第三十二話~彼女とキメラとイタズラと~
さて、今日は待ちに待ったイタズラ実行の日。
名付けて!『性別逆転!!!真実の愛は本当にあるのか!?』だ!!!
ふふふ。さあ、変身しようか!!!へ~んし~ん!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
「ふむ、しっかりと変わったようだな。」
この姿の時は女の時よりも背が高いようだな。視界が高くなっている。
あとは、少しバランスが取りにくいようだが慣れれば問題ないな。
レディースアンドジェントルマン!!!準備はいいか?さあ、レッツショータイム!!!
あ、その前に学園長に報告に行かないとな。一気にやる気が削がれたが、行かないとダメだからな。
「転移。」シュンッ
「ぬわ!!!なんじゃ、カルテ先生……か…?……………………誰じゃ?お主?」
「……そんなに女の時とは違っているか?まあ、いい。この姿の時ははカルタだ。で、女の姿の時はカルテだ。一応、挨拶しに来た。」
学園長…?…………………………ダメだな、これ。反応がない。
ただ の しかばね の ようだ
…………もう、許可取れたということでイタズラ実行しに行っていいか?
{いや、ダメでしょう。ほら、『驚き桃の木山椒の木』使えばいいでしょう?}
ん~、そーだけどな?~。あ、耳元で魔物の声が聞こえたら、飛び起きるかもしれないよな!?
{まあ、飛び起きそうですけど…。}
よし!けってーい!!!いくぞ!!!『驚き桃の木山椒の木』
GITIGITIGITIGITIGITIGITIGITI!!!!!!
「ぬ!?魔物か!?」ピョーンッ
くくく、ぴょ、ピョーンッってほ、ホントに飛び上がった!!クククククククククククククククク。
もっかい見たい…クククククククク。あ、やばい。変なツボに入った!!!
クククハハハハハハハハハハハ!!!アッハハハハハハハハハハハハハハ、クククククククク。
「ぬ、カル………タ?先生?そんなにプルプル震えるくらいならいっそのこと、大笑いしてくれた方がいいんじゃが…………………。」
「……くっ、あ、ぷふ、そ…う、か…?くくっ、じゃ、じゃあ、ふふ、えん、りょ、なく…、…ぷっ、クククハハハハハ!!!アーッハハハハハハハハハハハハハハハ!!!ひーひー、ふ、クククククククフフフフフフ!!!はあ、はあ。」
やっべ、止まらん。い、息が…出来ない…!?
「クヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!アッハハハハハハハハハ!!!!!!…………ふう。やっとおさまったか。」
「…そこまで笑われるといっそ清々しく思ってくるわい…。」
「おほめに預かり光栄だな…?」
「ほめとらんわ。」
え、褒めてなかったのか?まあ、いい。さっさと要件を言うか。
「今日から一週間ほどこの姿でいるからな。理由は聞かなくていい。くっだらないからな。ああ、カルテは帝の仕事でいないと言っておいてくれ。そうそう、ばれないかの心配なら安心してくれ。影分身を創っておいたからな。大丈夫だ。」
「………用意周到じゃのう…。いいじゃろう。分かった。……あいつらを呼んで大丈夫だと思うか?」
さあね。俺は知らない。
「どちらでも…。」
「うむむ……片方だけ…いや、両方は…うぬ、…。」
あ、そうだ、カルタをカルテの情報屋にすればいい!!!
そうすれば、俺がみんなを知っていても情報屋だからで済ませられる!!!
「学園長、俺はカルテの情報屋ということにしてくれ。ボロが出ないようにするためにもな。」
「ぬ、分かった。それで、キクノハ先生を呼ぶが準備はいいかの?」
あ、マリル先生じゃないのか。まあ、あのテンションしか知らないだろうし、いい判断と言えるのではないか?
と、偉そうに言ってみる(笑)wwww
「ああ、準備は万端だ。呼んでくれ。」
頭の中のテンションは結構高いのに、それが顔に出ないというな。
この顔便利だな~、ポーカーフェイスが楽でいい。
と、言ってはいるがじつは鉄仮面すぎて表情を動かせんのだ。
つ、ま、り、マジのガチでワロエナイィィ!!!って、わけだ。
あ?分からん?分かる人に聞きましょう。え?俺?無理無理(ヾノ・∀・`)ムリムリ
だって、俺も分からんし。
コンコン
お、来たか………。
「しつれーすっぞ~。なんの用だ?」ガチャ
「うむ、カルテ先生が帝の仕事でいないのでな。新任の先生の紹介をしようと思ってな。」
きた、きた、来たああああ!!!俺は、俺は…。
「おう、おれはキクノハ・「いや、言わなくていい。知っている。」は?」
さえぎることをしてみたかったんだ!!!
おおう、俺を睨んでたって意味ないぞ?ん?
チラッ
学園長、どうにかしてくれ。
「はあ、この先生はカルテ先生専属の情報屋だ。ほとんどのことは知っているそうだ。」
「情報屋のカルタだ。ああ、顔見せやら名前バレの心配ならいらない。変えられるし、変えているからな。安心しろ。」
「そりゃまあ、用意周到なことで。類は友を呼ぶというか何というか……。」
「カルテからいきなり『先生よろしく~!』と、丸投げされて来た。カルテは今頃反対側にでもいるんだろう。念話も転移も禁止して。全く、はた迷惑だ。」
「ああ、だから連絡がつかないのな。」
あっぶなっ!!!念のために念話も禁止にしてよかったぜ。
早速念話をかけるとは…こやつ、……やりおる。
「んじゃ、いくぞ~。二枚目先生。」
「に、二枚目?俺のことか…?」
二枚目って俺、カルタって言ったよな!?あっさり無視するか!?普通!?
「はあ。めんどくせぇ。」
「どうした?」
「いや~、先生は随分と二枚目のイケメンだな~と。」
いや、キクノハ先生もキチッとしたらイケメンだぞ?
「はは、キクノハ先生もこうして、こうやって、こうすると、ほら!男前になったぞ。」
「ん~、面倒なんだよなぁ。」
そんなことかよ。ん~、じゃあこうしよう。
「では、俺がいる間は俺が、いなくなればカルテがやるさ。」
「おお、助かるぜ。………。なんか、似てると思ったが…。そうか、カル先に似てるのか。親戚関係か?」
案外鋭いのな。鈍いのかと思ったぜ?
……ハッ!!!能ある鷹は爪を隠すとはこういう人のことを言うのか!?
「いや、違うぞ。血のつながりはない。ふむ…。結構長くいたのでな。少しばかり雰囲気が似てるのではないか?」
「なるほどな。あ?てことはカル先………ルタ先?………。」
「ふ、カルタでいい。先生はつけるな。どうせ臨時だ。」
「そうか。じゃあ、カルタもカル先と同じエルフなのか?結構長くと言っていたが…。」
あ~、どーするか。素直に種族名言った方がいいよな?
「違う。俺は『再生人』だ。エルフではない。」
実は、キメラに入っているそのままの性別が出るから、『森の守護神』なども元から女の子だったんだよな~。
「ヨミガエリ?なんだそりゃ。」
「再生人は一度死んで、そして特殊な召喚術によって完璧に生き返った者の種族だ。完璧に生き返った後は寿命も老いすらなく、絶対に死なない。そんな種族さ。世界に愛され、神に嫌われた種族だよ。永遠に世界の上で生き続けるんだ。」
さみしかったみたいだな。この欠片の魂も…。
「そんな種族があったんだな。知らなかった。」
「まあ、知らずとも無理はない。この世界には俺以外いないだろうしな。」
まあ、俺もキメラになったから実質いないに等しいんだがな…。
「詳しい説明は後にして、着いたんだろう?」
「ああ。ここが担当のクラスだ。」
さあ、楽しいショーはまだまだこれからだぜ?




