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 それからほどなくして行われた新作発表展、王太子殿下とフィライラ=ディルネさま、プリメラさまは仲良くご参加になりました。


 といっても私は行きませんでしたけどね!

 事情を話してセバスチャンさんに行ってもらいました。

 今日はその報告を受けております。


 なんでも大変盛況で、今回は茶器やアクセサリーで良いデザイナーがいたようです。

 プリメラさまのお名前で支援することもできるので、セバスチャンさんにはピックアップしてもらっているので今度じっくり確認ですね!


 プリメラさまも大変楽しまれたようですし、フィライラ=ディルネさまとお揃いの新作ストールをご購入なさったそうです。

 やだ可愛い。

 今度のお茶会ではマストですね!

 国内の令嬢たちに、フィライラ=ディルネさまとのご関係が良好であることを示す良いアイテムとなるでしょう。


 ちなみに私へのお土産は可愛らしいティースプーンのセットでした。

 やだプリメラさま、センスいい。


「それと、マリンナル王国との縁ができたおかげで遠方の茶葉も手に入るようになったようですな」


「まあ素敵!」


「いくつか試飲してまいりましたが、無難なものだけを今回は饗したようでして。他にもあるようでしたのでそちらは適宜交渉……と言ったところでしょうな」


「ではそちらはお任せしても?」


「かしこまりました」


 茶葉に関してはやはりセバスチャンさんが一番詳しいですからね。

 よその国のものとなると私もちょっと自信がないと言いますか……これを機に見識を広めてもいいのかもしれません。


「それと、お気になさっていた件ですが」


「ああ、はい」


「発表展には次代は来ておられませんでしたな」


 次代……リード・マルクくんのことですね?

 ほほう、次期商会長としてすでにほぼ決まっているというからてっきり来ているもんだと……。

 まあ、商会長が現場にいてリード・マルクくんは裏方に回っていた、もしくは店舗の方を見ている可能性もありますが。

 そのあたりはほら、やっぱりお店の運営方針ですからね、なんとも外部からではわからないものですよ。


「ただそれとなくこちらでも調べてみましたがな、どうやらウィナー嬢は最近ぼうっとしている時間が長く、学業も治癒師業も身が入っておられぬ様子。勿論、花嫁修業などまるで進んでいないのだとか」


「あら……」


 アルダールがもう絶対に手に入らない、自分の将来がある程度固められている……そういう現実を受け入れられないってところでしょうか?


(ううん……それ大人しいとはまた違うと思うよクリストファ!?)


「健康は特に問題ないそうで、受け答えもしっかりしているという話ですから本人のやる気の問題でしょうな。気の病というほどのことではなさそうです」


「そうですか」


「……気になりますかな?」


「いいえ。私にできることもありませんし、あちらも望んではいないでしょう」


「そうでしょうなあ」


 私の答えにセバスチャンさんも満足そうです。

 いやあ、今更そんな……情に流されてどうこうするほど私も甘い人間じゃないっていうか、博愛の精神に満ち溢れるタイプではないので……。


 こういう時こそ婚約者のリード・マルクくんが頑張りゃいいんですよ!

 絆を深める絶好のチャンスですよ! 知らないけど。


 いつかは時間が気持ちを癒やしてくれて、元気になればいいなとは思います。

 失恋って辛いですもんね。私も前世でそうでしたからわかりますとも。


 彼女はあんなにも可愛くてチートな存在なのですから、もうゲームに囚われず自分の幸せを掴めるよう、人生の先輩として祈るばかりです。

 あとはリード・マルクくんがどれだけ婚約者を大事にできるのかですね。


 そこらへんはもう私に関係のない話。

 嵐の前の静けさじゃなかった以上、私は何も聞かなかった。以上!


 私の反応を見てセバスチャンさんはますます笑みを深めているではありませんか。


「……なにか」


「いいえ? なにも?」


 ああああ、もう。

 そんな『成長しましたね』みたいな目で見ないでくれます!?

セバスチャン「私が育てました」(だいたいあってる)

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