表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/94

再び星野家へ 1

「そ、その……つ、付き合ってほしい!私には真白くんが必要なんだ!」

「…………え?」


 ミクさんの発言に俺は固まる。

 隣にいる桜に至っては絶望のような表情をしていた。


(こ、これは告白なのか?いや、でも俺なんかに告白するわけ――)


「そ、そんなのダメだよ!」


 突然の発言に俺がパニックになっていると、桜が俺とミクさんの間に入る。


「こ、こんなところで愛の告白なんてダメに決まってます!」

「あ、愛の告白!?そ、そんなこと、まだするわけないだろ!」

「「え?」」


 ミクさんの驚きっぷりに俺たちは首を傾げる。


「こ、告白はもうちょっとお互いを知ってからだな。クリスマスが初デートだったから、あと1回はデートを――」


(ん?告白じゃないなら、さっきのはなんだったんだ?)


 状況が理解できない俺は頭を悩ませる。


「なるほど。理解しました」


 すると神野さんが何かを理解したらしい。


「星野さん、一度落ち着いてください」

「あ、あぁ」


 神野さんの言葉を聞き、ミクさんは深呼吸をする。


「先程、ミクさんは日向さんに『付き合ってほしい。私には真白くんが必要なんだ』と言いました」

「あ、あぁ。そう言ったな」

「これだと愛の告白だと思われてしまいます」

「………っ!」


 その言葉を聞いて“ボッ!”と顔を赤くする。

 神野さんの言葉でようやく自分が言った言葉の意味を理解したようだ。


「あ、あれはだな真白くん!こ、告白じゃなくて、その――ま、真白くんの力が必要になっただけだ!」

「お、おう、わかってる。ミクさんが俺なんかを好きになるわけないからな」


(なんだぁ、やっぱりミクさんの言葉が紛らしかっただけなんだな)


 ミクさんの言葉を聞き、冷静になる。


「それで俺に何の用事があるんだ?」


 未だに顔の赤みが引いていないミクさんに問いかける。


「あ、あぁ。実はアタシのお父さんが真白くんの家に行かせてくれないんだ。元日に」

「えぇ……」


(あのお父さん何してるの?)


 そんな言葉しか出てこない。


「だから真白くんの力を借りようと思って。どうかな?アタシは元日に真白くんたちと過ごしたいんだ」


 ミクさんの表情や言葉から強い決意を感じる。


(ミクさんは涼宮さんやミレーユさんたちと遊びたいんだな。俺に説得することができるか分からないが、その願いは叶えてやりたい)


「わかった。俺にできるか分からないが任せてくれ」

「ホントか!ありがと!真白くん!」


 ミクさんが嬉しそうに言う。


(そんなに俺の家で遊びたかったんだな。俺は部屋にこもる予定だが、涼宮さんたちと楽しく遊んでほしいな)


 ミクさんの笑顔を見て、そんなことを思う。

 そのため、近くにいたヒナちゃんとお母さんが不敵な笑みを浮かべたことに気づかなかった。




 ミクさんのお願いを聞き入れ、俺はミクさんたちの車に乗り込む。


 その時、桜が…


「ここは星野さんの邪魔をした方がいいけど、そんなことしたらお母さんに怒られるし――うぅー!お兄ちゃんっ!絶対変なことしないでね!」

「当たり前だ!心配しなくても大丈夫だよ!」


 ということを言われたため、力強く否定した。


「ごめんな、真白くん。どうしても許可が降りなくて」

「気にするな。涼宮さんたちと元日に遊びたかったんだろ?」

「えーっと――うん。そうなんだ」


 なぜかガッカリしながら言われる。

 すると何故かヒナちゃんが怒った顔で口を開く。


「真白お兄ちゃん!その返答は減点なの!」

「えっ!減点!?」

「そうなの!だから今からヒナが真白お兄ちゃんに女心を教えてあげるの!」

「う、うっす?よろしくお願いします?」


 その後、ミクさんの家に着くまでヒナ先生から何かを教わったが、なにを言ってるか分からなかった。




 ミクさんたちの家に到着する。


「ただいま〜」


 俺はミクさんたち3人の後ろについて行き、玄関に入る。


「また来たのか、日向くん」


 すると、お父さんが玄関で待ち構えていた。


「お、お久しぶりです」

「あぁ、久しぶりだな。さっそくだが、この部屋に入ってもらう」


 そして前回、お父さんと話し合った部屋に案内される。

 断ることなどできないので言われた通り部屋に入り、正座してお父さんと向き合う。


「単刀直入に言おう」


 お父さんが怖い顔で俺のことを睨みながら口を開く。


(ゴクリっ!)


「娘はやらん!」

「…………はい?」


(あれ?俺って元日にミクさんが俺の家に来れるよう説得しに来たんだよな?)


 頭の中でクエスチョンマークが浮かび上がる。


「わかってる。今日はミクと付き合い始めたことの報告に来たんだろ?」


(全然わかってねぇよ!)


「違いますよ!そもそも俺は――」

「なっ!違うだと!俺の娘が可愛くないとでも言いたいのか!?」

「俺がこの家に来た理由、全然わかってないんだけど!」


 俺は困り果てたため、ドアの隙間から覗いている3人に視線で助けを求める。

 すると、俺のアイコンタクトに気づいた3人が部屋に入る。


「お父さん!元日は家族で過ごすことが決まりだけど、アタシ、今年の元日は真白くんの家に行きたいんだ!許可してくれよ!」

「ダメだ!何度言ったらわかる!クリスマスに許可したんだから、元日こそは家族で過ごすぞ!」

「くっ!堅物め!」

「お父さんに堅物とか言ったらダメだから!」


(おい、お父さん、半泣きになってるぞ?)


 そんなことを思いつつも見守ることしか出来ないので間には入らない。


「お父さん!ヒナがお姉ちゃんの分までお父さんと一緒にいるの!だから許可してほしいの!」

「ヒナ……」


(めっちゃ良い子やん!ヒナちゃん!)


 俺とミクさんがヒナちゃんの行動に感動する。


 しかし…


「ダメだ!お父さんはミクとヒナ、2人揃って過ごしたいんだ!だから許可できない!」

「「「「…………」」」」


 全員が絶句する。


(マジかよ。このお父さん、なかなかめんどいぞ)


 俺は本気でそう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ