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第十話 金魚すくい大会~後編~

 こうして大会本選当日はやってきた。

 金魚すくい大会の観覧席に座って見守る琴子たちは、神社に参拝した女の子を探しながら大会の行く末を見守っていた。


「いよいよだね、あ、あの子!」


 琴子たちの視線の先には昨日会った女の子、そして友達二人がいた。

 皆揃いのはちまきをして気合を入れて臨んでいる。


「がんばれ~がんばれ~」

「ミコ様が祈ってどうするのですか」

「そうなんだけど~」


 祈るように見守る琴子に対して辛辣な言葉をかける日和。

 そうこうしているうちに大会の決勝戦は開始される。


「これより、金魚すくい大会決勝戦をはじめます。よーい……」


 ピーという笛の合図と共に一斉に金魚をすくい出す。


「あっ!」


 神社に参拝にきた女の子のポイがもうすでに破けている。

 琴子はその様子を不安そうに見守るが、女の子の目は何一つ諦めていなかった。

 ポイの破れをうまく利用し、やぶれた紙を重ねて強化するとうまくポイの縁に金魚を乗せてすくう。


「すごい……」


 その圧巻の技にまわりも息を飲んで見守る。

 3分間の競技時間はもう残りわずかとなっていた。

 観客席から見ていると、両チームの合計の数はどちらが勝っているのか全くわからない。


 ピーという笛の合図と共に選手たちは皆動きを止める。

 大会役員が金魚を受け取ると、数を数えていく。


(お願い勝って……)


「合計数を発表します」


 大会委員長らしき様相の人が厳かな表情でマイクを持って前に立つ。


「女の子のチームはAチームだよね?」

「はい、その通りです」


「Aチーム、133匹。Bチーム、130匹。よって、Aチームの優勝とします」


「勝った?」

「ええ、あの子たち勝ちましたよ、ミコ様」

「やったあーーーーー!!」


 琴子は日和と葵に抱きつきながら泣いて喜ぶ。

 同じように女の子たちも泣きながら嬉しさをかみしめていた。




◇◆◇




「よかったね、あの子たち」

「はい、ミコ様のお力ですね」

「私は何もしてないよ」


 そういいながら琴子たちは神社へと戻ろうとしていた。

 その最中、見守ってきた女の子と友達と思わしき女の子が森の中で二人でいる。

 琴子たちは邪魔をしないようにそっと木の陰に潜んで見守った。


「今日の大会勝ててうれしかったね」

「うん、ようこちゃんのおかげだよ」

「ううん、さっちゃんのおかげ! ありがとう」


 二人の間にはちょっとした沈黙が流れる。

 そして「ようこちゃん」と呼ばれた女の子が意を決して口を開いた。


「さっちゃん。今までいつも一緒に遊んでくれてありがと。新しいおうちにいっても元気でね」

「……うん。ありがとう。ずっと友達だよ」

「うん! 手紙おくる! 年賀状も送るから! いっぱい電話もしよ!」

「うん!!」


 琴子はそっと木の陰に座ってふうと息を吐く。


「よかった」


 そう琴子がいったのと同時に琴子のかぶっていた帽子が風に煽られて宙に浮く。


「あっ!」


 その帽子は女の子の手元へと運ばれていく。

 女の子は昨日出会った、不思議な三人のことを思い出してぎゅっと帽子を握り締める。


(ありがとうございます。おねえさんたち)


 心の中でそっと思った言葉は、琴子の耳に届いていた──

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


【一言おはなしコーナー】

今回もめでたしとなりました~

金魚すくい大会はほんとに熱い戦いです!!



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