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第二章・謎の転校生 (3-1)


 3



 云わずもがなというか、アイラの人気はクラス内だけにはとどまらなかった。彼女は学校中の生徒からの注目の的となった。たまたま廊下ですれ違った他学年の男子生徒が、彼女の美貌に驚いて、彼女の方を振り返りしばらく呆然となってしまった、ということがあるくらいだ。


 アイラはそんな生徒たちからの視線を、さして気にとめることもなかった。その自然体さが好感をもたれるのだろう。彼女の人気に対する陰口も殆ど聞かなかった。


 アイラの人気の要因になったのは、単に彼女の美貌だけではなかった。


 転校してすぐ、彼女は弓道部に入部した。彼女の弓道の腕前はかなりのもので、的の中心を的確に射抜くのだ。


 美貌に弓道の技量も相まって、彼女の人気は絶大なものとなっていた。一度彼女が歩けば周囲に人だかりができるほどだ。


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