試作2号戦車が完成するも問題も山積み
1931年4月、ベルネス王国にある私たち戦車研究会はついに試作二号戦車を完成させました。
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試作二号戦車
45mm対戦車砲 1門
7.92mm主砲同軸機銃 1門
7.92mm自衛用機銃 1門
全長 5.5m×2.95m×2.5m
装甲
砲塔正面50mm+30mm 側背面30mm
車体正面50mm 側面45mm 背面20mm
全周溶接構造
乗員数 4名
エンジン馬力 250馬力(V型8気筒航空機用エンジン)
整地速度 35km/h
不整地速度17km/h
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全て垂直面で出来ており、砲塔正面の防盾として砲塔幅と同じだけの鋳造の曲面鉄板を取り付けてもらったことで、防御力はかなり高くなっていますわ。
試験的に事前に完成した砲塔に45mm対戦車砲で砲撃試験したところ、1発も抜けなかったのです。
ただ、これは相手側も同じだけの装甲を備えられればこちらは撃破出来ないことを意味します。
やはり45mm対戦車砲ではだめでしょうね。
結果的に本にある三号戦車と呼ばれる戦車に近くなりました。
ちょっと速度が足らないのですが、そこはミッションの改良やエンジン馬力の向上で何とかなると予測しておりますの。
で、この試作2号戦車は4人乗り。
戦車長、砲手、装填手、操縦手の4人なのですが、私達はいま体操着を着こんで、この試作2号戦車に乗っているのですが…
「揺れがひどいですわ」
「なにかいいまして?!」
「ゆ!れ!が!ひ!ど!い!で!す!わ!!!」
シルビア様の叫び声でようやく何を言ったか伝わりました。
この戦車、エンジン音がうるさくて会話がまともにできないのです。
私の横にいる砲手のニーナ様と装填手のローザ様の声は聞こえますが、操縦しているシルビア様の声がまるで聞こえないのです。
「これは、意思疎通にこまりますわね!」
学校の校庭を履帯で削りながら進む試作2号戦車は、なんというかこれで戦えるのか?という代物です。
まずエンジン音がうるさい、会話がまともにできません。
つぎに振動がすごい。
カーデンロイドでも感じてはいましたが、履帯の振動をリーフスプリングはまったく吸収しきれていません。
お尻が痛くてかなわないですわ。
それに、シルビア様以外が操縦するとクラッチが上手くつなげずエンストして進みません。
旋回半径も大きく、小回りが利かない状態です。
小さく回ろうとすると、エンストします。
「改良点が山のようですわね」
試乗を終えて私達4人はお茶の席を設けました。
今は陸軍の人達が乗り回しています。
「そうですわね、実戦であれを使えと言われたら嫌じゃ有りません事?」
「せめてどなたでも運転できるようでないと~」
「それに、あの大回りは困りますわね…市街地なんて走れないと思いますわ」
「市街地で走らせたら石畳を砕いて走ることになりそうですわね」
そういってローザ様がお茶をひとくちしてから口を開きます。
「ですが、今回の試作2号は溶接技術の向上に役立ちましたわ。
次は斜めの装甲でも溶接できると思いますの。コストは上がると思いますが」
「今回の試作2号だって、莫大な費用が掛かっておりますのよ?
一部は寄付や皆様も持ち寄りで何とかなっていますけれど、1両で別荘が立つレベルなんですから」
「量産コストはもっと抑えられると思いますわ。
兄が連合国よりライン生産なる技術をもってきていますから、仕様が決まれば量産効果というものが現れるはずですもの」
「ニーナは8.8cm砲の改良継続ですわねぇ試作2号戦車の正面は75mm砲でも貫通できるか不安ですもの」
「私も当初はそれが良いと思いましたけれど、試作2号に対して重すぎないかしら?」
「ユーディ様の懸念通り、きっと今より重く車幅ももうちょっと必要でしょうね~」
そんな会話をしていると一人のご令嬢が歩いてきました。
あれは間違いなくフラン様ですわね…
「貴方たちの作った戦車なかなか興味深いですわ…トランスミッションについてはいま陸軍の方からも指摘を受けましたから、こちらで何とかしてみましょう。
ですけど、あの振動どうにかなりませんの?」
「防振ゴムとして鉄輪にゴムを焼き付けてはいかがかしら?」
「シルビア様それはどういうものですの?」
「言葉の通り、普通の自動車用ゴムタイヤの様に鉄輪の外周にゴムを焼き付けることで、履帯の衝撃を吸収できませんかしら?」
「それはまた、高くなりそうですわね…」
「背に腹は代えられないと思いますわ」
さまざまな課題についての話し合いのお茶会は、お父様たち陸軍が帰ると言うまで続けられました。
そして、少量ですが量産化が決まったのです。10台だけですけどね。




