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【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第二章 最難関!? 神々の塔攻略編

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攻略を開始してあれから……

総合評価50,000pt達成しました。

皆様ありがとうございます!!

 ダンジョン攻略を開始したのは朝の一件もあり時間は遅れてだいたい午前10時ぐらいでした。

 そこから探索を進め8時間。外はおそらく日も暮れ始めており、日没までのわずかな時間を綺麗なオレンジ色で街並みを染め上げていることでしょう。


 そんななか私たちは『獣神の塔』第14階層にまで到達しました。

 運が良かったと言えばそうなのかもしれません。

 この階層に来るまでに魔物ともあまり遭遇していませんし、魔法陣も結構早く見つかった階層が多かったです。 


 目標の第15階層まであと一歩。

 このまま順調にいけば今日中に目標は達成できそうですね。時間的にはエルトリアさんたちの指導は翌日に繰り越されると思いますが……。

 

 しかし、こういう時に限って魔法陣が見つからなかったとかよくある話ですよね。ここから何時間も探し続けて結局日を跨いでしまったり。


 まあそんなことないでしょう。

 今までだってなんだかんだ一時間ぐらいで魔法陣は見つかってます。今回も探索を続けていれば簡単に見つかりますよ。


 ………

 ……

 …


 と考えていたのが2時間前の私でした。

 現在はおそらく午後10時を回ったところです。外は既に真っ暗で子供は寝ている時間ですよね。ダンジョン内も光源は月明りぐらいで他はありません。

 ちなみに私たちは森の中を彷徨っていて、月明りも木々の葉で遮られて微かにあるぐらいです。なので魔術にて光源を作り進んでいます。


 そして、もうお分かりの通り次に続く魔法陣は未だにに見つかっていません。

 なにぶん範囲が広いので時間がかかるのはこれまでの探索から理解していました。

 でもここまで見つからないものですかね? もしかしてこれが普通であって今までの私たちの運が良すぎたのでしょうか? 

 

「全然魔法陣が見つからんな。なんというか、目的地はすぐそこにあるというのに遠回りを強いられているような感じじゃ」


 エルトリアさんもあまりの見つからなさに疑問を抱いています。

 

 でも実は私、見つからない原因がわかった気がするんですよね……。


 私が第15階層の魔法陣が簡単に見つかるなんて思ったばかりに見つからなくなった。

 こういうのを巷では〝フラグを立てた〟というのでしょう。まさか自分で体験することになるとは思いもよりませんでした。

 このことはエルトリアさんたちには秘密にしておきましょう。本当に私が原因かわかりませんからね。単純に見つからない可能性だってあります。


「このまま見つからないとなると最悪の場合、野宿になりますね」

「妾は別に構わんがな」

「私も野宿には慣れているので大丈夫です」

「となるとその準備をしないといけませんね。食料については余分に持ってきているので問題ないとして──」

「ちょっと待て」


 そう言ってエルトリアさんは自分の人差し指を口元に近づけます。

 光源を消し、静かな森の中で息を潜めていると何やら草が揺れる音と話し声が。魔物ではなく冒険者のものでしょう。


「近いな。もしかすると魔法陣があるかもしれん」


 辺りはほとんど真っ暗のなかで突然私たちが現れたりでもしたら驚かれると思うので、ここはなるべく足音を立てないように声のもとへと近づきます。

 そこにいたのは四名の冒険者。彼らの装備は魔物との戦闘を繰り返したのか壊れるまでとはいきませんが汚れていて、疲弊と安堵が混じったような表情をしています。


「いやぁ、やっと見つかったな」

「ほんと長かった。この階層だけ時間がかかったよね」


 どうやら彼らも私たちと同じで第15階層へと続く魔法陣を探すのに苦労していたみたいです。


「今日はもう帰ろうぜ。さすがに腹が減った」

「私はパス。こんな時間に食べたら太っちゃうもん」

「大して変わんないって。それに明日も攻略の続きをやるんだからその時に頑張って痩せればいいじゃん」

「あのねぇ、太るのは簡単。でも痩せるのは難しいの! その苦労も知らないで──」


 どうやら揉め事──というか一方的な説教になっているみたいです。

 女性冒険者の言っていることは私も理解できます。こんな時間に食べるなんてこれから太りますよと言っているものですからね。

 でも私は太りにくい体質といいますか……こんなこと言ってしまったら敵を作ってしまいそうです。

 

 そこから10分近く続き、それでも終息することはなかったですがやっと魔法陣を起動させて転移しました。男性冒険者への説教はこの後も続いているかもしれませんね。


「終わったか。口論は帰還してからでもいいものを。今回は運が良かったがあんな大声で話していたら魔物共に気づかれるぞ。魔物は夜になると活発になるから危険だというのは一般常識だというのに」


 エルトリアさんは呆れつつもいざとなれば助けに入るつもりだったと思います。エルトリアさんはそういう方ですから。


「さて、先客も行ったことじゃ。妾たちも後に続くとするか」


 もう夜も遅いということで結局予定していたご指導は明日になりました。

 それに、エルトリアさんは見抜いていたそうで──


「リリィよ、御主もう眠いんじゃろ。辛うじて瞼が開いている状態じゃぞ」


 正直に言いますと、限界が近いです。

 午後9時ぐらいを過ぎた頃から大きな欠伸を嚙み殺してお二人に悟られないようにしていました。

 それでもエルトリアさん──どうやらロザリーさんも何度か私の様子を見て睡魔に襲われていることに気づいたそうです。

 タルトも半分寝ていますね。寝ていることに気づいて起きても数秒後には顔が俯いています。


「タルトも限界のようじゃな。早く帰還して宿を見つけんとな」

「この時間帯でも利用できる宿は事前に調べていくつか候補を見つけています」

「さすがはロザリー、優秀じゃな」

「お褒めいただき光栄です」

「ではリリィたちのためにもダンジョンから帰還するか」


 こうして私たちの『獣神の塔』攻略一日目は終了しました。

 ロザリーさんが調べてくれた宿候補のなかで最も料金が高い宿を選択。

 決めたのはもちろんエルトリアさんです。「どうせならより良いベッドで寝るべきじゃ」と言っていました。

 

 宿に到着するとすぐに水魔術を使って体を綺麗にし、【セルビス】のお店で買ったパジャマに着替えてベッドに横たわります。

 まるで雲の上にいるかのようなふかふかのベッド。最も高い宿なだけ質感も今まで利用してきたどのベッドよりもいいです。


 これならすぐに寝れちゃいそう


 なんてことを思っている間にも自然と意識は遠のいていき、再び意識が覚醒すると翌日の朝を迎えていました。

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