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【コミカライズ1巻 3月27日発売】【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第二章 最難関!? 神々の塔攻略編

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『獣神の塔』第1階層

 ダンジョンを探索してわかったこと。

 あっ、ダンジョンの中が広大であることは転移した直後に見てわかっているのでここでは省きます。

 で、わかったことというのは出現する魔物が弱いということですね。これもエルトリアさんから事前に聞いていたのでわかっていたことではありますが。

 

 探索は休みを挟みながらも1時間ほど続けています。

 そのなかで遭遇した魔物はスライム系、獣系、鳥系など。

 特に獣系の魔物が多かったですね。ダンジョンの名前が『獣神の塔』というのですから獣系を中心に魔物が出現するのでしょう。


 しかし、どの魔物もレベルが低かったです。

 一番下で10とか。高くても18とか19ですね。

 私たちと遭遇するや否や魔物は尻尾を巻いて逃げるのがほとんど──というか全てですね。なので私たちはまだ一度も魔物と戦っていません。

 レベルだけで判断すると魔物たちからすれば私たちのほうが化け物に見えているかも。


 魔物が生まれながらに持つ本能。それが敵わないと判断し撤退しろと告げている。故に襲い掛かってくることはなかった。


 そう考えるのが自然ですよね。

 でも無駄な戦闘をしなくて済むのでこちらとしても助かります。ただ、上の階層に行けば魔物も強くなってくると思うのでいずれ戦闘が始まるのでしょう。

 それでも負けるつもりはないんですけどね。

 いえ、負ける要素がないと言うべきでしょうか。こちらには私よりもレベルが高いエルトリアさんとロザリーさんがいますから。魔物たちも二人を見て逃げ出したところがありました。

 

 そんなわけでダンジョンの探索を続けていると──


「ようやく見つかったな」


 第1階層は草原だけではなく森林もあります。

 森林地帯を訪れ、草木を掻き分けながら進むとここへ転移した時に使用した魔法陣と似ているものを見つけました。

 これが第2階層へ続く魔法陣なのでしょう。

 第1階層の探索中に私たちより先に転移した冒険者を何度か見かけたのですが、魔法陣周辺には冒険者はいないようです。


「妾の予想だともっと早く見つかると思っておったが意外に時間がかかってしまったな。しかし、まだまだ日暮れまで時間がある。今日は第15階層まで行ければ良いペースじゃな」

「そんなにいけますかね? 第1階層の探索だけで一時間も使ってますし……」

「運が良ければの話じゃからな。実際はそこまでいかんかもしれない。まあ目標は常に高いほうが気合が入るというやつじゃ。ああ……だが無理もよくないか。リリィやロザリーは妾と違って睡眠が必要不可欠じゃ。寝不足でダンジョン攻略に支障をきたすわけにはいかん」


 吸血鬼族――特にエルトリアさんは特異体質だそうで睡眠はそんなにいらないとか。一週間に2、3時間だけ睡眠を取るだけで大丈夫みたいですが、それって休んでいることになるのでしょうか?

 だって一週間に2、3時間ですよ。そんな生活を送っていたら確実に体が壊れてしまいます。

 いえ、それ以前にエルトリアさんと同じ生活をしようと思うのが間違ってますね。私なら挑戦しても一日で寝てしまう自信があります。こう見えて早寝早起きを心がけていますので。


 エルトリアさんはその気になればダンジョンから帰還せずに攻略できますよね。しかも休むことなく。

 ちなみにロザリーさんも三日までなら睡眠を取らなくても大丈夫と言ってました。長年エルトリアさんに付き合ってた結果ですかね。


 でもこれはオススメしないと真顔でロザリーさんに言われました。

 そもそも私たちは全員種族が違います。そして、寿命も違う。

 何百年と生きられるエルトリアさんたちと違って、よくて100年しか生きられない私では睡眠不足は体に毒で寿命が縮まります。

 健康状態を維持しつつ長生きしたいのであれば規則正しい生活を送りましょうとロザリーに言われました。

 しかし、何度も言うようにエルトリアさんの生活を真似しようなんて思っていませんし、まず一日目で睡魔に襲われ挫折するので真似したくても無理です。


 さて、エルトリアさんたちの睡眠事情はここまでにして本題に戻りましょう。


 魔法陣を起動して第2階層へ転移する前に休憩を取ります。

 私は別に休憩を取るまで疲れてはいなかったのですぐに転移しても構わないと言いましたが、どうやらエルトリアさんから話があるようでその話とは私を鍛える件についてです。


「今回『獣神の塔』に挑戦したのは『神々の塔』攻略に必要な条件を満たすためでもあるが、御主を今以上に強くさせるためでもある。本来であればゆっくりと時間をかけて鍛えてやりたいのじゃが『獣神の塔』を完全に攻略するまでには終わらせたい」

「どうしてですか? 他のダンジョンを攻略している時でも十分時間を取れると思いますが……」

「まあそれでも良いがそうなると効率が悪くなる。前に冒険者ギルドで妾が受付嬢に聞いたことを覚えておるか?」


 確か「パーティーメンバーの一人がダンジョンへ転移してもその場にいない他のメンバーが転移されることはない」とかそんな感じでしたようね。

 もしかしてやはり――


「攻略の進行度は共有されると言っておったしな。『獣神の塔』の攻略が終わり次第妾たちは別行動をとろうと思う。『獣神の塔』を除けば残るダンジョンは『機神の塔』『竜神の塔』『魔神の塔』の三つ。それらを全て同時に攻略する。難易度で言えば先に言った方から順に難しくなるらしい。故にこの中で一番レベル高い妾が『魔神の塔』へ、ロザリーは『竜神の塔』に向かってもらう」

「では私は『機神の塔』ですね」

「うむ。そして妾が考えているプランを簡単に説明するとこうじゃ」


 一、『獣神の塔』を完全に攻略する前に出来るだけリリィ・オーランドを鍛え上げる。

 二、『獣神の塔』の攻略後は各々他のダンジョン攻略に専念する。早めに攻略が終わった者がいた場合は手伝いに向かう。

 三、全てのダンジョンを攻略し終えたら『神々の塔』への挑戦が可能になるため、万全な準備をして攻略に挑む。


「という感じじゃな。何か異論があれば聞くぞ」

「そうですね……。強いて言うなら私一人でダンジョン攻略できるか不安だということですね。自信がないわけではないですが、一人で挑戦するとなると心細いといいますか……」

「何を言っておる。御主は一人ではないじゃろ」


 そうですね、私には可愛くて頼れる大切な相棒がいます。

 視線を下へ移すクリッとした両目でこちらを見つめるタルトが。

 私に抱きかかえられながら「キュイキュイ!!」と鳴く姿は「自分もついているから大丈夫だよ」と言っているみたいです。


「それにその不安感などすぐに消える。妾やロザリーが御主の相手をするんじゃからな。自分で言うのもあれじゃが、これ以上に適した人材はいないと思うぞ。今の御主と『獣神の塔』を攻略した後では比べ物にならないほど強くなっておるじゃろうな」


 笑いながらそう言うエルトリアさん。

 私はいったいこの方たちにどれだけ鍛えられることになるのでしょうか。魔王とその従者の指導……深く考えなくとも厳しいものであるとわかります。


「だが攻略も同時に進めないといかんな。まずは第15階層を目指し、時間があれば御主に稽古をつける。無理なら明日から始めるとしようかのう。それでよいか?」

「はい、ご指導よろしくお願いします」


 任せておけ、とエルトリアさんは絶対的な自信があるみたいに言い切ります。

 そのあとに何となく不敵な笑みを浮かべている気もしましたが多分気のせいでしょう、多分……。

 

 とりあえず先のことを考えるのはやめます。今は目標である第15階層を目指しましょう。

 私たちは休憩を終えると魔法陣を起動させ、次の階層である第2階層へと転移しました。

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奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた4
― 新着の感想 ―
[一言] 馬鹿な自称冒険者よりもよっぽどモンスターが賢い気がする 
[一言] すごく面白いです!
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