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第37話 お化けとだってちゃんと話せば仲良くなれる、、、はず。

「さ、さぁ。民家の中に入ったわけなのだが。」

「そ、掃除をするんですよね。」


 ミラン先輩と結衣は怯えながら、そう話す。


「我、帰りたいのだが。」

「そんな事を口に出すな! ボクも帰りたいんだ!」

「じゃあ、連れてくるなァァ!!」


 ミラン先輩はぼうきを手に取る。


「じゃ、そ、掃除、はじめ、まーす。」

「は、はーい。」


 ミラン先輩の号令に結衣が返事をする。

 いや、今の声は本当に結衣だったか?


「の、信長。」

「なんだ。」

「うしろ。」

「は?」


 信長が振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。

 信長は視線を結衣に向ける。


「何もないではないか。」

「いや、信長、後ろ。」


 信長が振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。

 信長は視線を結衣に向ける。


「何もないではないか。」

「いや、今。見えてたよね。」

「何もないが?」

「もう1回見てみ。」


 信長が振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。

 信長は視線を結衣に向ける。


「何も......ない......ぞ。」

「絶対に見えてるじゃん。怖がってるじゃん。」

「何もないぞ!!」

「じゃあ、もう1回見てみなよ。」


 信長が振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。

 信長は視線を結衣に向ける。


「何もいない!」

「いや、もう、信長、泣いてるじゃん!」

「泣いてない!!」

「もう1回見てみなよ。」


 信長が振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。

 信長は視線を結衣に向ける。

 信長がもう一度振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。しかも、物凄く笑ってる。

 信長は視線を結衣に向ける。


「誰も! 何も! いない!」

「信長、私、逃げるね。」

「ごめん、信長くん。ボクも逃げる。」

「私もォ。」

「オレも。」

「ま、待て! 我を置いていくな!」


 あれ? 我の体が動かなくないか?


 信長が振り向く。

 信長の視界に青白い何かが映る。その青白い何かは、信長の肩に手を乗せようとしている。

 信長は視線を結衣に向ける。物凄い勢いで逃げている結衣に。


「えへ、えへへへへ。」


 信長の体から大量の汗が流れる。


「我、大ピンチィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」


 信長の叫び声は、一晩中響いたとか響いていないとか。




〜次の日〜




「信長〜、迎えに来たよ〜。」

「信長くん生きてるかな。」


 結衣とミラン先輩がもう一度、民家に訪れ信長を探しに来た。


「ありゃ? 信長くん?」


 そんなミラン先輩が見つけたのは、昨日あったはずの古い民家。

 だが、その古い民家が綺麗になっている。まるで、新しい民家だ。

 そんな、民家の入口に信長がいた。


「大丈夫? 信長。」

「我は、大丈夫だったぞ! なんか、民家を掃除するから許してくれって叫んだら、一緒に掃除することになって、最終的にとても仲良くなれたのだ!」

「そ、そっか。」


 結衣は信長のコミュニケーション能力の高さに驚きながらも、信長に声をかけた。


「さ! 信長、帰ろ!」

「その通りだな!!」


 結衣とミラン先輩は、風紀委員活動室へと向けて歩き出した。


「さらばだ、民家の住民たちよ。」


 信長はそのように呟いてから、結衣たちの後ろを着いて行った。

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