表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルブス  作者: シバザキアツシ
復活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/36

幕間、ある争奪戦

公共鍛冶場での護衛の依頼があり、ジルはカイティアクに残っていた。


「護衛というか…見張り番みたいなものですかね」

独りごちるジル。

ギルドからの正式な依頼だった。

今日昼までに、町一丸となり制作していた銅像が出来上がると言う。

その銅像を盗むという予告状が届いたのが、昨日の事だった。

「自分に芸術は分かりませんが、何やら凄いものだと言うことくらいは分かります」

見上げるほど大きい女神像。

新品の銅は、思いの外鋭い輝きを放つ。


共同鍛冶場の灯り突如落とされた。

ざわつく鍛冶場。

「来ましたね!」

ジルは女神像に張り付いている。

とても盗める状況じゃない。

と言うか、こんなに大きな物をどう盗むのか。


灯りが戻った時、女神像は消えていた。

鍛冶場泥棒である。

「え?」

考えられるのは、物を小さくするスキル。

瞬間移動スキルの二つ。



「にゃ~!」

「猫?」

再びのミミ、走り回る口に咥えられているのは、先程完成した女神像のミニチュア。

「やはり、小さくして盗んだのか?」

追いかけるジルだが、一向に差は縮まらない。


鍛冶場の職人達も、ミミに飛びつくがあっさり躱される。

「この!」

鍛冶場内を走り回っている。

「逃げる気はないのか?」

ハッと何かに気付くミミ。

「忘れてたにゃ~!」

窓から飛び出し逃げていってしまった。

「追いかけっこが、楽しくて、逃げるのを忘れていた?」

どっと疲れるジルだった。

「追いかけます」

そう言って、鍛冶場から逃げるように外へ出るジル。

「さて、どこへ行ったのやら…」

現在、町は封鎖されているため、門からは外へ出ることは出来ない。

「出られるとしたら…海しかない」

町の西側は断崖絶壁だが、海とつながっている。

あの組織の一員ならあっさり飛び込んで逃げそうではある。

「一先ず行ってみますか」


聞き込みをするジル。

「あぁ、何か西のホテル方面に走っていったよ」

「西のホテルですか…情報ありがとうございます」

そう言って西のホテルへ向かうジル。


「確かに、見た目はホテルですね」

しかし、その後聞き込みをしたが、そのホテルを利用したことがある人は見つからず、いつからあったのかも分からないらしい事が分かった。

そして。

「入り口がない…どうやって入れば?」


ジルがホテル周りで絶望している頃。

そのホテルの最上階のスイートルームに女神像はあった。

「ここならバレないにゃ~!」

1/10000程に縮小された女神像に頬ずりをするミミ。

ミミの狙いは、その手に握られた枝だった。

「神のマタタビにゃ~!!」

その時、ホテル全体が揺れた。

「にゃっ!」

慌てて窓から身を乗り出し確認するミミ。

ホテルの西側は海に面しており、そこから巨大なヘビが上がってくるのが見えた。

「海アナコンダにゃ!」

海アナコンダの狙いも神のマタタビ。

猫にだけ効くものではなかったらしい。

全ての生物が魅了される代物。

それが神のマタタビ。


「渡さないにゃ~!」


巨大な海アナコンダとの戦闘。

始まると思われたが。

「人の建物で暴れるな!」

支配人トロイは、ホテルのバルコニーで二匹に鉄槌を下した。

窓から落ち海に浮く、ミミと海アナコンダ。


西のホテルは、傭兵団斧の鞘の副長、トロイ=マクワが趣味で建てたものだった。

ホテルとして経営はしていない。


ミミが気を失った瞬間に女神像は元の大きさに戻り、スイートルームの天井を突き破った。

「ホテルから生えてるみたいになっちまったな」

いかがわしいホテルのように見えてしまう。

「何とかせんとな…」

一応、女神像は盗まれずに済んだ。

しかし、どうやって降ろしたらいいか分からない。

「作るしかねぇか、巨大滑車を」

未だにホテル周りで右往左往するジルと、更なる問題に頭を悩ますドワーフだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ