作戦会議3
ミストラル家の装備品―――。
由緒正しく続く王族の装備品、何だかとてつもないものが出てきそうだ。
例えば、伝説の剣とかそういうの。
遺産や国宝に匹敵するものならば、畏れ多い。
などと心配をしていると、運転手さんが台車に乗せて運んできたのはメカメカしい箱。
「あ、これって」
「そ、物としては移民局にある業務スーツを着替えるヤツと一緒」
テキパキと箱を広げていく運転手さんを尻目に私達は会話を続ける。
「持ち運びできるって事は、性能はどうなんだいお嬢様?」
「まぁ、フルではないにしても、私達移民局が使っているものよりも性能は上よ」
「移民局よりも上、か。ならこっちの公安のものと比べても高性能そうだね」
「だと良いのだけれど。あとは武器ね」
アレックスに長い金属製のケースを渡す。
「これは?」
「ミストラル家特製アンチマテリアルライフル」
「迎撃も可能な程なのかい?」
「じゃなかったら、渡さないわ。着弾とともに対消滅を起こす弾頭を発射出来る。その余剰衝撃波だけでも、大抵の物体は吹き飛ばせると思う」
「了解」
ケースを開き、組み立て始めるアレックス。
おいおい、組み立てた状態で持っていくのか? と思ったけれど、そうか、コイツは消える事が出来るんだ。
「あとはレミちゃんはこれ」
私にはリングを渡してくれる。
綺麗な装飾をほどこされ、とても武具には見えない。
「星降りし腕輪って言ってたかな? 異世界品だけれど、反射神経、身体能力、動体視力なんかが二倍になるわ」
「二倍!?」
「これさえ着ければ、対応が可能なんじゃないかしら?」
二倍……とんでもない事だ。
もしかしたらミサイルを追いかけて追い抜く事すら可能ですらある。
「あとは、全員には探知系の機材ね。スーツにもある程度可能だけれど、しっかりと行いましょう」
「出来れば、腕輪も欲しいのだけれど」
「私もそのライフルが欲しいです」
「ごめんなさいね、どれも一つきりなの。アレックスなら音速くらいは捉えられるでしょ?」
「捉えられても、さばいたり撃ち落とすとなると話は違うからなぁ」
「レミちゃんもアンタッチャブルでどうにか出来るでしょ?」
「まぁ最悪、タワー全体を覆って、あっち行けしちゃいますけど……一般人めっちゃ巻き込みますよ?」
「それは仕方ないかもね。ただ、アンタッチャブルの展開は最小限にして頂戴。一発とは限らないんだから」
そうか、一発とは限らないのか。
故に三人が三人とも迎撃手段を持っていなくてはならない。
「ガス欠の時は何卒宜しくお願いします」
「ちなみに、ライフルの連射性能とか聞きたいんだけど」
「リロードは手動だから、貴女の腕次第ってとこね」
「練習したいから、空薬莢とか空弾倉ある?」
「もちろん、朝までには習熟しておきなさい」
「仰せのままに。模擬弾で精度を見たいところだけど、無理かな?」
「そこは私の家を信用して、としか」
「なら安心。って事にしておこう」
マリさんから弾倉などの入った箱を受け取ると、ソファに腰をかけ、リロードから構えまでをアレックスは練習し始めた。
「私も腕輪の能力に慣れておかないと……」
「結構感覚変わるからね。このまま着けておいた方がいいかも」
「ですよね。いっそスーツも着ておこうかな」
「それはそうと、お二人さん、お着換えはしなくていいのかい?」
「「あ!」」」
そうだ、私達、まだ変装中だったんだ!




