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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第六章 幼馴染とはかけがえのないものなり?
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お宅案内!

スマホから投稿。

「お、お召抱えとは……?」


マリさんが私の気持ちを代弁してくれた。


「そうではないのですか? てっきり素性の調査の為にいらっしゃったのかと思いました」

「恥ずかしながら、私もです」


どうやら夫婦揃って勘違いをしていたようだ。


「いえ、私もレミリアさんも移民局でバリバリ働いておりまして……それに私は家業の方はあまり関わっていないのです」

「そうだったのですね。初代にも勝る気品と風格でしたので、いよいよ家督を継ぐのかと思いました」


少し嫌な顔を浮かべながら、マリさんは答える。


「あー……まぁ、いずれは……その時はレミリアさんが居たらいいかもしれませんね」

「では、その時はぜひ!」


対象的におじいちゃんは力強く勧めてくる。

空気を読めない訳ではない。

いずれ来たる時に備えさせようとしているのか、はたまた直ぐにでも当主を継げと言っているのか、それとも単純に盛り上げようとしているのか。

私が考えつく意図はこの程度だが、どれも遠くはないだろう。


「―――じゃあ、ちょっとマリさんにうちを案内してまいりますね。他の親族にも挨拶でもしていきたいですし」


ちょっと嫌な感じだったのでマリさんを連れ出すことにした。

改築に次ぐ改築を好き勝手行っているだろうから、案内も満足に出来ないが、それでも気分くらいは紛れるだろう。


「部屋の支度もついでに行って……いえ、いいわ、せっかくのドレスが汚れてしまっても困りますからね。貴女もあまりやんちゃはしないように」


確かにその通りだ。

ミストラル家のものを汚損する訳にはいかない。


「そうですね、気を付けます。また出る時に顔を見せますね、では」


と言って、部屋を出た。

マリさんと運転手さんを引き連れながら、とりあえず私の部屋までを案内して回っていく。

良かった、通路の魔改造まではされていないようだ。

景観を全く気にしない実験用の温室。

毒物や劇物溢れる調理施設。

適当な魔法陣を掛け合わせたものが床に壁にと書かれた部屋。

多種多様な生き物を放し飼いで保管する蠱毒と化した飼育小屋。

膨大な電力を消費する粒子加速室。

音を思いっきり反響させ続ける、無響室ならぬ(ほぼ)無限響室など。

―――まぁ、案内しない方が良いような施設ばかりなのは途中で気付いたんだけれども……。

それでもマリさんは、「あら珍しい薬草も育てているのね」とか、「これを無毒化できるなら、食料問題が片付くわね」とか一々コメントを残してくれる。


「すみません、なんか変なのばかりですよねー」


ここに住んでいる時はあまり変だとは思わなかった。おそろしいことに。

皇国の大学に入って、本当に良かったと実感した。


「いえ、変に調度品や美術品を見せられるよりも良かったわ?」

「そう仰って頂けると、とても助かります。いえ、救われると言っても良いですね」

「なら、言ってよかったわね」

「で、次は普通の施設です。」


ようやくマトモな施設、ダンスホールに足を踏み入れる。


「ここはおばあちゃん肝いりの施設のようです。日夜ステップに励んだ者も居ると聞きます」

「そういえば、レミちゃんは踊れるの?」

「踊れる、という程度です。何が美しいとかポイントが高いとかは、知識の上で知っているだけで表現力だのは正直分かりません」

「よろしければ、一曲いかがですか? レディ?」

「えっ!?」


男性が申し込む際のお辞儀をして、手を差し出すマリさん。

あの、その、えっ……!?

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