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「ふー!宿題のノルマ達成」
「お疲れ」
できるだけ小さな声で言って、オイラは癒菜の宿題をチラリと覗いた。
問2問3、それから問6から問10まで全部間違えているけど、説明が面倒だからあえて言わない事にした
「絵完成させなきゃならないから、私かえるね」
間違えだらけの宿題を鞄に積めて、癒菜は駆け足で図書館を出ていってしまった
「世話しないな……」
「癒菜ちゃんって美術同好会にも入ってたんだ」
桜が本を閉じて、オイラに聞く。目線はオイラの方では無く、ついさっきまで癒菜が使っていた椅子の方に向いていた。
「幽霊部員らしいけどな。絵の大会があって、大きなキャンバスに1枚、絵を完成させないといけないらしいよ」
詳しくは知らんけど
「そっかぁ、じゃあ玄関の所に貼られてる、綺麗な水彩画って癒菜ちゃんのだったのかな?」
玄関……あの自販機の近くの掲示板に貼られているやつか。
あれ美術同好会のだったんだ。知らなかった
「どうだろう?オイラも癒菜の絵まともに見たことないから」
そう言って、苦笑い。
学校で殆んど癒菜と話して無かったから、近頃の癒菜の事、オイラは何も知らない。
『癒菜はいつも畳の匂いがするよ』
昔はもっと、別の香りがした気がする
「……ねぇ、寿くん
癒菜ちゃんと仲良いの?」
「え?いや、幼馴染みなんだよ。ただの腐れ縁」
「癒菜ちゃんの事、好き?」
「へ?!いやっ」
「ねぇ、寿くん。もし……私が寿くんの事、ずっと好きだったって言ったら、驚く?」
「え?」
桜の綺麗な髪から、微かに優しい、本の香りがした




