気ままにキャラ語り その5 『トマス・アドラー』
おじいちゃん!
雪色のひげと髪。顔面に走る刃物の傷。杖突く足取り。老賢者みたいなおじいちゃん。
ロベルト・シュルツが愛して止まない恩師・トマス・アドラー博士です。
シュルツの、トマス先生に対するべたべたな態度と、マリアに対する冷たすぎる態度の温度差。その温度差を書くのが面白かったですね。
シュルツとトマス先生との間に、過去にどういうやり取りがあったか。思い出エピソードとかもうちょっと挿んでも良かったかもな、とも思いつつ。そう言う思い出話を入れる場所がなかったのと、あんまり愛情深く語りすぎるとシュルツが危ない兄ちゃんになってしまいそうだったので、割愛しました。
トマス先生の計画を正しくとらえるのには、おちゃ自身も相当苦労しました。
読み手さまにも、かなりご迷惑をかけたのではないかと。。。
最後のチャプター(真白き咎人)は、書くのが結構大変でした。トマス先生の気持ちをなかなか追えなくって。このシーンでは先生は笑っているべきなのか、怒っているべきなのか、とか。台詞とか。いろいろ悩みました。
紛らわしかったと思うんで、トマス・アドラーとトマス先生の歴史を、簡単に書きます。ネタバレです! 本編未読の方は、出来るだけ……読まないでください……!
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【人間トマス・アドラー】
1922年(0歳)誕生
1974年(52歳)影武者として、自分の複製ヒューマノイドを秘密裏に製作。
1975年(53歳)ヒューマノイドを世界で初めて公開。
1975年(53歳)反ロボット主義者に襲撃され、命を落とす。
【ロボット トマス・アドラー】
1974年 人間トマス・アドラーによって開発される。
1975年 人間トマス・アドラー死亡。
その死を隠すために、身代わりとしてふるまう。
1984年 C/Fe事件。14歳のロベルト・シュルツと初めて接触。
1985年 ロベルト・シュルツと共同生活を始める(以後10年間)
1995年 当局に召喚され、以後監視下に置かれる。
局長の命令を受け、IV-11-01-MARIAを製作開始。
1998年 IV-11-01-MARIA完成。ロベルト・シュルツのもとへ送る。
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この世界では大変便利なことに、加齢化処置っていう、ヒューマノイドの外見を老けさせるための処置が存在します(Section 13)。ロボット・トマス先生は、自分の体にこっそりと加齢化処置を加え続けてきました。
本物のトマス・アドラーを失った直後のトマス先生は、きっととても辛かったと思います。
シュルツにとってトマス先生が救いであったように、トマス先生にとってもシュルツは救いだったんじゃないかな、と思います。
トマス先生が『否定も肯定もせずに沈黙している』という描写が、本編全体を通して何回か出てきます。シュルツはそれをしばしば「沈黙は肯定を意味するのだろう」と解釈して話を進めていますが、実際にこのじいちゃんが黙っているときは、『否定』の意味合いが強そうです。「それは違うよロベルト」と言わずに、淡く笑って無言で相手の思考を促そうとする……このじいちゃんの癖なのかもしれませんし、ヒューマノイドとしての彼の“人格”が人間への否定を回避しているのかもしれません。
謎多きおじいちゃん、トマス先生。
利用されたと分かっても先生を慕い続けるChapter7のシュルツは、“親”想いで、健気だなぁと思いました。
さて。トマス先生の本当の“計画”は、何だったと思いますか。
トマス先生はシュルツにすべてを託し、シュルツに看取られながら旅立っていきました。








