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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第六章 幼馴染とはかけがえのないものなり?
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解説、アレックス拳法

「うーん、凄い体術だったわねぇ……」


失礼なんてのを遥かに通り越したアレックスの暴挙に、何故かマリさんは満足げな表情だ。


「あの、すみません、マリさん、解説をお願いしてもいいですか?」


純粋に疑問だったのと、一人で満足するなんて、ちょっとズルい気もするし。


「レミちゃんが解説を欲しがるくらい、か……。うん、やっぱり凄い。けれども、種を明かせばレミちゃんも出来るかもしれないわよ?」

「私にも?」

「まず、最初に音も無く襲い掛かったけど、それにしては動きが派手だったわね。だから『騙される』の」

「騙される……」

「人を驚かそうと思ったら、遠くからワーって叫ぶより、近くから忍び寄ってワッ! ってやった方がビックリすると思わない?」


遠くから大声で驚かそうとする光景を思い浮かべると、間抜けというよりも哀れな感じすらする。


「確実にそうですよね」

「ただ虚を突かれたならギョッとして、体が硬直するわね。普通ならそのまま攻撃してしまえばいいのに、そうはしなかったの」

「あぁ、そういえば、攻撃の始動は分かりやすかったです」


遠くに物を投げるように大きく振りかぶっていたアレックス。

あれだけ隙だらけの攻撃は、今時分子どもでもやらないような気もする。


「それも陽動だったのよ、きっと。気配や存在感を出さずに接近できる人が、まさか攻撃時は隙だらけなんて有り得ないわ」

「……だから、初撃で迎撃しなかったんですね……」

「そういうこと。試しにやってみても良かったけども……。ただ、やっぱり陽動だったみたいねー。で、私から距離をあけたわね」


そう、ここまでは何となく分かる。

理由もなくマリさんが迎撃しないなんて有り得ないと思っているし。


「あ、ここから私分からないです」


学生時代にいた、凄く馬鹿な生徒のことを思い出しながら話に相槌を打っていく。


「派手に回転しながら距離をあけたわね?」

「派手でしたね?」

「そしたら、注目するわね?」

「しますね?」

「止まって態勢を立て直して、気配まで薄くしたなら、襲い掛かると思うわね?」

「思いますね?」

「そこが引っ掛けだったのよ」

「?」

「態勢を整え、気配を消したら彼、襲い掛かるどころか後ろに引いたのよ」

「あ……」

「もう分かったかしら? 彼のスピードなら、ある程度『こっち行くだろう』って思った方が見るの楽だものね。実際には、シャンデリアとかの遮蔽物をうまく使って、視界を遮りながら接近してたってわけ」

「あー……そっか、そうですよねぇ……」

「あら、ちょっと歯切れの悪い感じね?」

「すみません、戦闘法はすごく分かりやすかったです。多分、その後、接近したアレックスをぶん投げたんですよね? 私が気にかかっているのがですね……」


決して騙したわけではないんです、許してください。


「彼、じゃなくて、彼女、です」

「は?」


いや、驚かせてばっかの家ですみません、本当に。

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