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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第四章 まったり恋バナ公務員。
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スライムが最弱だと言うの?

エルとの面会を終え、事務所に戻る。

既にヤスモトさんは、ボス格の少年、コードとの面会を終えたようで机に向かっているようだった。


「お疲れ様です」

「お疲れ様ー、ヤスモトさん、そっちはどうだった?」

「特に問題も無く、というより同郷でしたのでとてもスムーズでした」

「あ、やっぱり?」

「当たってましたね」


先輩と顔を合わせ、軽くハイタッチ。

うへへへ、先輩の手に触れてしまった。


「そういえば、ヤスモトさんは異世界から転生した時、イメージとかありました?」


先ほどのエルの話では、異世界に行くと活躍できるという話を聞いた。

私もそういうイメージを持っている転生・転移者に会ったことがあるけど、そこまで深くは聞いていなかった。めんどくさいし。


「あー、転生した時のイメージですかー」

「そうそう、私も興味があるわね」

「どこから説明したらいいものか……。まず、私の世界では、異世界への転生や転移は一般的ではありません。それに、魔法とかも存在しませんでした」

「じゃあ、科学が発展している世界?」

「そうですねー、科学が主体ですね。といっても、この世界レベルに発展もしていないですが……あ、端末はけっこう近いですね。まぁ、とにかく、異世界というのは、フィクションの中だけのものでした」

「ふむふむ……。魔法に慣れ過ぎて、無い世界って言うのが実感が湧かないのよね」

「私も今となっては、無い生活が考えられないですけど。で、こっちに来て一番最初にショックだったのは……」

「ショックだったのは?」

「スライムがめっちゃ強かったこと、です」

「それが何がショックなんです?」


国が注意喚起をするほどの危険生物で、その見た目から知識の無い子供が下手に悪戯をして、仕返しをうけて命を落とすことも少なくない。

ただ、知性も持っているので、下手にこちらから敵対行動を取らない限り、攻撃されることはない。

たまーに、調子に乗った個体が攻めて来ることがあり、軍が出動したりする。


「私の世界では、スライムって、子どもでもやっつけられるくらい弱いイメージだったんです」

「あのスライムを子どもが屠る……。とても教育水準の高い世界ね」

「物理攻撃は通じない処か、分裂して増える。魔法も表皮に流して剥がすくらいはやってのけるし。それに……」

「……重火器も使うものねぇ、あいつら」


その柔らかい体を活かして、人用でもサイボーグ用でも果ては、車両に取り付けるようなものまで装備しやがる。


「何であいつらあんなに強いんですか?」

「科学が発展したことにより、様々な薬品がある個体に混じったことが、あそこまでの知能を獲得したっていう説を見たことがあります。そして、過去はあそこまで強い種族ではなかった、と文献が残ってますね」

「今や、魔物の中でもトップクラスに強いのよねぇ……。いや、元々物理無効でめんどくさかったけど」

「他には何かありますか?」

「あとは、意外と社会体系が発展していることも驚きましたね」

「あら、それも意外なの? 人が人を治めるには法やルールが出来るのは当たり前のことじゃない?」

「これも、お話の中の事ですが、税や選挙のシステムも発展していないという世界が普通の設定でして……」

「なるほどね。そういう世界もあっておかしくないものね」

「そうなんです。私も異世界に転生して、勇者だったり革命家だったりと活躍していくのかな、と思っていました」

「確かにヤスモトさんなら、世界によっては勇者、もしくは魔王として君臨できたでしょうね」


私も異世界に行けば楽して頂点になって、楽出来たのかしら?


「そういうのを異世界チート……私たちの世界では、そういうお話のことをそう言ってましたが、それが出来るものだと思っていました」

「私たちの世界だって、最初からこういう世界ではなかったけどね。それこそ、転生・転移者がいてこその今の世界が出来ているわけで。生まれる時代が違えば、もしかしたら、その……異世界チートとやらが出来たのかもしれないわね」

「あ、そういえば、まだ驚いたことがありました」

「お、結構出てきますね。大変興味深いです」


すると、ヤスモトさんは天を仰ぎ、上を指さす。


「――――――宇宙に進出するまで、発展していることです」

「ああ……宇宙か……」

「宇宙です……」

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