五十九話 レッド、紹介する
「騙したみたいで悪かったな。一番近いところから、お前達の力を見たかったんだ」
自らが、ガレア兵士の隊長だったことを明かしてもロンドの態度は、変わらなかった。
爽やかな笑顔の下、僕達を値踏みしながら、様々な策略を企ているのだろう。
「まずは、自己紹介をしよう。右側の君から、名前と魔法属性を言ってくれ」
ロンドの前に、五人が横並びに整列する。
いつのまにか、クレアさんは座っているロンドの横に立っている。
「お、オイラからか。えっど、ベン・バックマンといいます。属性は土魔法です。ここに来る前は田舎で農夫をしでました」
一回戦で戦った茶髪のベンが、オドオドしながら自己紹介をする。
戦いには慣れておらず、精神的に不安が残るが、魔法能力の高さを買われたのだろう。
「次は私ね。シャラ・インスタンスよ。得意属性は水だけど、主に氷魔法を使うわ。今年、魔法学校を首席で卒業して試験を受けに来たの」
そう言った青髪のシャラがハクの方を睨む。
どうやらプライドが高く、一回戦でハクに負けたことを根にもってるようだ。
「ああ、次はオレか。ポール・ドラムだ。火魔法を得意にしてる。前は酒場で用心棒をしていた。腹さえ壊さなければ優勝はオレのもんだったぜ」
最初、誰だかわからなかったが、僕が毒で不戦勝にした二回戦の相手だ。
火属性のようだが、青髪の者が多い、ヴェールズ出身の若者で、赤と青が混ざり、紫髪となっている。
「爆炎のポールとでも呼んでくれ」
彼はまだ知らない。
試合中、ずっとトイレにいて棄権した為、影でウンチのポールと呼ばれていることを。
「ワタシはハク。魔無し子なので、魔法は使えない」
白髪のハクは、フルネームも言わず、素っ気なく自己紹介を済ます。
ついに僕の番が回ってきた。
「俺はレッド・サンライズ。得意属性は風。以前はバザルビートの炭鉱で働いていた」
何一つ本当のことなどいっていない。
本名はアカ・サン。属性は無属性。
転生子と間違えられ、捨てられたところをハナさんに拾われた。
髪の毛もゴーレムは赤色だが、うっすらと生えた本当の髪色は別の色だった。
「優勝おめでとう、レッド。約束通り、役職を与える。君はこの部隊の副隊長だ」
ロンドがそう言って、手を差し出す。
「座ったままで、すまないね。まだ、うまく歩けないんだ」
僕が狙撃したからね。
ロンドのほうに近づき、握手をする。
いつも通り、偽りの笑顔でロンドが笑った。
「うん、これで全員集合だ。先輩はここにいるクレアだけだからな」
「みなさん、よろしくお願いしますね。回復担当のクレア・リアージュです。得意属性は当然、光ですわ。戦闘は得意ではないけど、しっかりサポートしますから、一緒に頑張って行きましょう」
黄髪のクレアさんが話すと、穏やかな雰囲気があたりを包み込んだ。
彼女には裏表がないと信じたい。
おっぱいも大きいし。
「最後はボクだな。ロンド・フィッシャー。属性は風魔法。この部隊の隊長だ。君達を歓迎する。分からないことがあったらなんでも聞いてくれ」
隊長は、ガレア家血族に、どれぐらいの頻度で謁見できるのですか?
そう、聞きたかったが、今はやめておく。
どうせ、その隊長の座は、すぐに僕が奪い取るのだから……




