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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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作戦会議

ショッピングモールからホテルに戻ってくる。

テロの話が頭から離れず、どことなく緊張しながらマリさんとのデートを過ごしてしまったのは勿体ない事をした。

反対に、マリさんはどこ吹く風といった体で、気にする素振りなど一切見せない。

マリさんの胆力に感嘆の意を覚えるとともに、これが日常的にある事なのだろうかと心配になった。

とはいえ、私が心配したところでどうにかなる人でもないけれど。


「レミちゃん、これ飲まない?」


と、こんな風に自然である。

そのマリさんの手元には、私が今日買ったお酒が持たれていた。


「あ、それは……」

「どこかの優しい方からの差し入れみたいよ。メッセージまで添えられて」

「あの、お好きなお酒の二番品なんですが、せめてもの御礼です」

「本当に嬉しい……レミちゃんが居ると、落ち着くの。今回の魔界行脚も、もしレミちゃんが居なかったら緊張し通しだったかな」


私はバカだ。

マリさんは優しい。

人の命が掛かっているとなって、平気で居られる人間ではない。

であれば、私に気を遣ったに決まっている。

平然を装っていたに決まっている。

そして、出来るだけの被害を抑えたいから、私にですら頼んだのだ。


「……私、明日頑張ります。何を頑張ったら良いのか分からないですけど、それでも全力を尽くします」

「……お願いね」


ミストラル家の顔をして、私に依頼をする。

その言動を受けて、私の気持ちはナイトになった気分であった。


「あとは、アレックスはどうでしょうか?」

「ええ、それも当然よね。アレックス!」

「はいはいお呼びで?」


隣の部屋からアレックスがシレッと出てくる。

何? お前ずっと居たの?


「明日の用件については知っているでしょう? あなたの情報、ありったけ出しなさい」

「仰せのままに。その前に、お嬢様方、グラスを用意いたしましょうか?」

「ええ、あなたの分も持って来なさい」


これだけ緊張する状況で、ひょうひょうとしているのは流石だ。

意外にも堂に入った手付きで、三つのグラスのお酒が注がれた。

三人で軽くグラスを掲げ、口を湿らせる。


「さて、今回は恐らく爆破だと予想されてるね……いますね」

「別に言葉遣いを気にしなくてもいいのよ」

「それは助かる。じゃあ続けようか。爆破といっても、単純に爆弾を張り付けてどうこうって話じゃない。ある程度の距離を離した状態で、ミサイルをぶっ放すと思われるね」

「ミサイル?」

「ああ、あっちの国から提供されたものみたいだね。ま、何にしても、結界の中からの発射を考えているんだろう」

「それを発射出来て、隠せるとなると手段も場所も限られますよね? 一体どうやって?」

「おやレミリアは分からないのかい? 戦争の戦術を思い出してごらん、直ぐに答えは出るはずだよ?」


またコイツは変な謎かけをしやがって。

だって、ちょっと魔力行使を添えてやれば、科学の自由度は格段に上がる。

ん?

そうか、手段も場所も、限られてなんかいなかったんだ!


「どうやってでも、ですか。そんなん、対策のしようがないじゃないですか」

「ご明察。結界の中といえど、ミサイルを転移させるとか、直前まで小さくしておくとか、やり口なんて色々あるしね。設置してくれている爆弾の方がなんぼか可愛いね」

「まったく、厄介な事をしてくれるわ。他の情報はどうかしら? 警備とか」


心底嫌そうな声を吐き出して、マリさんはアレックスに再度訊ねる。


「とりあえず、公安も軍も警察も動いているよ。結界内の捜査と監視、それにもろもろの規制なんかはバッチリなんじゃないかな?」

「タワーは? 入場規制とかするの?」

「いや、お偉方はそれで屈したと思われたくないみたいで、せいぜい特別警戒態勢ってとこだろうね」

「何処もお偉方というのは、同じような事をするものね。なら、そこら辺は任せるとして、私達はどう動こうかしら……そもそも、ミサイルを本当に打ってくるのかも分からないしね」

「そうそう、陽動って事も考えられるからねぇ……シンプルにタワーに行って、ぶっ壊してしまった方が遥かに楽だし」

「それが出来るのであれば、ね。仕方ない、ちっともスマートじゃないけれど、シンプルで確実にいきましょうか」


マリさんが問題に直面して、シンプルなのは嫌な予感がするがいつもの事だ。

だって、大概自分の力で何とかなってしまうんだから。


「確実っていうのは心強いねお嬢様。で、その手段ってのは?」

「迎撃するのが一番手っ取り早いでしょ?」


ほらもう超力技。

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