表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生子と間違えられ、捨てられた赤さん、知識スキル『ウィッキーペディア』で成り上がる  作者: アキライズン
第二章 ロンド遊撃隊『クーピーズ』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
79/80

七十九話 ハク、練習する

 

 レッドが地下でゴーレム作りに励んでいる間、ワタシはその上で本を読んでいる。

 部屋に山のように積まれた本は、すべて武術の本だった。

 レッドはスキルによって、様々な情報を得ることができるので、本を読む必要がないらしい。

 だから全部、ワタシが興味がある本を買ってくれた。

 ちゃんとした武術の本を読むのは初めてで、非常に為になる。

 そう、ワタシの武術には、師と呼べるものなど一人もいなかったのだ。



 魔無し子(まなしご)として、生まれたワタシは親からも見捨てられ、物心がついた頃には、盗むことでしか、その日の食料を得ることも出来なかった。


 幼いワタシが毎日うまく食料を盗めるはずもなく、二回に一回は失敗して、その度に死ぬほど殴られる。

 強くならなければ、生きていけないことを知り、魔法が使えないワタシは武術を習おうとした。

 もちろん、お金はないので、盗み見ができる道場を探して、見つからないように見学した。


 基礎から教える者はいない。

 全てが見よう見まねで、どこかおかしかったがそれでもガムシャラに練習した。

 盗み見していることがバレて、半殺しの目にもあった。

 それでも、様々な道場を渡り歩きながら、自分に合った武術を盗んでいく。

 いつしか、ワタシが盗んだ武術は、ワタシだけの武術になっていた。



 本も同じだ。

 ワタシが使えると思った技を取り込んでいく。

 レッドがゴーレム作りを終えたら、すぐに練習に取り掛かろう。

 そう思いながら本に集中する。

 目の前には中身のないレッドのゴーレムが、本を読んでいた。

 もちろん、中に誰もいないので、フリだけだ。

 本を両手で持ち、顔を隠しているだけで、ページは1ページも動いていない。


 誰かが来たら、渡されたボイスレコーダーで、簡単な会話をするように言われている。


 レコーダーには、コントローラーがあり、遠隔操作ができ、肯定と否定と曖昧の三つのボタンが用意されていた。

 上手く出来るか心配なので、誰も来ていない時に何度か練習する。


「お腹すいてきたね」

『ああ、そうだな』


 肯定のボタンを押して、自然な会話を演出する。


「レッドはトマト嫌いだった?」

『いや、そんなことない』

「明日は晴れるかなぁ」

『どうだろうな、よくわからん』


 言葉は三つだけだが、これなら大丈夫だろう。

 クレアが透明になって近づいてきても、気配でわかる。

 タイミングよく今のように会話すれば、レッドに中身がないと疑われることもないだろう。



 クレアが部屋の前に近づいてくる気配を感じて身構える。

 こっそりと部屋に入ってくると思っていた。

 クレアはロンドからすべての部屋の合鍵をもらっているはずだ。


 だからこそ、ワタシは、いやワタシたちは、クレアが透明になって監視する対策しか立てていなかった。


 次のクレアの行動をまったく予想していなかったのだ。


 コンコン、と部屋がノックされ、クレアの声が聞こえてくる。


「レッド副隊長、お話があります。開けてもらってもよろしいでしょうか」


 クレアが透明にならず直接会いにやって来た。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 大ピンチやないか!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ