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”元”悪役令嬢達による戦車開発史  作者: シャチ


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17/26

試作戦車による模擬戦と課題

1931年10月、私たちは晴れて卒業となりました。

戦車開発の実績をもって卒業ですわね。


最近は帝国で政治体制のごたごたがあったようで、我が国にも”全体主義”みたいなものを掲げる人たちが日々演説をしていたりします。

私達貴族からすれば国王を国家元首とする旧来のシステムのようにも聞こえましたが、よく聞いてみれば共産主義的なところも見え隠れしており大変警戒しております。

私たち貴族を亡き者にしようとする思想でもありますからね。


「今日は試作戦車による戦闘実演とのことですが、何を見せられるんでしょう?」

「今回はわが社の飛行機も参加いたしますわよ」

「あら、フラン様」

「ごきげんよう戦車バカの皆様。

 今回はネリスで開発した飛行機も参加いたしますから私も御呼ばれしましたのよ」

今日は、試作2号戦車対試作1号戦車による模擬戦が行われるとのことで、こうして遠路はるばる何もない演習場に私たちは呼ばれておりますの。

それにしてもフラン様はどんな飛行機を作られたんでしょうか?

『これより演習を始めます。

 ベルネス陸軍は仮想敵戦車とした試作2号戦車に対して、塹壕と試作1号戦車、45mm対戦車砲にてこれを迎え撃ちます』

会場で演習についての説明をする兵士が今回の概略を説明してくれます。

試作2号を20㎜機関砲と45mm対戦車砲陣地で倒すのは無理じゃないでしょうか?

たしかに、我が国の国力を考えますと、試作1号のほうが量産して数は揃えやすいと思いますが…もしかするとそれでは役に立たないことを見せつけるための演習かもしれませんわね。

「ユーディ様、どのような結果になると思います?」

「ローザ様の考える通りかと。試作1号と対戦車砲陣地で2号は止められないでしょう」

「今回ニーナは7.92㎜用のペイント弾とかいうのを納品させられましたから、実際に砲撃をするつもりなんでしょうね~」

「試作1号に45mm対戦車砲なんて食らったら一発アウトでしょう…あたくし2号が勝つに1ギルダーかけましょう」

「シルビア様、それ賭けになりませんわよ」


そして、模擬戦はあっさりと終了しました。

戦場を駆け回る2号にたいして1号はトコトコ移動しながら射線を変更するも、即座に停止位置から移動する2号に狙いをつけられずに同軸機銃を撃ち込まれて撃破判定、

対戦車砲陣地からの砲撃を2号は一方的に食らうこととなりましたが、1両だけ背面に食らって撃破判定となりました。

問題は航空機のほうですわね。

「800馬力、最高速度400km/h、20㎜機関砲2門の重戦闘機ですわ!

 ネリスD.X1があれば他の航空機など不要ですわよ!!おーっほっほっほ!」

この上空からばらまかれた20㎜機関砲が大問題でしたわ。

2号に見立てた上面t8㎜の鉄の箱はネリスD.X1の急降下射撃によって見事に貫通。

ネリスD.X1は200kgの爆弾も詰める事から、当たれば戦車は撃破可能という性能を有していたのです。


『これにて演習を終了いたします。

 このように、豆戦車での戦車撃破、また45mm対戦車砲での撃破は非常に困難を極めます。

 ですが、航空機による支援によっては撃破可能です』

演習も終わり総評を聞いておりますが、結果的にはより大口径の対戦車砲の開発、航空機の強化、試作2号戦車の改良と量産が必要だという内容なんですけれど…

飛行機も試作2号もどちらも”高すぎる”とのこと。

そこを何とかしないと数がそろわない駄作になり下がりますわね…何とかする方法は有るでしょうか…

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