表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第六章 幼馴染とはかけがえのないものなり?
62/127

狂人アレックス

「アレックス……久しぶりですね……」

「二年ぶりになるね。立てるかい?」


切れ長の細い目をさらに細くして、やたらニコニコした表情を浮かべるアレックス。

私の手を取り引き起こす際に、確かな筋肉の力強さを感じる。


「ありがとうございます。で、アレックス、挨拶を」

「おっと、これはこれは失礼をば……。レミリアのイトコのアレックス・エイプリルと申します」


スラっとした長身を、深々と屈め礼をしながら名を名乗る。


「こちらこそ。レミリアさんの同僚のマリ・ミストラル、と申します」

「ミストラル……?」

「……恐らく、思いついた名前のお家で合ってますよ。私の上司で尚且つミストラル家の方です」

「あの……ミストラル家の……」

「まぁ、そんな畏まらずに。レミちゃんにはいつもお世話になっています」

「―――レミちゃん?」

「ええ、そのように呼んでいただくほど、可愛がってもらっています」

「……ふぅん?」

「……なんですか?」

「特に何にも?」


ハーフの私が異端児だとするのなら、アレックスは問題児といったところだろう。

私と同世代の一族の中では、唯一、学者肌ではないのだ。

何故研究や探求に情熱を燃やさないのか? と周りからお叱りを受けるなんていうこともあった。


「ミストラル家の方がいらっしゃる、ということは御召し抱えですか? まぁ、それなら広い意味でレミリアの上司とも言えなくもないですし……」


まったく、どいつもこいつ……なんでそんな御召し抱えにしたがるんだか……。


「いえいえ、違いますよ。私も移民局という、皇国の公務員に過ぎません。ただ、レミちゃんは本当に御召し抱えにしたいほど、優秀で可愛いですけども」

「そうですか……」


腕を組みながら、何かを考えているようだ。

一帯何を考えているのやら? こういう時の仕草や雰囲気は、おじいちゃんにとても良く似ている。


「―――失礼ですが、えーとアレックスさん? あなた、かなり『やる』わね?」

「いえいえ、私はただのしがないブックマンの落ちこぼれですよ」

「あー、アレックス、マリさんにそういう誤魔化しは通用しませんよ?」

「あ、そうなんですね、失礼しました。はい、かなりやります! と、いうことは……ミストラル様も?」


思案に明け暮れる顔から一転、パァっと明るい表情を浮かべて聞き返してきた。


「私が2秒もちません」

「レミリアがかい? ほほう、それはそれは……では」


音も無く、いきなりマリさんに飛び掛かるアレックス。

殺気や気配すら感じることはない。

そして、これだけ派手な事をしているのにも関わらず、存在感が薄くなっていってるような気すらしてくる。

さらには尋常ならざるスピードで、眼で追うのがやっとだった。

しかし、当然、マリさんなら即座に返り討ち―――してない!? 嘘でしょ?

けれどアレックスもアレックスで、飛び掛かって距離を詰めたものの、何も攻撃を加えた様子は無かった。

いったい何が起こっているの?

一瞬で距離を取ると、スゥっとアレックスの気配がさらに薄くなる。

まるで消えていくような―――。


「―――ドンッ!」


ダンスホールに響いたのは、鈍く重たい音。

音の方を見れば、マリさんの足元にアレックスがうつ伏せに倒れていた。

―――え? アレックスがなんでそこに居るの? だって、さっきまであそこに居たじゃない?


「やっぱりあなた、かなり『やる』わね!」


アレックスに親指をグッと突き立てるマリさん。

いや、あの、多分聞こえていないと思いますけども……?

二人がやったことも、アレックスの動機も動き方も、そして、マリさんがなんでそんなに嬉しそうなのかも、私には分からないことだらけなんですけども?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ