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ヒロインたちの襲来 2

 俺は寝正月を諦め、俺の部屋に乱入してきた5人に話しかける。

 ちなみに母さんは穂乃果から合鍵を回収して部屋から出て行った。


「で、今日は何して遊ぶんだ?」

「ん、今日はこれで遊ぶ」


 そう言って穂乃果は6本の棒を俺たちに見せる。


「この先端には『王』という文字と1〜5までの数字が書かれている」

「なるほど、王様ゲームか」

「ん」


 王様ゲームとは、王様が「〇番は~~をする」といった命令を下し、その命令には絶対に従わなければならないゲーム。


「そして、ここにおみくじの時に使用する筒状の箱も用意してある。この筒状の箱を逆さまにして棒を取り出してもらう。これなら棒が見えないし、ランダムになるから棒にイカサマをしても無駄」

「なるほど」

「今回は『○番は王様に〜〜をする』と言った命令もアリにするから」


 穂乃果の言葉にみんなが頷く。


「あ、お兄ちゃん。始める前にみんなの分の飲み物とケーキを持ってきた方がいいかも!さっきリビングに用意してたから!」

「ん?たしかにそうだな。ちょっと待ってろ」

「うん!お願いね!」


 俺は桜に言われ、キッチンに向かう。


 そのため…


「桜、良くやった」

「お兄ちゃんが居てもらうと困るからね!」

「ではシロもいなくなったことだし、今から作戦会議を始める。王様を引いた人が、シロとイチャイチャできるように」


 俺は部屋を出た後の会話を聞くことができなかった。




 みんなの分の飲み物とケーキを持って部屋に戻る。


「シロくんありがとー!」

「シロ様ありがとうございます!」

「真白くん、ありがと」

「これくらい気にするな」


 俺は全員に飲み物とケーキを配る。


「さっそく始める」


 そう言って穂乃果が筒状の箱の中に棒を入れ“ガシャガシャ”と鳴らして逆さまにする。

 そして、一本棒が出たのを確認して、次の人に箱を渡す。


 みんなが棒を引いたのを確認すると…


「王様だ〜れだ!」


 桜が声を出す。


「ん、私」


 どうやら王様は穂乃果らしい。


「んー」


 悩みながら穂乃果がみんなを見る。


「じゃあ、4番の人が私を後ろから抱きしめて」


(げっ!4番って俺じゃん!)


 俺は手を上げて立ち上がり、床に座っている穂乃果の後ろに移動する。

 そして穂乃果の後ろから声をかける。


「な、なぁ、穂乃果。嫌なら取り消していいんだぞ?」

「それはダメ。取り消すのはルール違反。だから私が離れるように指示するまで、シロは私を抱きしめないといけない」

「確かにそうだが」


 その通りだが彼氏でもない男が抱きしめるのは悪いため、動けない。


「もしかして――嫌?」


 そんな俺の様子を察知した穂乃果が首だけ俺の方に向けて、上目遣いで聞いてくる。


「そんなことはないが――はぁ、後で文句言うなよ」


 俺は意を決して穂乃果を後ろから抱きしめる。

 すると女性特有の柔らかい感触と匂いにクラクラしそうになる。


「ん、とても良い」


 穂乃果がそんな声を上げる。


(ホントに良いのか?後ろから抱きしめてるから穂乃果の顔を見ることはできないが、俺の予想では嫌な顔をしてるに違いない)


 しかし穂乃果の許可なく離れるわけにはいかないので、穂乃果を抱きしめ続けるが、何故か一向に声がかからない。

 それに伴い、周りからの視線が痛くなる。


「穂乃果、もう離れていいか?みんなの視線が痛いんだけど」

「まだダメ」

「……さいですか」


 かれこれ3分以上は抱きしめているが、まだ離れてはいけないようだ。


「お兄ちゃん、長すぎ」

「シロ様。いつまで抱きついてるんですか?」

「真白くん。さすがのアタシもイライラしてくるんだが」

「シロくんは女の子を抱きしめるのが好きなんだね」


 ハイライトの消えた目で4人から言われる。


(違うんだぁぁ!!)


 俺は心の中で叫んだ。




 その後、みんなが俺と穂乃果を引き剥がす。


(ヤバい、確実にみんなからの評価が下がった。泣きたい)


 そんなことを思いながら2回目の棒を引く。


「王様だ〜れだ!」

「あっ!私だ!」


 今度は涼宮さんが王様のようで、嬉しそうに手をあげる。


「うーん」


 涼宮さんは考える素振りをしながら皆んなを見る。


「よし!3番が私に膝枕をして!」


(えっ!また俺かよ!)


 俺は3番の棒を見ながら思う。


「あー、俺なんだけど――俺に膝枕なんかされても嬉しくないだろ?」

「そんなことないよ!私、全然寝てないから今すぐ誰かを枕にしたかったんだよ!」

「今の発言、なかなかヤバいからな」


(まぁ、深夜1時に生放送で歌を歌ってたからな。あまり寝てはないだろう)


 昨夜遅くまで頑張った涼宮さんの命令を断るわけにもいかず、涼宮さんに近づき正座する。


「俺の膝枕で満足できるかはわからないが、少しの間、休んでくれ」

「ありがとー!シロくん!」


 そう言って俺の太ももに涼宮さんの頭が乗る。

 その時、フワッと涼宮さんから甘い匂いが漂ってきた。


(めっちゃいい匂いがするんだけど)


 そんな感想を抱いていると、仰向けで横になっている涼宮さんと目が合う。


「ね、眠いんだろ?目をつぶってていいんだぞ?」

「ううん。シロくんに膝枕されるだけで体力が回復するから目は閉じなくて大丈夫だよ」

「俺にそんな効果はないと思う。それと俺のことをジッと見ないでくれると嬉しいんだが」

「ふふっ、それは無理だね。シロくんの顔を見て癒されてるから。これが一番の回復方法なんだ」

「そ、そうか。なら我慢しよう」

「うん!」


 涼宮さんが満面の笑みを見せる。


 すると周りから…


「さすがアイドルですね。シロ様を虜にするテクニックを熟知してます」

「お兄ちゃんは気を許しすぎ」

「これも見ててイライラしてくるな」

「2人ともイチャイチャしすぎ」


 人を殺せるような目で見られました。

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