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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第二章 復讐の黒騎士編

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第23話:決別

ホノカは王宮についた。


ホノカは“索敵”をして敵の反応がある謁見の間に向かっていた。


「酷い惨状だな…」


王宮の廊下は騎士達と黒ローブの死体が転がっていた。

ホノカはその死体をあとで蘇生するために綺麗に並べる。


彼らを今蘇生したとしても、敵と戦える戦力になるわけではないので今は蘇生をしない。


「これでよし…」


騎士達を並べたホノカに近づく男がいた。


「おや、侵入者がいると思ったら子供ですか…」


その男はイカクッスだった。


「まぁ、子供なら実験の被験体にできるから大歓迎です」


パチン


イカクッスが指を鳴らすと武器を持った黒ローブを着込んだイカクッスのクローンが集結する。


「やれ」


クローン達が襲いかかる。


スパン


「なっ…何だと?」


ホノカは一瞬でクローンをバラバラにする。


「素晴らしい!素晴らしい!是非確保しなけれ…ば、ぁぁ…?」


イカクッスは倒れ込む様な感覚に襲われると次の瞬間に自身が見ていた間反対の方向を見ていたら、更に次の瞬間には自身の身体を見ていた。


「コイツらを管理出来るのがコイツだけだといいんだがな」


ホノカはそう言うと廊下を再び歩み始め…騎士達を綺麗に並べる…



(学園の校庭)


「何て強さだ…」

ヴィクトルが驚いていた。


「嘘でしょ?」

シューナも自身の眼前の光景を疑っていた。


「家族揃って…あり得ない…」

ヴィナタも驚愕し持っていた弓を落とししまっていた。


他にも数人いたがこの光景に唖然としていた。


実は敵の援軍が暫く前に来たの為、彼ら戦えるものは校門に出て戦うはずだった…


彼らの眼前には一方的な戦闘…いや制圧がされていた。

その光景とはポーラとウル四郎が、敵の援軍を完膚なきまでにボコボコにしていたものだった。


「ふー」


ポーラは刃の潰れた斧を背中に背負い自身が倒して気絶した敵兵の山に立って一旦休憩していた。


何故彼女がここまで事が出来るかというと…

まずステータスを見よう。


氏名ポーラ・トライーガ

所属 なし

種族 人族

Lv.200

第一職業 炎斧術師

第二職業 回復魔導師

第三職業 格闘王

称号なし


そう、ポーラは格闘王になっていた。

神の少なくなったこの世界で神の試練を攻略し、高位職になれる者はごく僅かだ。だが、ポーラの兄ホノカは神だ。全神であり、神王でもある。その為にポーラは高位職になることができた。

本来一つの王になるのには800〜1,400レベルまで上げないといけない(※)が、ホノカが難易度をかなり低くしたため、早めになる事ができた。勿論、ポーラも苦しい特訓を重ねているため、ゲームでが通用しないがこの世界ならS級以上の強さを有している。


「あら、学園をなかなか占拠できていないと思ったらこんな可愛いらしいお嬢ちゃんが邪魔していたなんてね…」

そこに現れたのはダルロウナだ。


氏名ダルロウナ

所属 なし

種族 人族

Lv.115

第一職業 聖鞭術師

称号 聖鞭


「お姉さんも悪い人ですか?」

ポーラは無邪気に悪者かどうか質問する。


「そうよ。お嬢ちゃん、私はとってもわる〜い…」


「わかりました」


ブン


ダルロウナがまだ話しているのにポーラが斧をぶん投げた。


「ちょ、ちょっと!」


「?、お兄ちゃんが悪い人には容赦しなくいいって言ってるから、攻撃したけど駄目だった?」

ポーラはダルロウナではなく、ウル四郎に聞く。


「ポーラ様…そういう難しい事は倒してから考えよう!」

聞いた相手が悪かった…


「そうだね!」

ポーラは腕に“気功術”を纏い攻撃を開始する。


「ちょ、ちょ、ちょっと」

ダルロウナはポーラの猛攻を何とか避ける。


「ちょっと待ってて!!」(“ウィップロック”)

ダルロウナはポーラの腕を鞭で縛りつける。


「こっち来な!!」


ビーーーーン…


ダルロウナはポーラの身体を持ち上げるつもりで鞭を引っ張るが、ビクともしない。


「へ?」

ビックリしたダルロウナから変な声が出る。


「よいしょ!」

ポーラは自分で鞭を更に巻きつけた後、ダルロウナを引っ張られる。


「へ?!」

ダルロウナは再び変な声が出る。


「“体術・超技 発勁拳”」

ポーラのパンチでダルロウナはくの字になりながら吹っ飛ぶ。


「うぐ」

ダルロウナは気絶しておらず、何とか立ち上がろうとする。


「お姉さん体力あるんだね」

しかし、その目の前には既に斧を担ぐポーラが立っていた。


「ひっ」

ダルロウナから恐怖のあまり悲鳴が洩れる。


「お休みなさい」

ポーラは躊躇なく斧でダルロウナの頭を叩く。

その一撃でダルロウナは気絶する。


「これでお終い?」

ポーラは辺りを見渡し残りの敵がいないか確認する。


「ん?あれは?」


校門に黒ローブ達が三台の巨大な大砲を運び込んでいた。


「大変だ、ポーラちゃん!中に戻って!」

ヴィナタがポーラを中に戻そうとするが、ポーラは動かない。


「“闘魂術”」

ポーラは更に腕に“闘魂術”に纏う。


大砲もポーラの方に照準を合わせる。


ボンン…。


「“発勁”」

ポーラは受け止めて、更に跳ね返す。

跳ね返った砲弾は放たれた大砲の銃身に綺麗に入っていき、大砲を破壊する。


黒ローブ達は慌てて他の大砲の準備始める。


「今のは一体?!」

「何ごとですか?!」

校内から大砲の音を聞きつけてきたオーレンとヴィオラがやってきた。


「あれは…」

「大砲!??!」

二人とも大砲の存在に気づいた。


「貴方下がりなさい!」

ヴィオラはポーラを下がらせようとすりる。


「ポーラちゃん?!流石に君でも無理だ!!」

オーレンもポーラを止めようとする。


「大丈夫…」

ポーラは砲弾を受け止めるのに集中していた。


ドン、ドン、ドン。


今度は三台の大砲で撃たれる。


「「ライト・ランドウォール」」

オーレンとヴィオラの二人はポーラの目の前に出て、詠唱をした光と土の壁を創り出す。


二人がこの様な行動に至った理由は…

オーレンは親友の妹を守る為に、

ヴィオラはこの前のように誰か傷つくのが耐えれないから。


何より二人ともポーラの本気を知らない。


二人の壁は残念ながら初弾のみを防ぐ。


「“発勁”」

ポーラは残った二つの砲弾を受け止める。


ビシ…


ポーラが大砲を受け止めた衝撃で地面にヒビが入る。


バキバキバキ


「え?」「嘘…」「不味い!」「危ねぇ!!」

地面が崩れ始めて、ヴィナタとヴィクトリアの二人が、地割れの中心にいる3人を助けようとするが、地割れが大きくなり結局二人も地中に落ちていく。


「「「「うわぁぁぁぁぁ」」」」

四人は悲鳴を上げながら落ちていく。



(王宮)

ホノカは謁見の間に着こうとしていた。


ホノカは片手で巨大な扉を開く。


「やっと来たかい…」

ヘレスティナが一人でホノカを待っていた。


「年寄りを待たせるんじゃないよ…」


「何でこんな事をしたんだ?」

ホノカは殆ど事を知っていたが、ヘレスティナ本人の口から聞きたかった。


「ハーグの坊やに聞いたんじゃないのかい?」


「…」


「やっぱりね…まぁ、付け加えるとしたら…あんたが死んだ旦那に似ている所為かね?」


「え?」

ホノカは始めて聞いた事に驚く。


「あんたの顔を見ていたら、旦那の死んだ時の事をよく夢に見るようになっちまってね…だからアイツらの口車に乗ってこんな事をしっちまったよ…」


「…」

ホノカは申し訳なさそうな顔でヘレスティナを見つめる事しか出来なかった。


「おっと勘違いさせちまったね…別にいつかは復讐をするつもりではあったんだよ…そうさね…チャンスと想いが重なった結果…かね?」

ヘレスティナは笑ってホノカを励ます。


「さぁ!話は終わりだよ!私を止めるだろう?」


「あぁ…」

ヘレスティナが槍を構えたのに対してホノカも刀を構える。


「いくよ!」

ヘレスティナは槍で突撃する。


「我が力よ」

ヘレスティナは詠唱をしながら槍で攻撃をし始める。


「炎の力を武器に纏わせよ」

ヘレスティナは槍で床を削りホノカにかけて目眩しをする。


「付与魔法エンチャント・炎」

ヘレスティナは槍に炎を纏わせ終わる。


「“薙ぎ払い”」


ホノカはそれを受け止める。


ギリギリ


二人の力は拮抗して見える。


「“連続突き”」


ホノカは全てをギリギリで受け止める。


「“回転突き”」

ヘレスティナの攻撃はホノカの服を削りとる。


ヘレスティナはこの攻撃で猛攻を止める。


「トーカ!!!」

彼女はホノカの偽名を叫ぶ。


ホノカはそれに驚き目を見開く。


「さっきから何だい?キレのない動き、迷いの防御!王国を転覆しようとしている反逆者を止めるんじゃないのかい?!」

ヘレスティナはホノカを叱り始めた。


そして彼女は笑顔になる。


「トーカ…私も武人なんだ…あんたと本気の戦いをしたいんだよ…

年寄りの我儘を聞いてくれないかい?」


「あぁ…わかった…」

ホノカは顔を隠すように少し俯かせる。


「我が力よ

土の力を武器に纏わせよ

付与魔法エンチャント・土」

ヘレスティナの槍は溶岩の様に赤く輝く。


「我が力よ

炎と土の力を交じらせ

紅蓮なる熔岩を武器に纏わせよ

付与魔法エンチャント・熔岩」

ホノカはヘレスティナと似たような事をするが、明らかにホノカの方が紅くより輝やいている。


「お前さんはつくづく…」

ヘレスティナはあまり驚かないが、ホノカの凄さに呆れてしまう。


「“奥義・雷槍”」

「“刀・超技 峰打ち斬波”」


二人の攻撃はぶつかり熱風と煙で周りが見えなくる。


煙が収まると二人とも立っていたが、ヘレスティナの槍は刃が無くなっていた。


「あんたの勝ちだよ」

ヘレスティナは嬉しそうにホノカに微笑みかける。


「婆さん…」


「じゃあね」


「!?」

ホノカがヘレスティナに声をかけようとしたが、ヘレスティナが尖っていない柄で無理矢理、自身の胸に突き刺す。


「婆さん!?」

ホノカはヘレスティナに近づき槍を抜き治療しようとするが、ヘレスティナはそれを止める。


「止めておくれ…」


「どうして!?」


「もう…旦那と息子に会いたいんだよ…」


「!?…」

ホノカはその言葉で何も言えなくなっていた。


「私は長く生きすぎた…心は人族なのに…身体は半エルフの長寿…もう生きるのに疲れたんだよ…

ギルドの冒険者や仲間の子供達を我が子の様に接したきたけど…それが逆に辛かった…

でもあんたは本当の我が子ように感じたんだ…ギルドにあんたが初めて来たときあんたの面影に旦那が見えたんだよ…

あの時はかなり驚いたよ…

だからついついあんたを特別扱いしちまったよ…」

ヘレスティナの目から光が消えていく。


「そうだ…ハーグ達を助けてやってくれないかい?あの子達は私に言いくるめられただけなんだ…」


「わかった…」

ホノカは何とか真顔で相づちをする。


「ハーグに聞いたかもしれないが…森にモンスターの群れがいるから…早めに片付けてきな…中にはアンデットも混ぜっているから気を…つけるんだよ…」


「あぁ…」


「もうお迎えが来たみたいだ…じゃあね…私の坊や…」

ヘレスティナの目から光が完全に消え彼女はゆっくりと瞳を閉じる。


「婆さん…?」

ホノカは声をかけるが声は返ってこない…


「“鑑定”」


氏名ヘレスティナ・ヴォルカニカ(死亡)


彼女はこの世界から旅立った…


ホノカは彼女の死体を綺麗にして外へ運ぶ…


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