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【コミカライズ1巻 3月27日発売】【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第一章 オルフェノク地下大迷宮脱出編

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遭遇

 皆さんどうも。こちら現場のリリィ・オーランドです。

 私は今とある戦闘に遭遇しております。


 実はですね、勇者一行がアドルたちのことだと知った私は急にテンションが下がりました。

 是非とも会ってみたい勇者がアレだったんですからね。この気持ち、誰かにわかってほしい。

 

 興味を失った私は地上へ向かうことにしました。


 そして、ここからが重要なのです。


 現在私は190階層にいます。

 フロアボスがいる部屋ですね。

 一応改めて言っておきますが、フロアボスは下の階層から部屋に入ると出現しません。

 理由は知りませんよ。ダンジョン──というよりは【オルフェノク地下大迷宮】がそういう作りなのでしょう。

 私も400階層から登って390階層に入り直した時を最後にフロアボスとは戦っていません。

 

 って、問題はそこではありませんでした。


 なんと私は190階層に閉じ込められたのです。

 まあ閉じ込められたといっても他のパーティーがフロアボスに挑戦するため部屋に入ってきたのですが。


 しかし、そのパーティーが問題だったのです。

 

 三年経った今でもその顔を忘れはしません。

 多少大人っぽくなっていますが間違いなくアドルたちです。


 感動の再会? そんなわけないじゃないですか。最悪の再会ですよ。パーティーの仲も良さそうでムカつきますね。


 どうやらちょうど悪いタイミングでした。なにもここで遭遇しなくても……。

 それと私が中にいるのにフロアボスへの扉は開くんですね。190階層のフロアボスが討伐されていない判定だったからでしょうか。

 今までフロアボスで誰かと会ったことはなかったので新たな発見がありました。

 

 しかし、アドルたちが部屋に入ったことでフロアボスが出現してしまいましたよ。

 これまでフロアボスとの戦闘は面倒だから避けてきたのに完全に巻き込まれましたね。

 まったく、彼らは私に対して無意識に嫌がらせでもしているのでしょうか。いい加減にしてほしいものです。

 

 それより気になったことが。

 アドルたちの中に見知らぬ人物がいます。

 さらさらの金髪に宝石のように煌めく青色の瞳。身長も私より低くてまるでお人形さんみたいです。


 名前はシャルロット・クロムハーツでしたか。

 あの時のおじさんから話を聞いていましたが彼女が『聖女』なのでしょう。


 ええ、認めます。

 私の容姿ではあの『聖女』に敵いませんよ!!

 何ですか、あれ? あんな可愛い子を相手に勝ち目ないじゃないですか。


 いえ、落ち着きなさいリリィ・オーランド。

 容姿は圧倒的に向こうが上。でも可愛いからって冒険者をやっていけますか?

 違うでしょう!!

 冒険者は力こそ全て。力無き者から消えていきます。

 ステータスだって私の方が上です。踏んできた場数も圧倒的に私が上。本気で死にそうになった経験をしたことありますか? 無いでしょう!?


 ……結局興奮してしまいました。次こそ本当に落ち着きましょう。

 

 アドルたちは190階層のフロアボス──煌王龍ヴァルドラと戦闘を始めます。


 私? 私は戦闘に参加しませんよ。

 アドルたちと協力するなんて死んでも嫌です。タルトと一緒に『隠密』で姿を隠し遠くから観察することにします。


 さて、アドルたちの戦いぶりですが──


 憎たらしいぐらい良い連携を取っていますね。

 パーティーに足を引っ張る存在がいなくなったことで生き生きとしていますよ。

 しかもこの三年で随分と強くなったようです。

 各々師匠と呼べる人の下で修行してたみたいですが、さぞ良い環境だったでしょうね。

 人の手で作られた暖かくて美味しいご飯。目一杯太陽の光を浴びたふかふかな布団。娯楽だってたくさんあったでしょう。


 それに比べて私はどうです?

 ただ焼いただけのハズレだったら口から虹が出る魔物の肉。太陽の光なんて浴びたことないであろうスカスカな布団。娯楽なんて一つもなかったですよ。


 アドルたちとの環境の格差を考えるとまたイライラしてきました。

 ここは一つ、死なない程度の魔術を一発放ってあげましょうか。それでも私の鬱憤が晴れるとは思いませんがね。


 戦闘は20分ほどでアドルたちの勝利にて幕を閉じました。

 決め手はクオリアの魔術──『獄炎魔術』と『暗黒魔術』を組み合わせた【冥界ノ獄怨炎(インフェルノ・ハデス)】という魔術です。



───────────────


 獄炎魔術 × 暗黒魔術 【冥界ノ獄怨炎(インフェルノ・ハデス)

 消費魔力 2800

 

 対象に炎属性と闇属性の極大ダメージを与える。

 状態異常『延焼』と『呪詛』を付与する。

(『延焼』:魔力障壁等に関係無く毎秒350の継続ダメージを与える)

(『呪詛』:魔力障壁等に関係無く毎秒300の継続ダメージを与える)


───────────────


 

 威力もありますが状態異常がかなり効果がありましたね。

 延焼は火傷、呪詛は呪いの上位互換なので継続ダメージは多く入ります。

 そして──おそらくゼペットの攻撃でしょうか、その攻撃で毒状態にもなっていたので継続ダメージは毎秒1000は超えている。

 さすがのフロアボスも毎秒それだけのダメージを負えばあっという間にやられます。


 まあ、私ならすぐに倒せましたけどねッ!


 クオリアの詠唱もスキルによって簡略化されていましたが遅すぎます。

 その間にアドルとカリアがやられていたらどうするのですか?

 派手に決めたいのはわかります。けど、詠唱に時間がかかるならもっと別の魔術にすればでしょう?


 ただ個人の戦闘スタイルに口出しする義理もないのでこれは私の意見と捉えて結構です。


 さて、煌王龍ヴァルドラを倒して喜んでいるアドルたち。

 彼らの迷宮攻略はこの先も続くでしょう。しかし、私は最後まで見届けるなんてことはしませんよ。

 扉も開いたことですしさっさと190階層から出て189階層に向かいましょう。アドルたちともこれでさよならです。


 私とアドルたち、それぞれの道を進もうとした時──


 パキッ


 部屋中央の空間が歪み亀裂が入ります。

 今までこんな現象を見たことありません。アドルたちも振り返って部屋中央を見ています。


 そして、そこから謎の人形生命体が出現。

 なんでしょう、この感じ。他とは違う明らかに危険な感じがします。鑑定で確認しましょう。

 


───────────────


《名■》■▽≒※P─!#◆X?


《◆号》〝↓#△か≒のS□者〟


《スQータN》

 レ←Y ■■■

 \命G ■■■■■/■■■■■(+■■■■■)

 ▽ 力 ■■■■■/■■■■■(+■■■■■)

 持?力 ■■■■■/■■■■■(+■■■■■)


 攻撃※ ■■■■■(+■■■■■)

 V御力 ■■■■■(+■■■■■)

 K神! ■■■■■(+■■■■■)


 ス■─

 ※鑑定不可


───────────────


 

 な、何ですか、これ……? 

 鑑定しても全然ステータスがわかりません。

 妨害系のスキルでステータスを見せないようにしている? 

 だとしてもこれは異常ですよね。

 普通ならスキルで本来のステータスを隠し、偽装したとしても読み取ることは可能です。

 しかし、この魔物(?)は読み取ることすら不可能。


 わかるのは不気味な存在だと言うこと。


「おい、なんだアイツ? 魔物……か?」

「でもフロアボスがいる場所って他の魔物が立ち入ることはないわよね。それに見たことない魔物だし新種かしら?」 

「フロアボスの戦いもちょっと消化不良だったし、新種ならギルドに渡せば結構なお金になるからさ。このまま戦っちゃおうよ」

「そうだな。よし、全員戦闘準備!」


 アドルが声をかけると他のメンバーも武器を構えます。


 そして、戦闘が始まろうとしたその刹那───


 パーティーで一番の防御力を誇るカリアの左腕が大楯ごと斬り飛ばされました。

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奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた4
― 新着の感想 ―
[一言] たしかにその場に主人公はいたけど……人?違いでした。
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