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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第二章 復讐の黒騎士編
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第12話:優勝の報酬

「3-2で王都チームの勝ち!!!」

選手たちは向かい合い礼を済ませ、チーム対抗バトルは無事にホノカの王都チームが勝利して終わった。


「今回闘技場を貸し出して頂いた、公爵様からお言葉があります!」


係員からの紹介で出てきたのはここ第二公都の女領主である、セレーネ・フジムラサキ公爵である。

彼女は王国で3人しかいない女領主である。


美しいパープル色の髪を靡かせ、黄金と紫のオッドアイの瞳を見せる。


「冒険者の皆様、今日は私達を楽しませて頂きありがとうございます。」


綺麗な声が会場を魅了し、観客達と冒険者達は息を呑む。


「勝利した冒険者には褒美と私から依頼があります」


(「この展開は!?」)

ホノカはセレーネの言葉に嫌な予感を察知した。



「報酬は一人金貨100枚を授与します。そして大事な依頼ですが…

第四王子の護衛もしくは近衛騎士に依頼、任命します」


「すげぇ、それって大出世じゃないか!?」

「おめでとう!!」

「近衛騎士って事は貴族に?!」


観客と冒険者達はその依頼内容に歓喜する。

ホノカ以外は…


(「いい加減にしろ…

俺の邪魔を…俺にはやらなければならない事があるんだ…

俺はデルーノーに復讐を…

奴の全てを!地位も家族も全て!?!!

…」)


ホノカはここである事を思い出す。


(「ニルビ君、ニルビ君を俺は殺すのか?

彼は俺の剣技を毎回褒めてくれたいい奴だ。

それに…親であるデルーノーに虐げられていた…

そんな彼を、親を理由に殺すのか…?

デルーノーの事も詳しく知らないのに…

俺は何も見えていなかったんだな…」)


2年の月日でホノカは焦り、怒りが増していた。

しかし、ホノカにとって友の一人であるニルビの事を思い出して、復讐心が少しだけ和らぐ。


(「デルーノーの事を、ニルビ君の事を知ってからでもいいかも知れないな…」)


「皆さん後日にどうなさるのか…」


「待って頂きたい」


「え?」「アニキ!?」「お待ち!?」

ホノカの行動に会場やメンバーやギルド長が焦る。


「公爵閣下、私を第四王子オーレン殿下の護衛として雇って頂きたい」


「「「おおおおおお???」」」

この事に会場は熱狂した。


「わかりました。この場で貴方を第四王子の殿下の護衛として任命します」


「「「「おおおおおおおおお」」」

更に会場は熱は増した。


こうして対抗バトルは閉会していった。




「アニキ、とんでもない事しないでくださいよ!心臓に悪いっすよー…」


「悪いな」


「お前らはどうするんだ?」


「俺は断るかな…嫁じゃなく…恋人がダメだって…」

ハーグはギードラに止められ護衛はしない。

ギードラを嫁から恋人に直すが、嫁と言うのが現実になるのも、もう間もなくだろう…


「自分はやらないっす。」


「俺は受けるつもりだ。光栄な事だし…金も入る!実家の仕送り多くなるからな。」


「そうか…じゃあスカーレットとはまだ世話になりそうだな」


「あぁ、そうだな」


四人が談笑を楽しんでいると、前から…


「いや〜ー。申し訳ない!」

ボンレが意気揚々と戻ってきた。


「お前…」「あんたなぁ!?」


「腹痛が酷くて、つい逃げてしまってね、嫌ぁ、申し訳ない!」


「嘘ついてんじゃねぞ!?『炎雨』にビビって逃げたんだろ?!」

スカーレットは怒り胸ぐらを掴む。


「嘘じゃないですよ?私は本当に…」


ドコン


「?!」「!?」「!」


「これで今回の事は許してやる…今度逃げるような真似したら、俺がお前をぶっ殺す」

今回のストレスをボンレに全てぶつけてスッキリした顔になるホノカだった。


「や、やっぱ噂は本当だったのかもな…」


「そうっすね…」


「…」


3人は床にぶっ刺さったボンレをドン引きしながら、ホノカの噂がやっぱり事実なんだと実感する。

スカーレットはこの人と同僚になったらどうしようと考えて、護衛を辞退しようか迷い始めた。




(第二公都、フジムラサキ公爵邸)


「フジムラサキ公爵、感謝します」


「ブレン殿下…この様なお遊びに私を巻き込まないでください」


「すみません。フジムラサキ公爵。

ですが、今回の件で暫く、ラテアー王国も大人しくなりますし、しかも何故か『黒刀』殿も弟の護衛を承諾しました。一石二鳥という事で許してください」


ブレンは今回の対抗バトルの黒幕をしていた。3人のギルド長に頼み、ペンドラゴン王国の冒険者の引き抜きを繰り返していたラテアー王国の牽制を目的にしたバトルだった。


ラテアー王国のギルドや王家に抗議はしていたが、返答は「王子がやっていることだから」の一点張りだった。


今回の敗退により、カフィは本国へ返還され、暫く引き抜きは出来ないだろうというブレンの策略だった。


「君もありがとう。ボンレ君」


「ひひへ、ぶへんでんきゃ」

片方の頬をパンパンに張らせてボンレが跪いていた。


「すまないね…君に悪役をやらせてしまって。」


「ひひへ、わたひふぁ、でんきゃとおんひのたみゅにゃら、ひくらでもあくになりましょ…」


ボンレはブレンの直属の工作部隊の隊員で、更にヘレスティナの弟子に当たる人物だ。


(「本当にこの王子は嫌になる。どれが嘘でどれが本当か分からなくなるわ…」)

セレーネはブレンの事が嫌いだ。

ホノカの前では嘘をつかなかったが、それはホノカに好印象も持って欲しかったら、本当にオーレンを心配していたからだ。

でも本来のブレンは違う…人を欺き騙し、陥れることに長けている。

セレーネがこの王国で最も恐れている人間だ。


「いやぁ、楽しみです。もう一度と『黒刀』殿とお話できるのが…」

ブレンの瞳が怪しく輝く。

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