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向日葵の視線

体調を崩し、更新が開いてしまいました。すみません。

暑い。


外に出るとそれしか頭の中に浮かばなくなるほどの湿度と熱気だ。

建物内に入ってしまえば快適な温度と湿度だが、外に出た瞬間まとわりつく空気が不快になる。


なぜ髪は黒いのか。こんなにギラギラした太陽に焼かれたら禿げてしまうのではないかと真剣に綾はつぶやいていて、寿々はつい笑ってしまい、綾に軽く睨まれた。


期末考査も先ほど終わり、結果はともかく後は夏休みを待つばかり。学年の成績上位者ばかりの教室内にも、今日ばかりは緩んだ雰囲気がただよっている。



「寿々はさぁ、夏休みどうするのぉ?」


苦手な現国のために昨晩はほとんど寝ていないという綾は、妙にハイテンションだ。



「特にこれといった予定はないです。いくつか参加しなければいけないイベントはありますが、できれば何もない日は学校に来て図書室で勉強できればなと。」



「真面目ねぇ。せっかくの夏休みなのに。」



「やっぱり私立だけあって、授業の難易度が格段に高くて、ついていくので精一杯なんです。だから、夏休みの間にすこし予習しないと不安で…」



「そうなんだよねぇ。やっぱり公立と違ってさ、周りもみんな勉強できるから、授業そのものがハイレベル〜。でも私たち成績上位にいないと困るしね〜。私も時々寿々と勉強しに来ようかなぁ。いい〜?」



「本当に勉強するだけですけど、それでもよければ。」



「じゃあときどきは帰りにアイスとか食べに行こう〜。あと、一回くらい寿々と遊びに行きたいわぁ。」



のんびりした口調とは裏腹に、人の機微に聡い綾は、詳しく話してはいなくても、寿々の家庭事情を察しているらしく、あまり詮索してこない。ケータイを持っていないからと施設の電話番号を教えた時も、「ふぅん。」といってさっさと番号を登録していた。



「じゃあ、私も図書館に行きたい日は連絡するねぇ。」



おしゃべり好きなだけの女子だと、勉強会とかこつけておしゃべりに興じるだけだろうが、外部生であり意外と真面目なところもある綾なら、2人で勉強してもきちんと成果が出るだろう。



そうして、初めて寿々は友達とどこに出かけるか楽しい計画をたてた。





そして夏休み前最後の昼休み。寿々はいつものように四阿で真咲と並んで座っていた。外の暑さは不快だが、屋根があり日差しが遮られるので外でもギリギリ昼休みを過ごせる。

木々に囲まれているので、都心にしては蝉の声がよく聞こえてくる。



「寿々は夏休みどうすごすんだ?」


真咲にも綾と同じことをきかれた。なので、綾に答えたのと同じ答えを返す。


5月の連休に好意を示されて以来、特に2人でいるときに真咲は優しい顔で寿々を見てくる。ただでさえ整った顔なので、優しげに目尻を下げられると醸し出される甘い雰囲気がすごい。


あまり人の機微に聡くない寿々ですら真咲の好意をひしひしと感じる。それでも、臆病な寿々の心は真咲の好意を信じきれず、さりとてはっきり拒絶もできず、曖昧なまま、返事を強要されないのをいいことに、あれから2ヶ月以上過ぎた。真咲とは住む世界が違うというのもあるし、つがいというものがよくわからないのもあるだろう。

真咲はそんな寿々に無理強いせず、昼休みに会うだけの関係を続けていた。



「僕も、寿々に会いに図書館に行ってもいいだろうか。」



「はい。でも本当に勉強しかしてないと思いますよ。」



寿々が断らなかったことに安心したように真咲が笑った。



「もちろん、寿々の邪魔はしない。でも、休憩するときにでも、すこし話ができたら嬉しい。」



なんだか気恥ずかしくて真咲と視線は合わせず、それでも小さく頷けば、真咲がくすりと笑う気配がした。


「それに、体育祭と学園祭があるから、夏休みは僕も結構学校にくるし。」



「そうですか。生徒会役員も大変ですね。」



「学園祭はSクラスはクラスでの参加はないが、毎年賑やかだから楽しみにしているといい。」



寿々は高校の生徒会は大変なんだな、とのんびり考えていた。

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