新しい世界2
医者に聞いた話をまとめると俺の体は下半身のみが下敷きになったおかげ?で心臓や脳は無事だった。
その時に運が良いのか悪いのか丁度、脳死した少女がいた、それが今の俺の体の少女だ。
その少女に俺の脳と心臓を移植したことによってどうやら俺は死なずにすんだらしい。
「元々その儚ちゃんは体が弱くてねいつ死んでもおかしくなかったんだよ~。
あっ因に儚ちゃんはその体の子の名前ね。」
「それで俺は死なずにすんだのか。」
「納得はできたかな?」
「ああ、何とかな、それで俺はこれからどうなるんだ? 流石にこの姿じゃ元の仕事は出来ないし今の俺の立場はどうなってるんだ。」
「うん、確かにその姿じゃ外仕事は無理だろうね。だけど安心してほしい、君は今から一ヶ月後には高校生になってもらうから。」
「何を言ってるんだ? 無理があるだろう、そもそも戸籍とかどうなってるんだ。」
そう問うと踵を返し両手をあげ声を高らかに病室で叫ぶ。
「大丈夫!そこら辺は既にてをうってある!君は今日から僕の義理の娘、四月一日 瑠璃になってもらう‼」
と宣言した、それより医者の癖に病室で叫ぶとは何とも非常識な奴だ。
「お前の娘ってどう言うことだ⁉」
「今の君には一切の戸籍がない、これを受け入れなければ君はろくに生きて行けないだろう。何故ならその体の儚ちゃんも意識の野村君も既に死んでいるから‼」
確かにその通りだ、俺は死にこんな姿になってしまっている。
そしてさっきの発言を聞く限りこの少女も死んだことになっているようだ。
「何が目的だ、目的もなく俺みたいなのを助ける偽善者なんていない。」
目的もなくこんな提案をするわけがない、人は何か自分にとっての利益がない場合は人助けなどしない。
「何簡単な事だよ、まず第一に俺は娘がほしい‼
」
ゴッガッ
最初の肘による一撃で相手の体を曲げ二撃目で膝を相手の頭に寸分狂わずにいれた、それなのに何故か満面の笑みを浮かべている。
「次ふざけたらこんなもんじゃ済まないぞ。」
「すっすまない、と言うか何か格闘技でもやっていたのかな?」
「何もしてない、いいから説明しろ。」
実際、格闘技は何も習っていなかった、ただアニメや漫画での動きを過去に真似していたことが有ったため何故か喧嘩は強くなっていた。
「分かった、簡単に言うと元社会人が学生になることで、他の生徒にどんな影響が出るのか経過を見ることが目的さ、まぁ娘がほしいのも事実だけど(ボソッ)」
「成る程、その為か。」
どうやら最後の呟きは聞こえなかったようだ、もし聞こえていたらまた殴っていただろう。
「納得したかい?」
「理解はしたけど納得はしてない、ただ今はお前の言う通りにしないといけないんだろ? そして今から一ヶ月後にまた高校生活か。」
「そう、一ヶ月後つまりゴールデンウィーク明けになるね。」
「その間の一ヶ月は何をすればいい。」
その発言を聞き医者はニヤ~と嫌な笑みを浮かべた。
「女子高生として通用するように特訓だよ。」
「本気かそれよりたった一月で出来るようになるわけがないだろう。」
「本気と書いてマジだよ、それに君は特殊だからね普通は無理でも君なら出来るだろ? だからこれから宜しくね。」
そして優しい笑みを浮かべ。
「挨拶は遅れたが俺の名前は四月一日 洋35歳、これから宜しくな我が娘よ。」
と今更ながら名乗った、それに合わせ。
「ああ、俺 いや私はお前の娘 四月一日 瑠璃だ宜しくな、それと一体何を知ってるんだ。」
「僕は知ってることしか知らないよ~それよりこれから楽しく一緒に暮らそうな~瑠璃~!」
ゴッ 抱きつこうとしたので取り合えず後頭部に一撃入れておいた。
「とりあえず抱きつくな変態が。」
こうして奇妙な父娘が誕生した。