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婚約破棄されましたが、最強のお兄様がただでは済ませません  作者: 百鬼清風
第一部 王太子の婚約者

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第11章 学園襲撃6

 警備員が、もう一人と一緒に私が捕らえた男達を見張る。グラント先生がやってくると、やっと緊張が解けた。


「怪我はないな、マチルダ」

「はい。グラント先生」


 先生は私の顔を確かめてから、捕らえた男を見た。


「よく捕らえた。後は任せろ」


 私はお礼を言い、建物の前へ戻った。門の方からレオポルド様が歩いてきて、警備員へ借りた剣を返している。

 アリス様も来た。袖が裂けているので思わず駆け寄ったが、腕を見せてくださった。


「服だけ。あなたは?」

「大丈夫です。こちらは全員、生きたまま捕まえました」

「こっちも生きてるわ。今は先生が見てくださってる」

「門へ来た連中も止めた。武器は警備員に渡した」


 レオポルド様は胸を押さえていたが、私が尋ねると、殴られただけだと答えた。

 ジュリアン会長が学園長と一緒に来る。会長は私達の人数を確かめ、門へ振り向いた。


「アーサー君も大丈夫のようだな」


 私もそちらを見た。警備員が縄で縛られた男たちを連れて門へ入り、その後ろから、お兄様が戻ってくる。

 制服が汚れていた。


「お兄様!」


 駆け寄ると、お兄様は私の顔を見て、ほっとしたように微笑んだ。


「無事だな、マチルダ」

「はい。お兄様こそ、お怪我は」

「少し打っただけだ。あとで診てもらう」


 お兄様は学園長の前で立ち止まった。


「灰狼傭兵団のギデオン・ヴァルガのようです。能力、風体が一致します。拘束と武器の回収は終わりました。強力な使い手なので、警戒をお願いします」


 その名を聞いて、私は連れていかれる男を見た。処刑が決まったと聞いていた傭兵団だ。それが、私とお兄様を殺しに来た。

 牢からどうやって出たのかは分からない。誰に命じられたのかも、男は話さなかった。

 会長はもう一度外へ探知の魔法を使い、戻ってきた教師の報告も聞いた。


「外に残っている人間はいません。全て撃退したようです」


 学園長は、生徒全員が講堂へ入ったという教師の報告に頷き、私達へも治療を受けるよう告げた。

 ようやく、お兄様のそばにいられる。


「任せてもらった連中は、捕らえました」


 私が言うと、お兄様は私に向き直った。


「ああ。よくやった、マチルダ」


 私はお兄様の汚れた袖を、そっとつかんだ。まずは一緒に、怪我がないか診てもらおう。


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