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警戒と、油断。


 私はリル達と、「本当に今日までよくこんなにのんびり何事もなく過ごして行けたね~」とかそんな話をしていた。

 だって普通はみんながみんな味方ってことはないじゃない?それに私がここで誰にも許可を取らずに、好き勝手していいのかっていうのもあるし。

 今更ここは私の土地なので出て行ってくださいとか言われたらどうしようって思っててさ。でもそう呟くと狼ズは、「そんなことを言う輩がいたら叩きのめしてしまいましょう!」とか意気込んでいた。ロディニアまでそんな感じだからすごく心配になる。精霊まで動き出したらほとんど誰も太刀打ちできないと思う。

 とりあえずそこは止めて、再び私は考える。起きてからそろそろ1か月くらいは経ったのかな。

 面倒だから正確に日数は数えてないけれど。多分最初が春くらいだから、今は初夏? アルテアからは誰かが見てるって聞いたけど全然誰も来ないし、何も起きてないなら警戒しなくてもいいのかな?

 なら、少しまだ注意しながらも様子見をしよう。それでしばらくしても何も起きなかったら、今の厳重警戒態勢はやめよう。

 

「よし決めた! 様子見をしながら少しずつ警戒を解いていこう。今の状態が続くとみんなも疲れるだろうからね」

「お気遣いありがとうございます」


 代表としてこの中で一番偉いロディニアが言って、周りも頭を下げる。


「今後はこの方針でいくからよろしくね」

「「はい!」」


 とりあえずここは解散。


***


 警戒を緩め始めて5日。特に何もなかった。

 だから皆が気を抜いて油断していたのだろう。それとも相手が魔力を隠すのがうまかったのか。自分も大分こういうことには慣れてきたつもりだったが、誰かが近づいてくるのに、見える範囲まで気が付かなかった。時には、一瞬の油断が取り返しのつかないことを招く。

 

***


 私はその日、私室にいた。

 ゆっくりしていると珍しくサリアが、肩で息をしながら言葉の通り飛び込んできた。


「すずさん大変です!緊急事態です! 今、北の森の方で大変なんです! 今すぐ来てください! 詳細は行く途中で説明します!」


 とても焦っているようだ。

 とにかくサリアに言われるがままに急いでついていく。


「サリア、何があったの?」

「あの、レンさん達の班が見回りをしていたときに人影を見つけたそうです。ただの人影ならよかったのですが、その姿を見るまで存在に気づかなかったので警戒していると、こちらの姿を見るや否や、いきなり攻撃してきたとのことです。予想外に強かったそうなので、今はロディニア様が応援に駆け付けていると思います。私がその時近くにいたので言づてを預かりました」

「そうなんだ…」


 ロディニアが出るとは中々強い敵なんだね。でも私はアルテアやロディニア達に鍛えてもらって強くなったんだからきっと大丈夫! 自分の身は自分で守れるようになったから。


 少し怖く感じる音が聞こえてきた。


「見えてきました! あそこです!」


 サリアが指さした先では魔法を使った壮絶な戦いが繰り広げられていた。

 私は、もう普通に走るだけでは遅いと感じ、風魔法を使ってすぐさま飛び出す。


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