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転生子と間違えられ、捨てられた赤さん、知識スキル『ウィッキーペディア』で成り上がる  作者: アキライズン
第二章 ロンド遊撃隊『クーピーズ』

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八十話 ハク、狼狽する

 

 クレアがレッドの部屋を直接訪れるのは想定外だった。

 ほかの者なら居留守を使えばいいが、合鍵を持っているクレアには通用しない。

 本当に誰もいないか、中に入ってくる可能性がある。


 かといって今から地下にいるレッドを、呼んでも間に合わない。

 迎え入れるしかないが、ゴーレムに仕込まれたボイスレコーダーには、肯定と否定と曖昧の三つの声しか録音されていない。


『ああ、そうだな』

『いや、そんなことない』

『どうだろうな、よくわからん』


 ワタシと会話するフリをするために用意された簡単なものだけだ。

 これだけでうまく凌げるだろうか。

 なるだけ短時間で追い出して、ボロを出さないようにするしかない。


 扉を開けて、クレアを迎え入れる。


「あらあらあら、ハクも一緒にいたんだ。いっつも二人で仲いいわね。もしかして、私、お邪魔虫かしら?」


 超絶に邪魔だが、顔には出さない。


「そんなことはない。ねぇ、レッド」

『ああ、そうだな』


 タイミングよく肯定のボタンを押すと、ゴーレムからレッドの声が聞こえてくる。

 違和感はない。クレアはちらりとレッドを見ただけで、疑う様子はなかった。


「二人は何をしてたのかなぁ? もしかして、きゃっきゃっ、うふふなことしてた?」


 きゃっきゃっ、うふふの意味はよくわからないが若干いらっ、とする。


「いえ、二人で本を読んでいました。格闘術の幅を広げてみようと思って」

「あら、それは面白そうね。私にも見せてもらっていいかしら?」

「……どうぞ」


 部屋には入れず、扉の前で追い返すつもりだったが、そうもいかなくなった。

 レッドのゴーレムが座っている正面まで、クレアがやってくる。


「レッドも格闘術が使えるの?」

『いや、そんなことはない』

「レッドは、あれだ。相手が使ってきた時の対策として、読んでるみたいだ」

「へえ、えらいわね」


 否定のボタンを押しながら、フォローも入れる。

 これは長時間誤魔化せるものではない。

 なんとか、早く切り上げなければ、バレてしまう。


「でも、本当にすごく真剣に読んでるのね。いつも私と会ったら、目線はおっぱいに釘付けなのに、今日はちらりとも見てこないんだもの」

「なっ、いつも釘付けなのかっ!?」

『ああ、そうだな』


 驚きのあまり思わずボタンまで押してしまった。

 レッドの変態を認める形になってしまう。


「い、いや。それはクレアの勘違いじゃないか? いくらレッドでもそこまで露骨に見ないだろう」


 だいたい本当の目線は中の赤ちゃんなんだから、ゴーレムの目線がそこに行くわけがない。


「そんなことないわ、レッドも認めてるじゃない。ハクにはまだわからないかもしれないけど、女の子は、自分の胸を見られたら、その視線を感じるものなのよ」

「ぐ、それはワタシの胸が小さいから見られてないということかっ」

「さあ、わからないわ。レッドに聞いてみたら?」


 あとでたっぷり聞いておこう。

 今、聞いて自分でボタンで回答させたら、すごく惨めな気分になる。


「まあ、冗談はこれぐらいにして、本題に入りましょうか。実はレッドに一つ聞きたいことがあってきたの」


 ピンチはまだ終わっていなかった。

 いや、むしろ、ここからが本番だったのだ。


「あなた、本当は物凄く強いんじゃないかしら?」


 それはレッドの正体に迫る、核心を突いた質問だった。





ここまで読んでくださった読者様、ありがとうございます!

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追記


第七回ネット小説大賞作品


【うちの弟子がいつのまにか人類最強になっていて、なんの才能もない師匠の俺が、それを超える宇宙最強に誤認定されている件について】


も連載しています。


ご覧になっておられない方は、ぜひ一度覗いてみてください!よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今ならおっぱいガン見しても大丈夫な空気だぞ! だから早く帰ってくるんだレッド!
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