気付くのが遅過ぎた火曜日
衝撃的な出会いから7年。
中学生になった。
ワクワクした。
予定通りなら、私はもうすぐ婚約を破棄されるのだ。
これで作られたストーリーからいち早く脱出できるのだ。
確かにあのゲームは好きだったが、我が身のこととなると話は別だ。
折角生まれ変わったのだ。
人生を謳歌したい!
ワクワクした。
大事なことだから二度言ってみた。
ワクワクした中学生生活も早3年。
私は焦っていた。
なぜだか知らないが、婚約者殿は、まだ、まーだ、別れを言ってこないのだ。
幾ら何でも遅過ぎる。
だってママンに「海鳴学園に旭くんがいるから、あなたも旭くんの学校にしましょ!」ってな感じで軽く決められたのだ。
海鳴学園に入学決定してしまっても、フられたとなったらきっと違う高校へ行ける!と思ったのだが、気付いたら、入寮していた。
「お前、学校じゃ話しかけんなよ。」
「うん。」
そして気付いた。
アメリカにいるときにいい人見つけて、こっちからフればよかったと。
というか、こっちこそ言いたい。
話しかけんなと言うならば、さっさと婚約解消してくれれば良かったのにと。
私は強く思った。
学園でいい人見つけようと。
絶対にシナリオに巻き込まれまいと。