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家出少女の来訪 2

 翌朝。土曜日で仕事もないため、9時ごろ起きる。


「シロ様!おはようございます!」

「シロ様、おはようございます」

「あぁ、おはよう」


 昨日の夜、ウチの家に泊まったミレーユとリンスレットが挨拶をしてくる。


「シロ様、朝食のご用意が出来ております」


 そう言ってリンスレットが、ご飯と味噌汁、焼き魚を俺の前に置く。

 味噌汁と焼き魚のいい匂いが漂ってくると同時に疑問を抱く。


「珍しいな。母さんが朝から本格的な料理をするなんて」

「いえ、コチラは私が作りました」

「あれ?リンスレットが作ったの?」

「はい。泊めていただいたので家事だけでも手伝いたいと思い、朝食を作らせていただきました」


(そんなこと気にしなくていいんだけどな)


 そう思うが、働いていた方がメイド服のリンスレットに似合うと思い、口にするのをやめた。

 ちなみに朝食はとても美味かったです。




 朝食後、俺がリビングでゆっくりしていると…


「あ、あの。少しお話があります。ウチがお母様と喧嘩した件で」


 真剣な表情でミレーユが話しかけてくる。

 それを見て、俺も表情を引き締める。


「すでに、桜ちゃんとお母様にはお話をしております」


(桜ちゃんね。どうやら仲良くなったようで良かった……って今はそんな場合じゃないな)


 俺は緩みそうになった顔を再度引き締める。


「実はですね。ある日、シロ様と星野さんが発売した写真集の第2弾を出すとのことで、シロ様のお相手役に抜擢され、依頼が来ました」


 以前、神野さんから第二弾の相手は香織かミレーユと言われてたが、どうやらミレーユに決まったようだ。


「そのことがどうして喧嘩になるんだ?」

「はい。その依頼をお母様が断ったからです」

「…………え?」

「それを知ったウチは言ってやったんです。『ウチはシロ様とお仕事がしたいんです!だからこの依頼を受けるまで、家出します!』と」

「えぇ……」


(俺、ガッツリ関わってるやん)


 引き攣りそうな顔を必死に抑える。


「えーっと。とりあえず家出した理由は理解した」


(正直、そこまでして俺と写真集を撮りたいって思ってることに驚いてるし、理由も気になるが、今はそんなことよりも――)


「ちょっと待ってな。今、俺のマネージャーに写真集の件で連絡してみる。ミレーユの他に俺の相手を依頼した人がいるかもしれないし」

「ありがとうございます。そのことが気になりすぎて、なかなか寝付けなかったので」


 俺は早速神野さんに電話をかける。

 すると、ワンコールで電話に出てくれた。


『すみません、神野さん。今、お時間大丈夫ですか?』

『はい、問題がありませんよ』

『今日、ミレーユから、イチャイチャカップル写真集、第2弾の相手がミレーユになったってことを聞いたのですが、ミレーユのお母さんが断ったんですよね?』

『そうらしいんです。社長自身、断られるとは思ってなかったようで、結構驚いてましたね』


(やっぱり、断られたんだ)


『その件で、ミレーユの代わりが誰になったとか聞いてますか?』

『いえ、まだ決まってません。社長が「もう一回お願いしてみる」と言ってますから。どうやら断られた理由が「私と同じようになってほしくないから」ってところに引っかかっているようで』

『「私と同じようになってほしくないから」か。ありがとうございます』


 俺は神野さんに礼を言って電話を切る。


「ど、どうでしたか?」

「まだ代役は決まってないよ。それに、もう一度ミレーユのお母さんにお願いしてみるって」

「よかったです」


 俺の言葉を聞き、ミレーユが安堵の表情を見せる。


「でも、次も絶対断られますよね」


 「はぁ」とため息をつきながらミレーユが呟く。


(理由はわからんが、この写真集の仕事は本気で引き受けたいらしい。ミレーユは笑顔の似合う女の子だから、こんな表情はしてほしくないなぁ)


 そう思ったため、俺は俯いているミレーユの頭に“ポン”っと手を置く。


「あっ」


 頭の上に手が置かれたことにより、ミレーユが俺を見る。


「俺もミレーユと仕事をしたいからお母さんの説得を手伝うよ。力になれるかはわからないけど、精一杯頑張るから」


 ミレーユを不安にさせないよう、笑顔で伝える。


 すると…


「シ、シロ様が私とイチャイチャしたいって……そ、それに至近距離で見つめられると……はぅぅ〜」

「ちょっ!ミレーユ!?」


 目を回しながらミレーユが俺の胸に倒れる。


「えぇ。ミレーユも倒れるのかよ」


 俺は天井を見ながら1人、呟いた。

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