は二人が忠告に従わなかった事をきつく叱る。


「ごめん、だってさ…」

「3人に任せて俺らはいつも何も出来て無いからさ…」

二人は戦闘スキルが無いため、少しでも役に立ちたかったから、愚行をしてしまった。


「ごめん、遅れちゃって…」


3人目の仲間がやっと追いついていた。


「浦杉、気にするな。勝手な行動したコイツらが悪いんだから…」

三条は二人に呆れた顔を向ける。


「でも…しょうがないよ…二人が焦る気持ちもわかるから…も、勿論、三条君が二人の心配してるのわかるよ。」


「浦杉くんは優し過ぎるよ…」

三条は二人に甘い浦杉にも呆れる。


その頃阿立は…四人を他所に大蛇の側にいた。

「ごめんよ…君だけでなく…君の子供ままで…」ボソ

阿立は大蛇に謝っていた。


「阿立君?」

浦杉は阿立に近づく。


「…」

阿立は何も言わずに立ち去る。


「…」

浦杉は無視した事を怒りもせずに阿立の背中を眺める。



転移して既に半月が経つ彼ら転移者達は5、6人一組の八班に分かれて、それぞれで自分達のレベル上げを行なっていた。

大崩率いる、一班。

神無木莉愛率いる、二班。

三条率いる、三班。

彼らは討伐数上位班で他の班との実績が違う。待遇も…


神殿に四班が帰ってきた。


「おい、早くしろよ…」

自分の装備しか持っていない一人がモンスターの素材を背負っているメンバー二人に野次を飛ばす。


「あぁ…」「ごめんなさい…」

二人は文句も言わずに従う。


「戦闘スキル持っていないからしょうがねぇよね…」


「だな、“鑑定”ならまだしもな…」

他のメンバー二人が酷い仕打ちを自らで肯定する。


「そうだよね、二班に比べたらうちら優しいもんね」

女子の方が肯定されて、つい口を滑らせる。


「うちらがなんだって!?」


既に集まっていた二班のメンバーに聞かれてしまった。


「や、あ、あのその…」

女子は言い淀んでしまう。


「あぁ?!」


「駄目だよ!」

メンバーが殴ろうとしたときリーダーの神無木が止める。


「四班の矢代ちゃんだよね?」


「はい…」

女子は怯えながら返事をする。


「駄目だよムイカちゃん、四班の皆んなは使えない人達が私達より多いんだよ?それの所為でストレスが溜まってつい酷い事言っちゃったんだよね?」


「は、はい!」

女子は救いの女神に縋る様に返事をする。


「「「…」」」

使えないと言われた3人は黙ってその話が終わるのを待っていた。


「莉愛っちは優しいね!」


「そんな事ないよ〜、大変なのは皆んな同じだから、助け合わないと!」

優しさを感じる言動だが、神無木の考えには非戦闘スキルの者達は含まれていない…


「じゃあ皆んな今回倒したモンスターを神殿に献上しよ!」


彼女達は神殿にモンスターを献上していく。

モンスターの鑑定し終えた聖女と騎士達がやってきた。


「皆さま!お疲れ様です!一部の班を除き素晴らしい結果です!」

聖女は棘のある物言いをする。


ビク


その言葉に二つの班が反応してしまう。


「まずは今回も討伐数1位の三班!」


「はい」

代表して三条が前に出る。


「今回の討伐数15体!合計150体!お見事です」


「お褒め言葉感謝します」


「これは今回の報酬です。」


「ありがとうございます」

三条は報酬の金貨が入った袋を貰う。

三班は今回も通常の倍の報酬を貰っている。

三班だけでなく二班も倍の報酬をもらっていて、逆に報酬を減らされているのが…


「最後は再び最下位は六班です。」

修道女は先程と打って変わって人の心を持っていないかのような冷たい目で六班を見下す。


「はい…」

代表の男性教師が前に出る。


「それが報酬です」

修道女は先程までは全員に手渡していたのに、六班には騎士が投げて渡す。


「い、いい加減にしろ!!!!」

教師が等々神殿の対応に我慢できなくなった。


「お前ら何様のつもりだ!私は学校の教師だぞ!迷える子羊達を導く選ばれし聖者だぞ!!!」


「聖者?」

修道女は教師の考えに烏滸がましいと同時にコイツが自分達と同列に考えてるのが不快になった。

生徒達も腫れ物を見る様に見下す。


この教師も戦闘スキルを有していない。


「そうさ!聖者だ!!!私の世界では教師は聖職者と呼ばれ讃えられているのだぞ!!!」


「ホーリーカット」


スパン


教師は言い終わると騎士に首を両断された。


「いやぁああああああ!!」

「おい!嘘だろ!」

バタン


教師の死で悲鳴を上げたり、狼狽える者や倒れる者が続出する。

しかし、そんな中教師の死に動揺しない者達がいた。それは一班のメンバー全員と神無木莉愛だ。神無木莉愛に至っては教師の死に笑っている


「皆さん…落ち着いてください」

修道女の一言で悲鳴を上げていた者は自らで口を抑えて、狼狽える者も黙って修道女を恐ろしい物を見る目を向ける。


「彼は役目を果たさないにも関わらず神を冒涜しました…その為に神に代わり我々が処断しました…

六班の方々」


「は、は、はい」

怯えてまともな返事が出来ていない。


「連隊責任で貴方達の今回の報酬は無しです」


「そ、そんな!」


「何か?」


「い、いえ…」

何とか抗議しようとするが今以上の酷い扱いになる事を想像して、抗議の声を引っ込めてしまう。彼らにも金が必要なのに…

食事は出るが最低限の量でしかも美味しくない。


「それは何よりです」

修道女は笑顔になって騎士と部屋を出て行く。


(第11階位の部屋)

第11階位が部下から報告を受けていた。


「今日転移者の一人が死にました」


「そうか、思ったより遅かったな…この前の奴らは五日ぐらいだったか?」


「その通りです」


「民族で我慢の限界値が違うのはこの世界と異世界もあまり変わらないのだな」


「そうですね。」


「スキルの4個持ちはどうだ?」

この話に飽きてきた第11階位は話を聞きたい二つの報告の一つに変える。


「はい、あれは新しく4つ習得してレベルを80まであげました。」


「ほー…ふふふ素晴らしいな。してそのスキルは?」


部下を手元の資料を見始める。

「はい、毒魔法、闇魔法、回復魔法、隠蔽です。」


「なかなかだな…そのままスキルを増やしていけ」


「かしこまりました」


「それで…不明なスキルは?」

第11階位は最も聞きたかった話で気持ちが昂っていた。


「あれはスキルを二つ、レベル105まで上げました。」


「何?」


しかし内容がイマイチだったため憤慨し始め、楽しそうな顔からイラついた顔に変わる。


「たった二つだと?それは何だ…?」

第11階位は怒りで声色も変わり始める。


「は、はい…体術と気功術です…」

部下は怯えながらも何とか報告をする。


「気功術?誰が習得させた?」


この国で気功術の習得条件を知る者はいない為、その出所を聞くが…


「わ、わかりません…どうやら自身で身につけたようです。」


本人以外のその事を知らない。


「ふ、まぁいい…実験体が育っているのだ。細かい事は気にするのは止めよう」

思った結果ではなかったが、満足そうな笑みを浮かべる。



(八班の部屋)

四人の薄汚れた男子生徒をよそに綺麗なこの世界の服を着ている女性教師がいた。

「大馬の馬鹿が死んでくれ助かったわ」

同僚が死んだ事を喜んでいた。


「そうですね。先生」

「先生の言う通りです」

「キモかったですもんね」

「神殿の方々に感謝しないと」

男子生徒達は女子教師を必要以上に肯定する。


「私に言い寄って来てウザかったのよね…嫌な奴が死んだ事だし祝杯にワインを飲みたいわ…」


「ただ今お持ちします」


「ふふ、最初は嫌な世界だと思ったけど、中々いい世界じゃない…」




(三班の部屋)

「死にたくない死にたくない死にたくない…」

3班の田本は教師が死んだ事で気を病んでいた。

別にあの教師を尊敬していて悲しんでいるわけではない…同じ非戦闘スキル持ちが虐げられた挙句死んだから、それを自身に重ねてしまったのだ…


「死にたくないよ…」

彼は一人で泣き続ける…



阿立は一人で窓から夜景を観ていた。


(「先生が死んでしまった…いい人ではなかったけど…死んでしまうなんて…何でこんな世界に来たんだろう…」)


阿立は自身に酷い仕打ちをしてきた者の死にさえ悲しんでいた。



(五班の部屋)

ここ五班は桜舞の班だ。


青季ルリという少女も今回の事で気が滅入っていた。

「はぁ、はぁ、はぁ…」


桜舞は友達を心配して近寄る。

「大丈夫?るりちゃ…」


「五月蝿い!これからの事を考えてんでしょ!話かけないで!」

彼女は罵声を浴びせてしまう。


「は!ご、ごめん。違うのこれは…」

青季は我にかえり、何とか謝ろうとする。


「大丈夫…大丈夫だから…」

桜舞は大丈夫とだけ話してその場を離れる為に部屋から出て行く。


彼女は暫く走って壁に寄りかかる。


(「帰りたい…パパ、ママ…」)

彼女は泣きながら元の世界に帰る事を切望する。


1位 三班(戦2 サ3、男子のみ)討伐数100

2位 二班 (戦4 サ1、女子のみ)討伐数90

3位 一班(戦5、男子のみ ) 討伐数51

4位 八班(戦4 サ1、女1男4)討伐数37

5位 五班(戦3サ3、女子のみ)討伐数33

5位 四班(戦3 サ2、男3女2)討伐数33

7位 七班(戦3 サ2、男2女3)討伐数19

8位 六班(戦2 サ4、男3女3)討伐数7


男子21 女子19

男性1 女性1


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