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セキバの国

 馬車はいよいよセキバの国に到着しました。

「んー。ついたついた」

「疲れたね~」

「つーか重いし」

 何故か地熊のアイテムを全部背負う羽目になった芽久琉が不満そうに頬を膨らませています。

 こういう時は男が荷物を持つというのがジェントルマン的行動なのですが、桐羽にしてみれば荷物で手がふさがっていた方がセクハラされる可能性が減るという、大変合理的な理由から荷物持ちを拒否しているのでした。

 まあ元々鍛冶師である桐羽は体力しょぼしょぼなインドア派なので、これはこれでちょうどいいのかもしれません。

 この中で一番体力があるのは芽久琉なので、必然的にそういう役割になってしまうのも仕方がないのかもしれません。

 正宗も幼女にしてはそこそこの体力を誇っていますが、それでもそれはあくまで『人並み以上』というレベルです。

 芽久琉の『人並み外れた』体力にはとてもとても敵いません。

 二人とも戦闘能力はほぼ互角ですが、基礎体力においては非常に大きな隔たりがあるのです。

「さっさと売ってしまって身軽になろうぜ」

「それが正解だね~」

 という訳で早速ギルド会館に売却します。

 専門のお店に売った方が高く売れるのですが、歩き回って複数のお店に行くよりは多少安くても一括引取りしてくれるギルドの方がお手軽だという判断からです。

 サイハテの街でも芽久琉達は同じようにしています。

 そうすることでギルドの評価も上がるので、多少安くてもメリットがないわけでもありません。

 

 ギルドで素材アイテムの売却を完了した三人は、さっそくセキバの街を見て回りました。

「やっぱり日本っぽいな」

「ちょっと古いけどね~」

「でも趣があるのはいいことだと思う」

 桐羽としても懐かしい気分になるので悪くないと思っています。

「本拠地はサイハテに決定してしまったけど、別荘ぐらいなら購入してもいいかもな」

「行き来するのが大変だけどね~」

「同感」

「魔法は?」

 桐羽がそう提案します。

「魔法?」

「そう。この世界には魔法がある。正宗の忍術と似たような感じかもしれないし、案外挑戦してみればうまくいくかもしれないよ。転移魔法とか」

「ん~。魔法、魔法ね~。わたしとしては『転移忍法』って扱いにしたいかも~」

 正宗が悩みます。

 確かに同じようなものかもしれませんが、正宗には正宗なりの、忍者としてのこだわりがあるようです。

「今度図書館で調べてみる~」

「よし。じゃあある程度お金がたまって正宗が転移魔法……じゃなくて転移忍法を習得したらセキバに別荘を購入しよう。そして休暇にはのんびりまったり過ごそうか」

「賛成~」

「異議なし」

 幼女ツインズも乗り気でした。

 彼女たちは桐羽といっしょにいちゃいちゃらぶ出来ればそれで満足なのです。


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