表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁池  作者: 魚野れん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/6

プロローグ

深の国にはとある伝承が残っている。

それは、こういったものだ。




かの城の禁池には神が宿っている。むかし、姫がその神に恋をした。神はその想いを受け取った。

しかし姫は一国の姫であって、神だけの姫ではなかった。そのために姫は、神と結ばれる事は叶わない。

姫と神は悩んだ。そして姫は人間のままでいる事を望み、神は姫と結ばれる事を望んだ。

意見の相違によって小さな溝が生まれたが、姫は気にしなかった。

逆に神は姫の心が離れてしまうのでは、と不安になっていた。そこで神は思い切った行動に出る事にした。

神は、姫を遠くへと連れ去り隠してしまった。そうすれば、姫が他に目を移す事もなく自分の所にいてくれると思ったのだ。

しかし神の思案通りにはいかず、姫は毎日泣いて過ごした。

「何故、妾にこのような処遇を課すのですか」

神は言われた意味が分からなかった。ただ、神は姫とともにいたかっただけなのだ。

仕方なく、神は姫を城に戻す事にした。姫は喜んだ。

あくる日の朝、姫が神のもとへと赴いた。

「妾……他国の皇子と、祝儀を迎える事になりました」

姫の表情は暗く、悩んでいるようだった。神は

「わたしで良ければ……愛しいそなたの力となりましょう」

と言った。姫は後ろめたそうに言った。

「妾を、再びどこか遠くへ連れ去っていただけませぬか?

以前、あなた様の好意を断った身でありながら、烏滸(おこ)がましいとは思います。

しかし妾はあなた様以外の方と結ばれるのはやはり厭なのです」

この姫の言葉に神は喜んだ。

そして神は姫を再び遠くへと連れ去った――




――本当の所、姫は自害してしまったのだ。神は悲しみ、人間への転生を望んだ。人間であれば、このような事にならずに済んだのではないかと思ったのだ。

しかし当の姫は、この様子を見ていたある神によって神化されていた。神は人間へ、人間であった姫は神へ――


皇族は何世代か替わり、姫と神は何度か相見える。

これは、語られる事のなかった本当の物語。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ