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蝶はなんの暗示なのか?

 本編では、マリアの登場シーンとEpilogueで、たくさんの蝶が舞います。作中作の映画でも、昏睡状態のヒロインが愛する人のキスで目覚めるとき『千々に舞う蝶』の描写があるようです(Section 50)。マリアが大事に持ち続けていたシュルツのカフスボタンにも、蝶のデザインがあしらわれています。


 なにを暗示しているのか。


 伝わらなくっていいから、こっそりと暗示したかったものがあるんです。

 それは。“プシュケ”の存在そのものです。


 作中で、ヒロインIV-11-01-MARIAに重なるギリシャ神話の『人間の娘・プシュケPsyche』。

 このプシュケという単語は、古代ギリシャ語では『心』『魂』という意味のようです。

 そして同時に、プシュケは『蝶』という意味にもなるそうで。

 冥府の試練に敗れて仮死に陥ったプシュケがアモルのキスでよみがえったあと、人間の娘だったプシュケは、魂の女神として転生します。彼女の背中に蝶の羽根を生やして描かれることも多いようです(前項のサイゼリアにかかってるプシュケの絵も、蝶の羽根つき)。


 ということで、『蝶』という存在がそのまま『プシュケ』→『MARIA』を、そして『魂』→『ロボットの魂』を暗示している。のでした。


 このギミック?を思いついたのは、去年の秋か夏にNHKの科学番組で蝶がサナギから羽化するときのことを言ってて、ギリシャ語で『蝶』は『魂』と同じ単語だったんですよというのをさらりと言ってた時のことでした。「へぇ。かっこよくね?」と思っていろいろ調べたら、こういう設定に生かせた。


 神話や古代ローマ小説『黄金の驢馬』の解釈、そしてプシュケという語の哲学的意味の解釈……じぶんなりにやったつもりですが、甘いところも残っているかもしれません。ご専門の方のご鑑賞に耐えうるものか少々不安ですが。


 以上、蝶のメタファーついてでした。


挿絵(By みてみん)

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