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第41話 生き方なんて人それぞれで良い。

あけおめ、ことよろ。


「やっと来たか。」

「はい。」


 ターボン学園の屋上。

 ここに、かつての友である織田信長と明智光秀がいた。


「我、お主に呼ばれてきたのだが、お主が遅刻するとは何事なんだ?」

「そ、それはすみませんでした。」


 明智光秀は、この異世界に召喚される直前に、織田信長を本能寺にて追い詰めていた。

 その事もあり、正直、気まずい。


「そ、それで、この我を呼び出すとはなんの用だ?」

「信長様。1つだけ頼み事があるのです。」

「頼み事?」




――――――――――




「はぁ、私たちがいない間にミラン先輩と信長が生徒会とやり合ってたってどういう事なの。」

「まァ、恐らくだけど信長は何もしてないと思うけどねェ。」


 風紀委員の活動室。

 ここに、結衣とイリスがいた。


「それに、信長は光秀に会いに行ってるんでしょ?」

「信長と光秀は知り合いなんでしょォ?」

「知り合いだけど、殺しあってるような仲だから、ヤバいかもしれない。」


 結衣は、召喚される前の知識で話す。

 歴史が正しければ、信長は光秀に本能寺で追い詰められ、自害している。

 きっと、仲が悪いのだろう。


「えェ、大丈夫なのかなァ。」

「まぁ、大丈夫だと思うよ。何かあったら、いつもみたいに大声で私たちに助けを呼ぶと思うし。」

「それもそうねェ。」


 すると結衣は、活動室を見渡した。


「あれ? そういえば、ミラン先輩はどこに行ったの?」

「結衣ィ、聞いてなかったのォ? 生徒会長の所に行ってくるって言ってたじゃァん。」

「そうだっけ?」


 結衣はそう聞くと、視線を窓の外に向けた。

 窓の外では、運動部が汗水を垂らしながら活動をしている。


「まぁ、いっか。」




――――――――――




「止まってくれ! 光秀!!」


 ターボン学園の屋上。

 先程までは、信長と光秀が話していたはずだが、今は戦っている。

 だが、その戦いは様子がおかしいものとなっていた。


「頼む! 頼むから止まってくれないか!!」


 信長は鉄の棒を手に持ち、光秀が繰り出す斬撃を受けて止めていた。


「お主の頼み事というのは、これなのか!」


 明智光秀が織田信長にした頼み事。

 それは......


「私を殺して欲しいのです。」


 理由は、分からない。

 事情など知らない。

 それでも、光秀は何故か殺してくれと願っていた。


「できるなら我もそうしたいさ。我だって、できるだけお主の役に立ちたいと思っているからな!!

 それでも、これだけはできないだろ!!」


 今は違くても、昔は仲間だった。

 そんな人を殺せるはずがないだろ!!


「我は、ただでさえ、刀を抜くことすら怖がる臆病者だ! 誰かを殺すなど、できるはずがない!」


 信長の懸命な叫びは、光秀には届かない。

 光秀は無慈悲にも、信長から1度離れ刀を構え直すと、もう一度信長へ斬撃を行う。


「わぁ!!」


 そして、光秀の刀が信長の持つ鉄の棒を引っ掛け、遠くへと投げ飛ばした。


「みつ、ひで。」


 なぜ、なぜ、こうなってしまったんだ。

 我は、我は、どうしたらいいんだ!?




――――――――――




 風鈴が心地よくなっていた。

 だが、目の前では暑苦しい男が素振りをしていた。


「信長、起きてるか。」

「親父がそこでうるさくしてるから、寝れるものも寝れないんだ。」

「俺は、大人しくしてたけどな。」

「動作がうるさいんだよ、動作がな。」


 織田信長の父、織田信秀は、信長の言葉を聞くと、素振りをやめ信長の横に座った。


「お前に1つ聞きたいんことがあるんだ。」

「なんだ?」

「もし今後、仲間を斬らなくてはいけなくなった時、お前ならどうする?」

「は?」

「もしもの話だ。深く考えるな。」

「そう言われても、我には何も思い浮かばない。」


 すると、信秀が突然笑いだした。


「何がおかしい。」

「お前の性格が、この乱世に向いてないなって思っただけだ。」

「うるさいぞ。」

「悪いな。」

「親父なら。」

「うん?」

「親父ならどうするんだ。」


 そう聞かれた信秀は、少し悩んだ後、右手で風に揺れている風鈴を掴んだ。


「斬らない。」

「それじゃあ、質問の答えになっていないではないか。」

「いいんだよ、それで。」

「は?」

「ただ、斬らないようにするためには、他の仲間の助けは必要かもな。俺なんかじゃ答えなんか出せない。

 だからこそ、他の仲間に答えを探してもらう。」

「なんか、ズルいな。」

「ズルくて結構。俺は、そうやって生きていくんだ。」




――――――――――




 "他の仲間に答えを探してもらう"

 信長の中で、自分がやるべき事が分かった気がした。


「光秀。」

「......。」

「我は弱いんだ。戦えないんだ。だから、お主の頼みは叶えてあげられないんだ。

 それでも、我ではなく、我の大事な仲間なら、お主を救えるかもしれない。

 我はそうやって、この世界でも仲間と共に生きていくこととしたのだ。

 ズルいと思ってもらっても構わない。我は、そうやって生きていくんだ。」


 次の瞬間、信長の背後で爆発が起きた。

 いや、爆発ではない。地面を強く蹴ったことによる、ただの揺れだ。


「僕の魔法は、【脚力強化】でしかない。しっかり、サポートしてくれよ。ミランくん。」

「キミと共闘なんて一生ごめんと思ってたけど、ボクの大事な仲間のためならしょうがないね。会長くん!!」


 信長の後ろには、生徒会会長とミラン先輩がいた。


「「さぁ、信長くん! 光秀くん!」」

「ボクが!」

「僕が!」


 そして、信長の頭上を軽々と超え、光秀の刀を素手で受け止めた。


「「助けてあげよう!」」

ポマエら、今年もよろしくな。マジで。

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