いざ学校へ 2
翌日、俺たち3人は母さんの車で学校に到着する。
校門前には普段通り、多くの生徒が歩いている。
「じゃあ昨日言った通りに頑張って」
「ありがとう、母さん。頑張ってみるよ」
そう答えた俺は車から降りる。
そして桜と穂乃果の3人で下駄箱へ向かっていると、多くの視線が集まってきた。
「嘘っ!シロ様がいるんだけど!」
「えっ!シロ様ってこの学校の生徒だったの!?」
「はぅ〜〜」
「おい!シロ様を見て倒れた奴がいるぞ!保健室に運べ!」
等々、俺の登場に驚く人たちと…
「おい!シロ様と一緒に歩いてる2人って、学校内でも有名な日向桜ちゃんと月城穂乃果ちゃんだろ!?」
「だよな!ってことはシロ様がSNSで言ってた義妹と幼馴染ってあの2人のことか!」
「えっ!じゃあ2人がいつも一緒にいるあの陰キャがシロ様ってこと!?」
等々、シロ様の正体が陰キャということに驚く人たちがいた。
「な、なかなか目立つな」
「仕方ない。でもこれは予期してたこと」
「そうだよ!だから私たちは気にせず教室に行こ!」
「あ、あぁ」
俺たちは気にせず歩こうとするが、行手を阻むようにたくさんの女子生徒に囲まれる。
「あのぉ、本物のシロ様ですよね?」
「は、はい。そうですが――」
「「「「きゃぁぁぁっ!!!」」」」
俺の返答に周りの女子が声を上げる。
「私、シロ様の大ファンなんです!あ、握手をお願いしてもよろしいでしょうか!?」
「シロ様!髪を切ってより一層カッコよくなりましたね!私とも握手してください!」
「シロ様!私とツーショット写真を撮っていただけませんか!?」
そして周りの女子生徒が一斉に喋り出し、収拾がつかない状況となる。
「お、おい。俺、こんなことになるなんて思ってなかったぞ」
「ん、私も。これは想像以上」
「きっと髪を切ったからだよ。お兄ちゃん、髪切る前より何十倍もカッコ良くなってるから」
「oh……」
その後、騒ぎを聞きつけた先生たちが来るまで、俺たちは一歩も動けなかった。
俺は先生の助力を借りて、なんとか教室にたどり着く。
いつも通り教室に入ると、クラスメイト全員が俺に注目する。
(み、見られてるなぁ)
俺は居心地の悪い中、自分の席に座る。
日向真白の席に着いたことをクラスメイトが確認すると…
「えっ!シロ様って日向くんだったの!?」
「なんですぐ近くにいたのに気づかなかったのよ!」
「近くにシロ様がいるから、穂乃果さんは男子から告白されても断ってたんだね!納得だよ!」
などなど、いつも教室の真ん中で俺の話をしていた女子たちが反応する。
それと同時に…
「やっぱり、あの陰キャがシロ様だったのかよ!」
「かわいい義妹と幼馴染がいてイケメンってなんなんだよ!ラブコメの主人公か!」
クラスの男子も俺がシロ様ということに反応する。
こうして居心地の悪さを感じながら、俺は担任の先生が教室に来るのを待った。
午前の授業が終わり昼休憩となる。
(疲れた。何もしてないのに疲れた。授業と授業の間にある休憩時間は学年問わず、たくさんの女子が俺のところにやってくるし)
そのおかげで午前が終わっただけなのに疲労困憊している。
「あ、シロ様ー!私たちと一緒にお昼を食べませんか!?」
「あ、ズルい!シロ様!私たちと1年の教室で食べましょうよ!」
「え!えーっと――」
昼休憩となったため、休憩できる場所へ移動しようと思った矢先、クラスメイトや他学年の女子から声をかけられ、またしても身動きが取れなくなる。
俺がうまく返答できず困っていると、俺の下に桜と穂乃果がやってきた。
「シロ、何してるの。私たちと食べるよ」
「お兄ちゃん!弁当持ってどこかで食べようよ!」
ありがたい提案に心の中で感謝しつつ、俺は誘ってくれた人たちに謝り、穂乃果たちに着いていく。
「それにしても想像以上」
「ホントだよ!私まで大変な目にあったんだからね!『シロ様がお兄ちゃんで羨ましい』とか『お兄ちゃんを紹介して』とかそんなことばっかり言われたんだよ!」
「私も似たようなことを言われた」
どうやら桜たちにも迷惑をかけていたようだ。
「ま、まぁ、こんなことも今日だけだろ。明日からはここまで騒がれることもないはずだ」
「それはないね」
「ん、明日もこんな感じ」
「えぇ。明日もこんな感じかよ」
(俺の体、大丈夫かな?)
本気でそう思った。




